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EMS 受託生産について

2020年 1月 10日

(画像、イメージ)

2019年9月現在、米中の貿易摩擦の影響で、生産拠点が東南アジアに移管されていることが報じられています。
日本のEMS受託生産のメーカーの売上や規模はまだ世界最大の規模に比べれば小さいほうです。
ただ、国際的な貿易の問題とは関係なく、日本の企業が生産拠点を東南アジアに設けているという事例は多いようです。
筆者の友人の中にも、例えば繊維の商社で、東南アジアに多く仕事に出かけている人も複数人います。
最近筆者が購入したダウンジャケットもベトナム製です。
機能性ウェアなどは工業的にも科学を前進させる余地がまだある研究領域であるかもしれません。

貿易摩擦などの影響で、それが工業製品にも東南アジア地域への生産拠点移管が進むと報じられています。
アメリカのパソコン大手メーカーなどは賢く、米国輸出分相当の生産を東南アジアに移管する計画であるといいます。
関税の影響を回避するというのがとりあえずの一手であるようです。
筆者としては、ここで一旦、製品や技術の生き残りや伝承・継承に注視・注力していただきたいと考えます。
技術を機械と人の手で何とか生き残らせている場合、熟練工技術や記録、進んだ自動機械や機器への記録などを地道に行って欲しいです。
不採算の製造事業や部門を売り払ってしまった、撤退したというケースがものづくりの世界には結構あるように感じられるからです。

受託生産やプライベートブランドなどは製品を生き残らせるというエコシステムを形成・維持する上での知恵をつかった手段の1つのように筆者には見えます。
不採算で切られた仕事には、断たれたものがあるとするのであれば、それは新しいエコシステムで生き残らせてほしいものだと考えます。
不採算で苦境の時にそれをするというのは無理があるかもしれません。
しかし、採算事業を見つけて・見出して成果をあげて余裕が生まれた場合には、不採算で断たれたものづくりについて、新しいかたちで再びモノを生み出し直していくことも知恵の1つではないかと考えられます。

EMS受託生産の製造業は現代においては例えばITの最先端の巨大企業の製品の理想をものづくりで現実に具現化している面があります。これはある面では現実と理想がかみ合っているものづくりの事例ではないかとも受け取れます。
そして他方で、これから東南アジアに、ものづくりの可能性が移管されるということにもなるのではないでしょうか。

気候変動の問題に直面する農業・ものづくり

2019年 12月 20日

(画像、氷河)

国連の機関が気候変動、地球温暖化の影響で農産物の収穫不足に陥る可能性があると警鐘を鳴らしていることが報じられました。
農業に関しては、世界的には人口増加に対して食料の供給量が不足することが予想されると農業系の商社からも声が上がっています。
日本では目下、人口減少・超高齢化社会・少子高齢化などの社会問題を抱えています。
一方で世界的には人口増加へ向かっている流れではあります。
今年の8月上旬には欧州のフランスでトウモロコシの成熟不足が気候変動の影響を受けているといいます。
他にもフランスでは気温の温暖化によって畜産牛の食欲が低下し、生乳の生産量が下がっているといいます。

気候変動・地球温暖化にともなう問題は暑い夏だけではなく、寒い冬の時期にも寒波が南下しやすくなると専門家が分析をしています。
気候変動・地球温暖化の問題は今・最近では国連の会議で大きく取り上げられているテーマとなってきています。
ものづくりの中で考えてみると、エネルギーの生産・供給の源、エネルギーの消費の仕組みなどが、
これからもっともスマートにしていかなければならないのではないかと考えられます。
2019年8月上旬執筆現在でもCO2を出さない燃料電池仕様のバスの走行が豊田市で開始されていると報じられています。
環境問題対応仕様としてのエネルギーの使い方はこれからより良いかたちが開発されていく、
そういう必要に迫られていくかもしれないと予測されます。

中国では都市の大気汚染が深刻で、大気汚染対策として環境仕様の自動車の新車の販売・購入が優遇されています。
日本のクルマ製造メーカーは例えばトヨタ自動車があらゆる知恵と工夫を最大限発揮しようと努めています。
CASEやMaaSなどの略語に象徴されるような技術的な大きな課題もあれば、地球環境問題への具体的な対応仕様も
他方で求められてくるのではないかと考えさせられるようになってきました。

筆者は親戚のエンジニアの方から、ものづくりは「身近なことが役に立ちます」というアドバイスを受けたことがあります。
全くその通りで、現実問題としては身近なモノやことから変えていくしかないというのが正解の1つかもしれません。

FA、ファクトリーオートメーションについて

2019年 12月 6日

(イメージ画像、人工知能)

