製造業ニュース

未来の車はどうなるのか?ヒントは珊瑚にある!?

2016年 9月 6日

球形タイヤ

ここ何年で世界のモノづくりの技術が劇的に進化している。
携帯電話も今じゃほとんどがスマートホンだし、
テレビなんかもだいぶ薄くなっていまじゃ4Kなどといっている。
そしてそんな激動の時代の中でも進化が著しく身近なモノといえば自動車だ。
今回はそんな自動車の未来に付いて面白い発表があったので書いていこうと思う。

自動車の進化といえば最近の流行は自動操縦だったり、衝突回避システムだろう。
しかし今回紹介するのはそれらではない。
グッドイヤーはジュネーブショー2016で、自動運転向けとなる次世代コンセプトタイヤを発表しました。
注目すべきは球形の未来型志向タイヤ「イーグル360」です。
このイーグル360は本当に球状の形で斬新さにとんでいる。
これは自動運転化された未来の車社会を見据えて、機動性や通信制御性などを考慮しつつ生態模倣によって考え出されたタイヤなのだ。
生態模倣とは自然界の生物や生態系を模倣し参考にして技術や学問を合点させようという考え方だ。
今回何が模倣されたかというと、トレッドデザインがブレインコーラルのパターンに倣い、天然のスポンジのように作用する点だ。
ドライ路面では硬く、ウェット路面では柔らかくなる設計で、高い運動性能とハイドロプレーニングの防止を両立するんだとか。
ブレインコーラルとは「脳サンゴ」のことで、脳みそ状の見た目をもつことから名付けられたサンゴの一種である。
このタイヤの特徴はこれだけではない。最大の特徴である球体形状だからこそできる全ての方向への移動という多方向性により安全性能の向上が期待できるほか、狭い路地や駐車場などの限定された空間でも従来のタイヤに比べて摂り回しがよくなると考えられている。
さらにタイヤ自身に埋め込まれたセンサーが車両制御システムにに関与し、路面状況や気象状況を伝達することにより案税制が向上するとも言われています。
また空気圧や先ほど述べたトレッド監視システムがタイヤの磨耗状態などを監視し、走行距離を伸ばすことに貢献するでしょう。

球体のタイヤなんて無理じゃないと最初は思っていたけど案外考えられているんですね。
ちなみにタイヤと車への接続はリニアモーター方式を採用するので搭乗者に負担が少ないというのも特徴なんだとか。
ほんと面白いですね。

カッターナイフあれやこれ

2016年 8月 26日

カッターナイフ

学校や事務所に欠かせないマストアイテムの1つがカッターナイフです。
切れ味が落ちたらポキっとおって新しい刃へ。
こんな画期的なアイディア商品も実は日本生まれってご存知でしたか。
今回はそんなカッターナイフの刃についてです。

カッターナイフの材料は主に刃物用炭素工具鋼を用います。
ただしこれは切断する対象物によって鋼の種類を変えていきます。
一般向けのカッターナイフの刃の材料となる鋼の厚さは0.38cmほどの鋼材です。
この時点ではまだまだ柔らかくてコイル状に巻かれています。
この鋼材をプレス加工することからカッターナイフの物語は始まります。
プレス用金型を用いてスライダーに固定するための穴、刃を新しくするための折れ線、制作会社名、型式番号などをプレスしていきます。
1/100mmの制度で連続してプレス処理されていき、またロール上に巻き取られていきます。
次の工程は熱処理です。
プレスして洗浄されたロール材を850℃から1100℃の加熱炉に送り込んで加熱します。
そして直ちに冷却装置で冷まします。
この加熱後の即冷却は硬度を高くするための処理です。
しかし、これだけでは硬いのだけど粘り気のないもろい刃になってしまいます。
なのでこの冷却した刃をもう一度加熱炉に入れて加熱します。
これは材料の組織を均一に加熱することで並べて耐脆性を向上させるのです。
そしていよいよカッターナイフの命である刃付けの工程です。
砥石を用いて加工・研磨します。
刃付けが終わるとセンサーで長さを測り、1本のカッターナイフの刃に折られます。
そして最終工程である検査がはじまります。
検査項目は硬度や鞭性、刃の角度などを試験します。
この検査で合格した1級品が市場に流通するのです。

ゴムについて 天然ゴムから合成ゴム

2016年 8月 23日

ゴムについて

天然ゴムはパラゴムノキの樹液を固めたものです。
「樹液に含まれているシス体のポリイソプレンという成分が生体内の付加重合で生成されたものです。
天然ゴムは微量のタンパク質や脂肪酸を含みます。シス体のポリイソプレンでできているのが特徴です。

