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アクリルレーザー加工

レーザーを使用してアクリル板を切断、彫刻、マーキングする技術です。以下はアクリルレーザー加工の基本情報です:

利点

高精度:レーザー加工は非常に高精度で、細かいデザインや微細なディテールを再現することができます。

速さ:機械加工と比べてスピーディーに処理が行えるため、効率的です。

非接触加工:材料に直接触れずに加工するため、物理的な負担や損傷が少ないです。

多様なデザイン:複雑な形状やパターンを簡単に実現できます。

加工の種類

切断:レーザーでアクリル板を指定の形に切り出すことができます。直線、曲線、複雑なパターンも容易に切断可能です。

彫刻:レーザーで表面を削り取ることで、文字や画像、模様を彫刻することができます。深さや濃淡も調整可能です。

マーキング:表面に文字やロゴ、シリアルナンバーなどをマーキングすることができます。

注意点

厚さの制限:レーザーの出力によっては、厚いアクリル板の切断や加工が難しい場合があります。

焦げや歪み:高出力のレーザーを使用すると、焦げや歪みが生じることがあります。適切な設定が必要です。

素材の選定:アクリルにも種類があり、キャストアクリルと押し出しアクリルが一般的です。レーザー加工にはキャストアクリルが向いています。

アクリルレーザー加工を成功させるためには、適切なレーザーの設定、素材の選定、デザインの準備が重要です。

レーザー機利用の例

【アクリル彫刻銘板】

【アクリル切り抜き加工】


 

キャストアクリルについて

キャストアクリル(cast acrylic)は、アクリル樹脂を型に流し込んで固化させることで製造されるプラスチック素材です。その製法や特性から、押出アクリル(extruded acrylic)とは異なる特徴を持っています。以下はキャストアクリルに関する概要です:


製造方法

  1. 液体モノマーを型に注入
    液体のアクリルモノマー(通常はメチルメタクリレート)が、型に流し込まれます。
  2. 硬化プロセス
    化学反応を利用して加熱・硬化させます。これにより、分子構造が強固になります。
  3. 仕上げ
    固化した後に型から取り出し、必要に応じて切断や研磨が行われます。

特性

  • 高い透明度
    ガラスに匹敵する透明度(光透過率約92%)を持ち、クリアな外観が特徴です。
  • 優れた耐候性
    紫外線や風雨に対して高い耐性があり、屋外でも使用可能です。
  • 加工の柔軟性
    切断、穴あけ、研磨、曲げ加工がしやすい。
  • 厚みの均一性
    製造時のプロセスにより、厚みのばらつきが少なく、均一性が高い。
  • 機械的強度
    押出アクリルよりも高い耐衝撃性を持つ場合が多い。

用途

キャストアクリルは、様々な用途で利用されています。以下がその主な例です:

  • 看板やディスプレイ
    商業施設や店舗での広告や展示物。
  • 水槽や窓
    高い透明度と耐久性から、アクアリウムや特殊な窓に使用。
  • 芸術作品や装飾
    彫刻やカスタムパーツの制作。
  • 建築材
    透明または半透明パネルとしての使用。

押出アクリルとの違い

特性 キャストアクリル 押出アクリル
製造コスト 高い 低い
厚みの均一性 高い やや不均一
耐衝撃性 優れる 普通
加工性 優れる 標準
サイズの自由度 多様な厚み・形状が可能 標準

キャストアクリルは、クオリティが求められる用途に適しており、押出アクリルと比較してコストは高いものの、性能の高さから選ばれることが多いです。

 

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