FAファクトリーオートメーションとは
ファクトリーオートメーションとはものづくりの現場を機械や人工知能を活用して自動化することをいいます。
略してFAと呼ばれたりしています。
新聞によると、日本電産の永守重信会長は2030年には世界の主な工場が完全自動化になる、
2050年には500億台のロボットが動く時代が来ると予言しています。
予言した通りになるかどうかは別として、
ものづくりのメーカーのリーダーが未来のビジョンを明確に持つことは大事であると考えられます。
2019年7月現在では、振り返ると、ソフトバンクの孫正義会長も韓国の文大統領を訪問した際に
「韓国は1にも、2にも、3にも人工知能」などと発言されたことが報じられました。

外交や政治の影響で、2019年の4~6月の自動車販売や半導体の製造の景気減速が報じられるようになってきました。
こうなってくるとものづくりの分野も逆風にさらされることは避けられません。
進歩を最大限に加速することは難しい状況ですが、5Gを前に一定の需要の波が来ることは間違いありません。
FAファクトリーオートメーションの進化には5GとIoTが欠かせません。
FAファクトリーオートメーションの意義については熟練工に劣らない仕事を実現させることにあるといいます。
果たしてものづくりのリーダーが言う熟練工に劣らない仕事を自動化で実現されていくのか注目です。

人間の仕事と役割はこれから洗練されていくと考えられます。
自動化に対しては、人間の雇用を奪われるという危機感をもって見る人もいます。
ただ、人間にしかできない能力はあって、
例えばWikipediaによるとパターン認識能力や言語能力などが挙げられるといいます。

コミュニケーションや指示、検証や分析などは人間が指揮者となって担うのが望ましいかもしれないと筆者は考えています。
直ちに変わるという自動化の動きではないものの、我々人間も自動化について興味を持って今後見つめていく必要はあるかと考えられます。
ただ、自動化を指揮する責任者の方にとっては、
仕事上の1つ1つのコミュニケーションや指示が仕事の内容や質に関わってくるとすれば、
それもまた責任の重い役割であり、仕事であると考えられます。

ものづくりの環境の激しい変化

2019年 11月 15日

米中貿易問題の長期化を見越して東南アジアに生産拠点を移すメーカーが現れています。
2019年7月執筆現在は最先端半導体製造・開発に欠かせない物質の輸出管理で、
韓国と日本がそれぞれの意見を表明しています。
最先端の半導体は5ナノメートルのプロセスルールの製造が可能になっていると現段階で言われています。
進んでいるのは、韓国のサムスン電子やTSMCなどのメーカーがまず挙げられます。
直近の新聞では「ムーアの法則」はまだ続いているという専門家の方の記事も見られました。
半導体は目下、微細化・低消費電力化、かつ高機能化の流れにありますが、
そこに積層構造という考え方も加わってきているといいます。
村田製作所などは直近でスマホ搭載向け電子部品の微小化を実現したことなどが報じられました。

スマホなどはiPhoneで見ても、電池などは明らかに長寿命化してきています。
高機能化も顕著です。
5G端末の実機は筆者は未だに手に持った経験はないので表現できません。
しかし、iPhoneの進化は半導体製造における製品の微細化と低消費電力化、
かつ高機能化が実現されてきているからであると考えられます。
電子部品の微小化が為されれば、その分多く部品を製品に搭載することが単純に考えられ、
高機能化実現の基礎であると考えられます。

貿易の問題でものづくり・製造業の世界が揺れる、読めない面が出ることは筆者には予想外でした。
製品は国際的でありながら、それぞれの国を守るという観点から動向が左右されることは本当に難しい問題です。

未来の生活には半導体と半導体の進化が不可欠です。
次世代に専門家の方々によって語られ、想定されている工学的な技術やデザインは
これから実際にどうなっていくのか注目です。
2019年7月には中国のGDP統計の数字が出ました。厳しい数字です。
国際的に経済のバランスが不透明な中、半導体の開発・製造で後れをとらないように
各分野・各製品のメーカーが苦心するのは避けられない状況です。
ものづくり的には新車・自動車の販売の動向が気になってきています。
おそらくは経済の実体に合わせるかたちで消費の動向が変化してくるのではないかと考えられるからです。
それがものづくり的には動向を読む要の1つであると考えられます。