化学的に生成するイソプレンを重合させたポリイソプレンはトランス体が含まれている合成ゴムになります。
合成ゴムには不純物はありません。」(wikipediaより引用)

分子の構造にはシス体とトランス体とがあります。同じ成分の分子でも構造が異なるのです。

パラゴムノキを傷つけて流れ出る樹液は無定形かつ軟質の天然高分子物質です。
この樹液をラテックスといいます。
これを集めて精製し凝固乾燥させたものを生ゴムといいます。
歴史としては消しゴムとしての特性の発見がされています。(現在では使われていません)
後にプラスチック製の消しゴムが開発されて代わりに使われるようになるからです。
パラゴムノキは本来、南米の熱帯雨林原産です。
19世紀の終わりにゴムの需要が増えて供給不足になり、南米のパラゴムノキの苗木を東南アジアに持ち込んで栽培をはじめ、その後東南アジアで栽培が拡がりました。
現在では主生産地が東南アジアになっています。
「マレーシア・インドネシア・タイなどです。」(wikipediaより引用)

1839年にアメリカでチャールズ・グッドイヤー氏が天然ゴムに硫黄を加えて加熱すると弾性・耐熱性が飛躍的に上がることを発見します。少量の硫黄が天然ゴムの特性改善に非常に役に立つのです。成分がよく結合し伸び縮みしやすくなります。
この発見によって天然ゴムの質が上がり、用途が拡がりました。
さらに天然ゴムに薬品を加えることでゴムの性能を上げていくことに成功していきます。
輪ゴムなどもラテックスを蒸して固めてその後摩擦熱で加熱させながら薬品を混ぜることで生産されています。
他に炭素粉末を加えて硫黄を加えるとさらに特性が改良されました。
ですので硬質のゴムは加えた炭素粉末で黒色になります。

LED照明の国内での普及について

2016年 8月 19日

LED照明について

1994年GaN(窒化ガリウム)による青色LEDが発明されました。
この発明の功績によって2014年に赤崎勇氏、中村修二氏、天野浩氏(工学博士)がノーベル物理学賞を受賞します。
それから1996年に白色LEDが誕生します。
その後パナソニックは1998年からLED照明を発売しています。それからパナソニックは照明製品の発光効率を上げ続けています。

LED電球の普及
経済産業省は2012年末までに家庭用白熱灯生産を全廃して蛍光灯に切り替えようと呼びかけるキャンペーンを2008年4月から開始していました。
結果としてこのキャンペーンでLED電球の普及が進みます。
LED電球は消費電力が白熱電球の6分の1で寿命が40000時間と長寿命、低発熱でCO2削減にもなります。

LED照明の普及
2011年3月11日に東日本大震災が発生し、その一時間後福島原発事故が発生しました。
この地震と事故で国内の原子力発電所が相次いで操業停止します。これをきっかけに省エネの要求が高まります。
これによる全国的な電力不足で消費電力の少ないLED照明の製品の普及が進みました。
2012年11月29日 経済産業省は日本再生戦略として2020年までに公的設備・施設のLED等高効率照明の導入率100%達成の方針を出します。
2013年、LED照明の普及率が23%になります。
2014年4月に閣議決定された新しいエネルギー基本計画として2020年までにLED照明の普及率をフローで100%とする目標を出しています。

パナソニックは2015年度までに従来型家庭用照明器具の生産を終了しています。
近年、こうした国や省庁の施策もあって照明はLED照明器具へ移行し普及してきています。

私は10年以上家族で愛知県の稲沢市に住んでいました。共同研究でLEDの工業化を実現した豊田合成株式会社の本社が稲沢市にあります。
そういうわけもあってか2010年代から住宅地の電柱にいち早くLED照明が交換されて光っていたことをよく覚えています。
LED照明に先行投資したり普及活動をしたりして活躍していたのではないでしょうか。

外国人も大絶賛! 和紙の作り方 

2016年 8月 16日

和紙2

最近私は何かのTV番組で外国人が日本に来て、わしの魅力や製造過程なんかを絶賛しているというのを観ました。
私達日本人にとって普通に存在する和紙ですが、意外と作り方などをしらないのではと思い調べました。

