製造業ニュース
生成AIとパソコン、自動車の近況
CES2024での生成AI関連の発表
CESの一般公開を前に、ソニーグループとホンダが出資している、
EVの開発会社ソニー・ホンダモビリティーが米マイクロソフトと提携することが発表されました。
内容としては、開発中の新車種AFEELA(アフィーラ)にマイクロソフトのクラウドを介して生成AI、ChatGPTを使える機能を組み込むといいます。
ホンダはカナダにEVの製造工場を新たに設けることが報じられています。
北米で製造された自動車は米国の電気自動車の購入補助の対象となる可能性があります。
また、ホンダは米国でのEV向け車載電池をLGから、
中国でのEV向け車載電池を中国のCATLから調達する計画が決まっています。
AIパソコン
パソコンでは米デルコンピュータや米HP(ヒューレットパッカード)、中国のレノボなどがWindows機の生成AIコパイロットの機能を組み込んだ、
いわゆるAIパソコンと呼ばれる製品を2024年発売する計画であるといいます。
2023年12月にはインテルのAI半導体「Core Ultraシリーズ」が搭載されたデルのノートパソコンが発売されています。
価格も高すぎることもなく直販で手に入れやすい価格で発売されています。
今後生成AIに適したパソコン製品が次の商機として続々と発売されていくようです。
AI半導体も開発競争が加熱
米エヌビディアが生成AI向け半導体製造で世界首位となっています。
その背中を追うように米AMD(アドバンスド・マイクロ・デバイス)や米クアルコム、米インテルなども、
端末に組み込むことができるAI半導体製品を開発しており、供給がなされる見込みです。
今後開発は高性能化や省電力機能強化などが進みそれぞれの製品がそれぞれの優位性を持てるような形で開発競争が加熱していくと考えられます。
自動車に関しては米国や中国等の国外からバッテリーEVへと製造がシフトすることが現実的となってきています。
トヨタ自動車やホンダが北米でのEV向け車載電池の調達のメドをつけています。
2020年代後半までにはようやく日本の自動車メーカーがEV製造で本気を出せる環境が整ってきていると考えられます。
AI半導体、明らかにされたダイハツの問題について
成長余地のあるAI半導体
生成AIで活躍しているエヌビディアのGPUなど、いわゆるAI半導体の開発競争が活発化しています。
生成AIで有用であると判明しているエヌビディアのGPUグラフィックス・プロセッシング。ユニット。
エヌビディアのGPUは元々ゲームの画像処理に使われる製品です。
2023年12月執筆現時点で、エヌビディアのAI半導体の課題は電力の大量消費にあると指摘されるようになってきています。
生成AIの最適化されたAI半導体の開発がエヌビディアを追うメーカーでも見られるようになっています。
AI半導体づくりに携わる技術者・有識者は、今後より電力効率を上げた設計・AI半導体としての最適解を追い求めていく模様です。
ダイハツの新車の安全性を確認する試験で不正が判明
2023年12月下旬、ダイハツは安全性を確認する試験で不正をしていたことを明らかにしました。
記者会見でダイハツの社長は全工場の稼働を停止することを表明しました。
不正は25の試験項目、国内で現在生産・開発中の28車種すべてで判明しているとのことです。
ダイハツの主力商品といえば軽自動車の車種です。
軽自動車は日本特有の開発車種で、日本国内の新車の4割を軽自動車が占めていると言われています。
ダイハツは日本国内2022年度において、軽自動車の約33%のシェアを占めているといいます。
リコール対象車の割り出し、リコールについては随時不正の実態調査とともに今後検討していくようです。
クルマの安全性は人命にも関わる重要なことで、これからの調査で一つ一つ着実に解明し、
解決に向けて取り組んでいくことが望まれます。
クルマは電動化に向かう開発の最中です。
不正の問題の膿を出し切って、ダイハツも軽自動車の電動化へなんとか軌道に乗せてくれたらと考えます。
ダイハツはトヨタとの結びつきも強いので問題や課題の割り出し、着実な解決に向かって、
トヨタの技術者にも協力してもらえたら良いのではないかと考えます。
新車の販売再開に向けては明るみになった問題が30年近くも続けられていたとのこともあって、
難しい課題が多くあるのではないかと考えられます。
工作機械
グーグルの新AIサービス始まる
グーグルの新AIサービスGeminiジェミニ
2023年12月上旬、グーグルが新しいAIサービス提供を12月6日から開始することが報じられました。
従来の生成AIは膨大な文章(テキスト)データがAIの学習に使われていました。