日本国内のクルマへの新たな燃費規制から考える

2019年 11月 1日

2019年6月上旬に、経済産業省と国土交通省が新車販売の新しい燃費規制をまとめました。
それによると、国内の新車販売について経済産業省は2030年にEV電気自動車・PHVプラグインハイブリッド車の販売の割合を20~30%に高める目標を定めました。
内容は大まかにガソリン車・HV(ハイブリッド)車燃費向上に関する規制と、上記の通り将来の新車販売のEV・PHVの占める割合についての目標%がこの新しい規制に盛り込まれました。
他には、この新しい規制は、EVやPHVにも1回の充電で走行可能な距離を測って(燃費の代わりに)「電費」も燃料規制の対象となるとも定められました。
ちなみにこの電費は、火力発電などの電力供給による電力を生む際のCO2排出についての分を燃料消費として換算するといいます。
この「電費」という用語と考え方はまったく新しいと考えられます。

環境問題に対応するための規制は、ヨーロッパの国が先行している印象があります。
しかし、今回の日本国内での新車販売に対する燃費規制はそれにおくれをとらないレベルであると考えられます。
実質の%で、2017年度新車販売における約30%を占めるハイブリッド車が、2030年までにはそのままの割合がEVもしくはPHVに買い替えられていないと、目標は未達となってしまう数値です。
CASEに対応する開発投資費用がかさむ中で、燃費や電動車への対応も迫る流れとなっており、自動車を取り巻く環境は複雑になってきています。
電気自動車化が加速する中で、使う電気の中身はこれから問題となってくると考えられます。
今回の規制はそれに先手を打つかたちであり、電力の発電の中身も重要視されてゆくのだということを実感します。

ちなみに6月上旬には米Apple社のWWDC2019も開催されました。
Appleはその基調講演でアメリカで「Car Play」というクルマのカーナビゲーションシステムのOSが普及している成果を発表していました。
ハードウェア・ソフトウェアに強いメーカーが、サービスを新たな柱として視野に見据えて、クルマの世界に参入するのは自然なことなのかもしれません。
また「Maps」もアメリカ国内のデジタル地図がさらに充実したという発表もされました。
音声認識AI「Siri」のスピーチ性能の強化や、手を動かせないユーザー向けの音声操作機能「Voice Control」なども発表されました。
ものづくりの視点かはまだ不明ですが、ハードウェアとソフトウェアを研究開発してサービスを考えて追求していくと、とにかくそのサービスの中身は、より「ボーダレス」になるのかもしれないとWWDC2019基調講演を視聴していた筆者は感じました。
それは、コンピュータからものづくりをスタートさせたAppleも、もしかしたら自動車のメーカーも、そうした潮流の流れの中で生きようとしているのかもしれません。

AIとクラウドを活用したコンテンツ

2019年 10月 18日

ソニーとマイクロソフトはAIとクラウド型ゲームで提携することを発表しました。
両社はマイクロソフトの法人向けクラウドAzureアジュールを活用するといいます。
ソニーとマイクロソフトはクラウド型ゲームだけではなく、映像配信サービスに活用するクラウド技術の共同開発を検討していくといいます。
両社はゲームだけではなく、マイクロソフトのAIと家電製品、高性能のグラフィックス性能に欠かせない半導体や人工知能(AI)の分野、画像センサー技術の共同開発もするといいます。

AIやクラウドの環境をリードしてきているのはアメリカの企業です。
グーグルやアップルもクラウド型のゲームサービスを開始すると発表しています。
ソニーはゲームのハードウェアとソフトウェアの開発、画像センサーやカメラ、スマホ、音楽・ゲーム配信コンテンツなどで好成果をおさめています。
画像センサーとAIの組み合わせや家電製品とAIの組み合わせなどソニーとマイクロソフトの提携、共同開発の意義は大きいと考えられます。

ソニーは2019年度大学新卒の希望就職先の国内第1位となっています。
可能であれば、なぜ大学新卒の就職希望の第一志望にソニーを選んでみたのか、その意思の中身をアンケートして記事でとり上げて報じてほしいと筆者は考えています。
そこには、筆者はそれなりの現代の若者としての発想や答えが見えるのではないかと考えられます。

これから、ソニーのゲームや音楽・映像コンテンツが、マイクロソフトのデバイスにも浸透していくことを考えると面白いことだと考えられます。
ソニーのコンテンツがマイクロソフトに浸透する場合、Windows機にもさらにサービスやコンテンツが拡がるということになるのではないかと考えられます。
薄型テレビがテレビだけではなく、ネット動画・配信動画も視聴するようになった現在に、ゲームはこれからどうなっていくのか楽しみでもあります。
ただ、ゲーム障害対策として、iPhoneのスクリーンタイムの機能のような、客観的な使用時間の中身を知らせてくれる・ユーザーやその保護者の方が認識できる機能は人の健康のためには求められてくるのではないかと考えます。