まず和紙の原料となるコウゾを採取し加工していきます。
コウゾは11月から1月にかけてかり取ります。
このとき、コウゾは1年生の物を使います。2年以上のものだと、繊維が硬くなるほか、節や傷の数も増えてしまいます。
コウゾをかり取ったら次はコウゾむしの作業です。
コシキという桶をかぶせて長さを揃えたコウゾを3-4時間蒸します。
そして冷めないうちに手早く樹皮を剥ぎ取ります。はぎ終えた皮を黒皮と呼びます。
保存のために黒皮を天日干しします。
そして紙すきに必要な分だけ黒皮を川などの水に24時間ほどさらします。
これは外皮を取り除きやすくするためです。
さらしたものからタクリコと呼ばれるナイフで外皮を剥ぎ取ります。剥ぎ取った外皮は質の悪い原料に混ぜてハッサキと言うちり紙にします。
外皮を取り除いた内皮は白皮とよばれ、この段階で保存する場合もあります。
白皮に灰を入れて数時間煮ます。これは繊維をやわらかくするほか、繊維以外のものを取り除く効果があります。
そして煮た物をまた川などの流水に24時間ほどさらして灰を洗い流します。
そして繊維の傷や節、汚れなどを手作業て丁寧に取り除きます。
そしてバイという樫の棒で繊維が綿状になるまで叩きます。
紙のよしあしを決める重要な作業です。
叩いてほぐれた繊維を水ととろろを加えて容器にいれ馬鍬(まぜ)と言うクシのような道具でかき混ぜます。
この作業をザブリといい、この過程が済んだ物を舟水といいます。
そしていよいよ紙をすきます。舟水をすけたの手前からくみ、すけたを動かし紙をすきます。
すき終わったら紙をはずして、紙床に重ねて1昼夜ほど寝かします。
そしてジャッキなどで圧力をかけて水を絞ります。これも1昼夜ほど圧力をかけたままにしておきます。
ブレスが終わったものを紙床から1枚1枚はがしていきます。
そして天日干しで乾燥させます。
これが終われば検品作業を行い出荷です。

和紙はとても手間のかかる作業というのが納得ですね。
外国人が感動するわけです。

「潤滑油」の役割りと特徴

2016年 8月 12日

1801140ea5b3ccdcf4d5983e79752c1d_s

機械を稼動すると必要になるのがメンテナンスです。
稼動時の摩擦・摩耗は品質への影響が出てくる場合が多くその対処が必要となります。
回転や移動、切削や圧力による摩擦・摩耗が発生する場面では「潤滑油」は必要なものです。
しかしこの潤滑油の性能はいつまでも続いてくれるわけではありません。

*** 潤滑油ってなんでしょうか…
潤滑油=鉱油は主に「原油」から精製されていたり、地下資源(ガス、化石燃料、炭化水素化合物など)から作られています。
潤滑油のベース自体だけでは、性能や(劣化に対する)耐久性が乏しいため添加物を加えています。

潤滑油には「硫黄化合物やリン酸塩、モリブデン(※1)化合物」などを添加することで「摩擦・摩耗」を減らすクッションのような役割もしてくれますし、表面のコーティングの役目も果たし酸化の防止にもつながっているのです。
(※1) モリブデンは摩擦係数が低く酸化皮膜の形成に富んでいて薬剤耐性もあります

また「潤滑油」には粘性があります、この粘性は粘りが強い(高い)ほど流れる速さ(流動性)は遅くなりますが温度の変化により粘性も変化があります。
流動性が高ければ流れる(移動する)速度は速くなり「冷却効果」「回転・滑り機構の円滑さ」への影響も大きくなります。
流動性が低ければ流れる(移動する)速度は遅くなり「高い圧力での作用」「耐摩耗性の高さ」への影響が大きくなります。
*** 潤滑油は”縁の下の力持ち”…
可動部位の摩耗で発生した金属粉などの混入、補充・充填時における水分の混入(※2)は、性能の劣化を促進してしまいます。
ガスの充満した高温炉内などでの使用時や内燃機関などのような潤滑油以外の物質との混合による成分への作用などがあります。
また機械稼動時には高温になるものが多く、停止時との温度差による変質も劣化の原因ともされています。

このため、潤滑油には「摩耗防止剤・酸化防止剤・サビ防止剤」などを使用して劣化の防止や性能の維持をしています。
しかし使用条件によるタイミングの差はありますが「劣化」は必ず起きてしまいます。
(※2) 潤滑油の全体量に対して0.1%以上の水分混入は使用機械・機器類の故障の原因にも繋がりかねません。
身近な存在では「マイカー」のオイル交換も同じです。
エンジンオイルの劣化による性能(走行、燃費など)の低下はやはり全体の寿命をも縮めてしまうものですよね。
マメなチェックは職場でもご家庭でも必要になります。