グーグルの新しい生成AIであるGeminiは文章だけではなく音声や画像などもAIの学習に組み込んでいるようです。
音声や画像データもAIの学習に活用する技術はグーグルが先行しているということになります。
米オープンAIも2023年9月にサム・アルトマン氏が音声・画像データもAIの学習に活用していくことを表明しています。
グーグルのGeminiはUltra上位版、Pro普及版、Nano軽量版の3プランのサービスが用意されるようです。
スマホ利用の軽量版Nanoがまず初めに2023年12月6日から提供開始され、それから普及版、上位版がリリースされていく計画であるようです。
グーグルはオープンAIのChatGPTへの対抗を強く意識している模様です。
また米テスラのイーロン・マスク氏もxAI(エックスエーアイ)という独自の生成AIの開発を進めています。
生成AIの開発競争が始まっていることが感じられます。
PCのOSシェアはずっと米マイクロソフトのWindowsが主流です。
ですがITデバイス全体で捉えてみると、
グーグルのスマホOS、Android搭載端末が世界で最もシェア・台数を伸ばしています。
そして米アップルのiPhoneに搭載されているiOSもシェア・台数を伸ばしています。
世界全体の一般ユーザーにおいてはスマホ端末、スマホOSが完全に主流化して使われているのが現状です。
しかし、その流れの中で、未だに企業のIT活用はWindowsが底堅い面があります。
ですので、オープンAIのChatGPTとマイクロソフトのWindowsとの相乗効果は企業の業務効率に、
より大きな影響を及ぼしていく可能性もあると考えられます。
脱炭素化に向けて
第28回国連気候変動枠組み条約締約国会議COP28
UAEアラブ首長国連邦にて、COP28の2023年12月2日の首脳会合で、
世界118カ国が2030年までに世界の再生可能エネルギーの発電容量を3倍、電力効率を2倍に拡大していくことを誓約しました。
世界でこれから現在の3倍の再生可能エネルギー供給網配備が求められていくことになります。
日本としては岸田総理が日本としてCO2排出減対策の講じられていない新たな石炭火力発電の施設は設けないことを明言されました。
日本の2050年までのカーボンニュートラル・脱炭素化は菅政権の頃提唱された政策です。
岸田総理も同じ方向性・路線で政策を練っていく模様であることが窺われます。
また、米エネルギー省は2023年12月、COP28の首脳会合と同時期に、
2050年までに原子力発電容量も世界で3倍に拡大していくことも米国、日本、韓国、英国などの22の有志国で宣言をしました。
上記のニュースは今後の産業に影響を及ぼすと考えられます。
また、再生可能エネルギーインフラ技術・設備の革新がより重要となってくると感じられます。
筆者としても産業が環境問題に対して対応を厳しく求められていることは、
ものづくりの将来が環境への取り組みを今後一層必要とされるであろうことを実感させられるものです。
気候変動による災害に遭った国や地域では、産業の環境問題への対応や配慮を危機感を持って強く求めているところもあるようです。
日本は面積あたりの太陽光発電が占める割合は世界トップとのことです。
しかし、日本は小さな島国であり、国土面積は小さく限られるため、
世界的に見ると再生可能エネルギーの供給容量の規模は結果として小さいということになります。
バッテリーEV、電気自動車の開発も車載電池の開発成果が最近でも次々と発表されてきています。
環境問題解決に矛盾しない開発を進行させていくには、
水素系燃料や再生可能エネルギーのシェアを伸ばしてグリーンなエネルギー供給網を強化していく必要があります。
日本国内での浮体式の洋上風力発電の導入も2020年代後半あたりから始まっていくといいます。
燃料は水素やアンモニア、電力はグリーンな電力を利用することが求められてきます。
環境問題の課題解決への方向で矛盾しない開発をしていくことは、とても難しい現代の課題なのだなと改めて考えさせられます。
固体電解質
固体電解質とは、電子ではなくイオンを伝導する固体材料のことです。この性質により、固体電解質は様々な電池や燃料電池、センサーなどに応用されています。固体電解質の特徴として以下の点が挙げられます。
1,イオン伝導性: 固体電解質は、その構造中でイオンが移動することにより電気を伝導します。このイオンは通常、リチウムイオンやナトリウムイオンなどです。
2,電子絶縁性: 固体電解質は電子を伝導しないため、電気的に絶縁することができます。これにより、電池内部での電子のショート回路を防ぐことが可能です。