水素液化技術を通して考える

2019年 10月 4日

水素を燃料とする手法が日本の製造分野でも見られます。
水素燃料電池・水素燃料電池仕様の自動車などがそれです。
豊田自動織機は水素燃料電池仕様のフォークリフトを導入しています。

2019年5月執筆現在は、まだまだガソリン車・ハイブリッド車が主流です。
考えてみるとガソリンを燃やして自動車が日夜駆け巡っているわけで、これからいきなりピュアEVの電気自動車に全て一気に変わるということも大変なことだと感じます。
そうした時に水素を燃料とする燃料電池や燃料電池車両が補助的に普及することも意義深いことのように考えられます。
ただ水素は理想を言えば、環境負荷の課題解決のために、再生可能エネルギーによってつくられた水素を活用しなければ、環境のためにもなる次世代燃料とはなり得ません。
技術的には、もう実用的な段階まで、少しずつ研究が進んできています。
ですが水素は位置付けとしては、代替エネルギーで、再生可能エネルギーではありません。

液化した水素を活用
川崎重工業は水素液化の技術開発を進行させています。
水素をセ氏マイナス253度に冷却して液化することができるといいます。
液化された水素は800分の1の体積まで縮小させることできます。
川崎重工業は再生可能エネルギーの電力で水素を冷却して、液化し、縮小してタンクに貯蔵して運ぶ新しい水素エネルギーの実用技術を提案する戦略です。
2020年の商用化を目指しているといいます。

クリーンエネルギーでのインフラ普及は環境目標でもあり、近年では経済の課題や目標にもなってきています。
ただこれは理想として先進国の一部で呼びかけられているのが現状で、今後国際的な枠組みでもさらに進展していくことが望まれます。
筆者としては今後、もしかしたら環境目標が経済目標とも重なってくるのではないかとも考えたりしています。

再生可能エネルギーの活用や、クリーンエネルギーでつくられた水素などが今のところ環境に対して有望視されています。
もしクリーンエネルギーでできた水素が比較的安価で活用できるとすれば燃料としては可能性があると期待されます。
LNG液化天然ガスの貯蔵・輸送・CO2コストの比較的少ない火力発電などは、比較的はやく日本でも導入・活用されました。
原発事故以降のエネルギー事情がそれだけ背中を押したという背景もあると考えられます。

CO2貯留

2019年 9月 20日

(イメージ画像)

二酸化炭素CO2貯留
「二酸化炭素の貯留とは、気体として大気中に放出された、あるいは放出される直前の二酸化炭素を人為的に集めて、地中・水中などに封じ込めること・またその技術のことを言います。
CO2貯留、二酸化炭素地中・水中固定、二酸化炭素地中・水中隔離、炭素隔離など様々な名称があります。
いくつかの方法がありますが、現在研究が推進されている代表的なものに二酸化炭素の回収・貯留(CCS)があり、代名詞的に用いられています。
化学・工学的に二酸化炭素を分離回収して、それを貯蔵・利用する手法であり、普通、光合成によるものなど、生物による二酸化炭素の吸収と貯留は、炭素固定と呼んで区別されています。
二酸化炭素の貯留に関しては、二酸化炭素の回収方法と貯留方法にそれぞれいくつか種類があります。」
(「」、二酸化炭素貯留 Wikipediaより引用)

日本でも化学吸収法の二酸化炭素回収技術を採用して、貯留した二酸化炭素を海底に貯留する方法を模索しています。日本は小さな島国で、陸地も少ないため、その地理的条件を超えるための二酸化炭素貯留の海底貯留が有効な手法・技術として前向きに開発が進んでいるようです。
ESG投資やSDGs投資が世界の投資家の方たちの未来に向けた投資のトレンドとなってきており、二酸化炭素の回収・貯留技術はその投資トレンドに対応する技術開発ではないかと考えられます。
日本では東日本大震災と津波・福島の原発での水素爆発事故以降、原発の多くが稼働停止し、その後現在稼働を再開している原発も限られています。
その一方で、液化天然ガスを活用した火力発電が大手の電力会社によって推進されているという状況です。
液化天然ガスによる火力発電は、石炭火力発電よりも発電時にかかるCO2排出量はより少ないと言われています。
ただ、火力発電に頼っている現在の日本では、CO2も含めた温室効果ガス排出量を抑制していくことは、欧州が主導する国際的な環境問題対策の具体的な活動の1つとして重要であると考えられます。

そう考えてみると、気候変動・地球温暖化への対策の1つとしての、大気中へのCO2排出減に寄与する二酸化炭素回収・貯留技術は、もし具体的で有効な手法が決まってくれば価値を生むと考えられます。