3,化学的安定性: 多くの固体電解質は化学的に安定しており、反応性の高い物質と接触しても安全です。
4,高エネルギー密度: 固体電解質を使用することにより、液体電解質を使用する電池に比べて、より高いエネルギー密度を達成することができます。
5,適用範囲の広さ: 固体電解質は、様々なタイプの電池(例えば、全固体電池)や他のデバイスに使用することができます。
固体電解質の応用例としては、以下のようなものがあります。
◆全固体リチウムイオン電池: 従来の液体電解質を使ったリチウムイオン電池に比べて、安全性が高く、高エネルギー密度を実現できます。
◆燃料電池: 固体酸化物燃料電池(SOFC)などに使用され、高いエネルギー変換効率を持っています。
◆センサー: ガスセンサーや湿度センサーなど、特定のイオンや分子を検出するために使用されます。
これらの応用は、エネルギー貯蔵技術や環境技術の分野での革新を推し進める重要な要素となっています。固体電解質の研究は、新しい材料の発見や既存材料の改良を通じて、引き続き進展しています。
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光電融合デバイス
光電融合デバイス(Photonic-Electronic Hybrid Devices)は、光学的(フォトニック)要素と電子的(エレクトロニック)要素を組み合わせたデバイスです。この技術は、情報通信技術、センサー、エネルギー変換、イメージングなど、多岐にわたる分野で利用されています。光電融合デバイスの主な特徴としては以下のような点が挙げられます。
1,高速データ伝送:光ファイバーを用いた通信は、電子デバイスよりもはるかに高速で、データの伝送損失も少ないです。
2,低消費電力:光学的な方法でデータを処理・伝送することで、エネルギー効率が向上し、消費電力を削減できます。
3,高密度統合:光学的要素と電子的要素を一つのチップ上に統合することで、デバイスのサイズを小さくし、複雑な機能を持たせることが可能です。
4,新しい機能の実現:光と電子の相互作用を利用することで、新しい種類のセンサーや計算機器、イメージングデバイスなどが実現可能です。
これらの特徴により、光電融合デバイスは、例えば高速コンピューティング、高精度センシング、環境モニタリング、医療イメージングなど、多様な応用が期待されています。また、この技術は、次世代の通信システムや、量子コンピューティングなどの新しい領域での利用も検討されています。
光電子ハイブリッドデバイスの図です。この画像は、導波路やレーザーなどの光学 (フォトニック) 要素と、トランジスタや回路などの電子要素をすべて単一チップ上に統合する様子を示しています。情報通信技術の高度な技術を反映して、光ファイバーと電子回路の複雑なネットワークが強調表示されます。
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先端半導体製造とAIの利用について
(画像・イメージ)
中国・華為技術(ファーウェイ)が7ナノ品のチップ搭載のスマホを発売
2023年8月、華為技術が最新スマホ機種Mate60Proを発売しました。
米国による規制下での発売です。
後になって大きく報じられたのはこのMate60Proに7ナノ品のロジック半導体が搭載されているということでした。
米国の先端半導体関連の厳しい輸出規制の条件を克服して7ナノ品を製造できるようにしたことは、
米国の識者の方々にも衝撃的なニュースであったと考えられます。
iPhone15Pro、15Pro Maxに搭載された最新半導体技術
華為技術など中国のスマホメーカーの奮闘の一方で、
米アップルはTSMCの受託製造により、世界最先端の微細設計の半導体チップの量産開始に到達しています。
iPhone15Pro、15Pro Maxに3ナノメートル半導体チップが搭載されて2023年秋に発売されました。
2023年11月には、M3 Macbook Proシリーズに3ナノのCPU・GPUのSoC(システム・オン・チップ)M3が搭載された新ノートパソコン製品が発売されています。
いずれも超微細化・低消費電力かつ高機能化の世界最先端の半導体が搭載された製品です。
パソコンには新たな需要・開発ニーズも
インテルのパット・ゲルシンガーCEOは2023年11月、
2023年12月にAIパソコンに組み込む独自の半導体製品を発売することを表明しました。
パソコンに搭載することによってそのAI機能が稼働して言語の翻訳や文章の要約等を行えるといいます。
米PC製造大手メーカーのHPヒューレット・パッカードのCEOも、