2019年5月に発表された製造メーカーの業績の明暗について

2019年 9月 6日

(イメージ画像、工場夜景)

2019年5月にトヨタとホンダの業績が発表され報じられました。
同日の新聞記事では、アメリカが中国に関税を25%にさらに引き上げて課すことも報じられていました。
トヨタは総じて好業績であった模様で、その一方でホンダは4輪自動車の業績が良くなかったようです。
ホンダは生産規模の最適化に時間をかけてきた背景もあり、さらにその縮小生産スケジュールと米中の貿易摩擦の影響も相まっての業績の不振のようです。
中国、北米が世界の自動車の中での大きな市場であると言われています。
貿易摩擦による関税の影響は今後も中国、北米の自動車の消費にどんな結果や効果をもたらすか以前見通せません。
ものづくりもこうした貿易や経済の影響を少なからず受けると考えられます。
米中は互いに関税をかけている貿易摩擦の最中ですが、そんな逆風もある中で好業績を維持しているトヨタ自動車はすごいです。(2019年5月執筆現在)

ものづくりのメーカー企業では2019年5月発表の業績の明暗が結果として分かれているのが顕著に報じられています。
スマホの消費が買い替えサイクルの長期化などの変化が消費に現れてきているということがまず一番大きな印象であるように見受けられます。
スマホの飽和状態という言われ方もしていますが、スマホを所有している状態ではあるが、まだ買い替えを考えていない、若しくは割安でお得な機種を買い替え検討するというユーザーの方が結構な割合で存在するというほうが正確かもしれないと考えます。
ですから、スマホに関して言えば消費の手控え感のある印象があります。

しかし、例えば車載向けなど多角的に製造・販売しているものづくりは貿易や経済による影響の逆風の中でも業績を伸ばしている企業もあります。
また、工場・生産現場の省人化・自動化などの生産効率改善に貢献する技術や製品もまた売上を伸ばしているものも存在します。(2019年5月執筆現在)

同じ業種や製品でも車載向け・工場・物流などの省人化・自動化、生産効率改善の実現などの需要のある目的に特化した独自技術や製品が手堅い業績をおさめています。
受託生産でつくるという生産をしているメーカーは、動向や状況に適した製造の多角化の戦略が欠かせない・必要とも言われています。

トヨタが4月にHVの特許を無償で開放と発表

2019年 8月 16日

トヨタ自動車はHVハイブリッド車の約2万3000件ほどの特許を無償で開放すると発表しました。
トヨタ自動車の副社長が会見を開き発表しました。

背景に「CAFE」
「CAFEとは英語corporate average fuel efficiencyの略語です。
CAFEとは「企業(別)平均燃費」のことをいいます。
アメリカでは自動車製造企業ごとに企業平均の燃費を算定し、その燃費が基準値を下回らないように義務付けられています。」
(「」、CAFE Wikipediaより引用)

世界の主要国では自動車の環境規制が政策で定められています。
中国はEV電気自動車の購入の際の補助金を2021年までに段階的に減少させていって、廃止する方針です。
その一方で中国は環境規制を自動車メーカーに定めて環境対応の生産の方向にもっていく政策をとっています。

アメリカ・欧州・中国では上記のCAFEという規制がすでに導入されています。
そして日本も2020年からCAFEを導入する予定となっています。

トヨタの今回の自社のHVハイブリッド車に関する約2万3000件もの特許開放は、クルマ業界の製造メーカーの企業別平均燃費の成績改善に寄与するものと考えられます。
CAFEの条件に満たないメーカーは多額の罰金を支払う義務がかせられてしまいます。
そうした損益を世界で減らし、次のEV電気自動車の開発・生産に向かわせる、そういう矜持をトヨタの発表から筆者は感じました。
ただ、規制を厳しく定めている先進国の国々ではHVに振り向くことなく電気自動車の開発・製造・普及に向かうケースも少なからずあるのではないかとも考えられます。

2019年4月現在感じることは、クルマの開発・製造・生産は電動化・電気自動車の開発はもう進むしかない、もう後戻りできないようになってきたのではないかということです。
同時に地球環境の問題への対応は欧州が積極的に推進しているといった印象もあります。
電気、エネルギーの問題、インフラの構築の問題と表裏一体となっているこれからのクルマの展望は長期的な視点では本当に転換の時期を迎えようとしています。
クルマの駆動を支えるエネルギー・電気を賄う、そしてそのエネルギー生産を地球環境対応としてどう構築していけばよいか知恵を絞る必要があります。
ハイブリッドの自社の独自技術・特許を開放することで、トヨタは背水の陣で電動化・電気自動車生産や「CASE」に挑むことになるのでしょうか。