2024年にはAIパソコンを発売する計画であることを表明しています。
超微細化や高性能化だけではなく、AI機能への技術対応も新たな需要となっていくようです。
ただ生成AI等にも著作権侵害や名誉毀損などのリスクなどもメディアで指摘されるようになってきています。
悪意をもってAI技術が使用・利用されるのを、法や規制で抑えていくことも場合によっては必要であるかもしれません。
ガスエンジンハイブリッド
ガスエンジンハイブリッドシステムの主な特徴は以下の通りです:
1,エネルギー効率の向上:電気モーターは、低速時や加速時にエンジンをサポートし、全体的な燃料消費を減らします。
2,排出ガスの削減:電気モーターの使用により、特に市街地走行時に排出ガスを削減できます。
3,再生ブレーキシステム:ブレーキを使用する際に生じる運動エネルギーを電気エネルギーに変換し、バッテリーを再充電します。
4,スムーズな走行性能:電気モーターの即応性により、スムーズな加速と静かな走行が可能になります。
このシステムは、特に環境負荷を低減したい都市部での使用に最適ですが、バッテリーの寿命やコスト、充電インフラの整備などの課題もあります。それにもかかわらず、ガスエンジンハイブリッドシステムは現代の自動車技術において重要な役割を果たしています。
ガスエンジンハイブリッド推進システムの図です。この画像はガソリン エンジンと電気モーターの統合を示しており、燃料タンク、バッテリー、ガソリン エンジン、電気モーター、トランスミッションなどのさまざまなコンポーネントが含まれています。また、エネルギーの流れを視覚的に表現し、ガソリン エンジンと電気モーターが車両を駆動するためにどのように電力を分配するかを示します。この技術的で有益なデザインは教育目的に適しており、ハイブリッド システムがどのように燃料効率を最適化し、排出ガスを削減するかを強調しています。
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JAXAファーストライト
宇宙航空研究開発機構(JAXA)はこのほど、X線画像分光ミッション(XRISM)による初の観測データを公開した。JAXA と NASA の協力によるこのミッションでは、軟 X 線イメージャである Xtend と軟 X 線分光計である Resolve という 2 つの主要な機器の導入に成功しました。
2023 年 9 月 6 日に地球低軌道に打ち上げられた XRISM は、X 線天文学における重要な一歩を表します。これは、2035 年に計画されている高エネルギー天体物理学用欧州先端望遠鏡 (ATHENA) の打ち上げに先立って、XMM ニュートンやチャンドラなどの老朽化した X 線天文台によって残された重大なギャップを埋めるものです。
XRISM による注目すべき観測の 1 つは、約 7 億 7,000 万光年離れた白鳥座にある銀河団アベル 2319 です。Xtend 装置はクラスターを X 線で撮影し、クラスター内の高温ガス分布の複雑な詳細を明らかにしました。これらの観測により、宇宙の大規模な構造進化に対する理解が深まることが期待されています。
XRISM によって行われたもう 1 つの重要な観測には、約 16 万光年離れた大マゼラン雲にある超新星残骸 N132D が含まれます。Resolve 装置は、この残骸の非常に詳細な X 線スペクトルを提供し、シリコン、硫黄、アルゴン、カルシウム、鉄などの元素を示しました。これらの観察は、残骸内の高温ガスの組成、温度、運動速度を理解するために非常に重要であり、それによって宇宙における元素の形成と進化についての洞察が得られます。
XRISM の Resolve 装置は、開口ドアが計画どおりに開かないという課題に直面しており、1,700 電子ボルト未満の光子を検出する能力が制限されています。ただし、この問題は Xtend 機器には影響しません。
全体として、XRISM は、初期のいくつかの課題にもかかわらず、宇宙で最もエネルギー的な現象の研究において画期的な発見の可能性をすでに示しています。このミッションは 2024 年後半に通常運用が開始される予定であり、科学者やエンジニアは XRISM が提供する豊富なデータを期待しています。
JAXA XRISM の最初の光画像を芸術的に表現したもので、銀河団アベル 2319 と大マゼラン雲の超新星残骸 N132D という 2 つの重要な観測を強調しています。この画像は、XRISM ミッションによって行われた画期的な天体観測の本質を視覚的に捉えています。
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