紙おむつ・高吸水性ポリマーについて

2016年 8月 9日

紙おむつ

紙おむつは現在の日本の普及率が9割以上です。
赤ちゃん・高齢者向けの製品が活躍しています。
高分子の研究、高分子の素材の開発によって1986年に高吸水ポリマーが紙おむつの吸水材として利用されはじめました。

紙おむつの構造
内側から表面材、内側の立体ギャザー、吸水材、防水材・外側のギャザー、外側の表面材といくつもの層でできています。

一般的な素材について
表面材・吸水材・防水材・止着材・伸縮材などがあります。
表面材、ポリオレフィン・ポリエステル不織布
吸水材、綿状パルプ・高分子吸水材・ポリオレフィン不織布
防水材、ポリオレフィンフィルム
止着剤、ポリオレフィン
伸縮材、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリウレタン不織布・スチレン系エラストマーフィルム
結合材、スチレン系エラストマー合成樹脂
ポリや合成樹脂、フィルムなどと高分子の素材が多く使われています。

吸水材、高吸水性ポリマーについて
ポリアクリル酸ナトリウムを顆粒状にしたものが多く使用されています。
構造的に吸水材の綿状パルプとポリオレフィン不織布に包まれているポリマー粉末です。
紙おむつの吸収材はこの綿状パルプ・ポリオレフィン不織布・ポリマー粉末の3つの素材で構成されています。
ポリマー粉末が水分を吸収してゲル状になります。
紙おむつからこの吸水材のポリマー粉末を取り出して透明なガラスのグラスに入れてそこに水を加えてみるとゲル状に膨らんで固まります。
この状態を膨潤といいます。
高吸水ポリマーは水で自重の100~1000倍、生理食塩水で自重の20~60倍も吸収します。
高吸水性ポリマーは立体的な網目状の構造です。
水が含まれていないときは絡み合って小さくなっています。
水が含まれるとこの網目構造の高吸水性ポリマーが膨らみゼリー状になって水は流れでません。
このような特性を活かして紙おむつの吸水材として高吸水性ポリマーが利用されています。
この高吸水性ポリマーは紙おむつの他に生理用品、ペットのトイレ、農業や園芸で使う土の保水剤や土木工事用の止水剤としても利用されています。

海水淡水化技術(RO膜)

2016年 8月 5日

海水淡水化技術

分離膜について

「逆浸透膜(Reverse Osmosis Membrane)RO膜とも呼ばれます
孔径2ナノメートル以下の水を通してイオンや塩類、水以外の不純物は透過しない性質を持つ膜です。

逆浸透膜のうち孔径1~2ナノメートルでイオンや塩類などの阻止率が70パーセント以下に低いものをNF膜

(NanoFiltration Membrane)といいます。

限外ろ過膜(UltraFiltration Membrane)UF膜とも呼ばれます。
0.01~0.001マイクロメートルで逆浸透膜(RO膜、NF膜)より大きく精密ろ過膜(MF膜)より小さいです。

精密ろ過膜
孔径50ナノメートルから10マイクロメートルの膜のことです。
(MicroFiltration Membrane)MF膜とも呼ばれます。」(wikipediaより引用)

1980年代から半導体、その後の液晶向けなどの工業用超純水のニーズなどで水を超純水に透過する膜の研究・開発が

続けられたことで膜が進化します。
その膜が現在ではウォーターサーバーの水や海水淡水化技術などに活躍が拡がっています。

「逆浸透法(RO:Reverse Osmosis)について
海水に圧力をかけて逆浸透膜に透過する方法で、膜の開発によって採用されるようになった製水方法です。
ろ過する膜の研究・開発が進んでより孔径の微細な質の高い繊維ができたことで純度の高い製水が実現されています

。」(wikipediaより一部引用)

東レでUF膜、MF膜とRO膜を組み合わせて海水淡水化する技術が開発されています。
海水淡水化技術では「RO膜」の技術が注目されています。
ウォーターサーバーの「RO水」とはフィルターろ過と加熱処理だけではなく製造工程でRO膜を透過している水のこと

です。
日本では日東電工、東洋紡、東レの3社がRO膜の技術開発が特に進んでいます。

水の需要は必須です。水の循環系のバランスが崩れている国、地域では飲む・使う水を作り出すことは大切なことで

す。
日本の繊維工業の会社が活躍しているのはとてもうれしいことです。

日本食には欠かせない調味料。醤油編。

2016年 8月 2日

醤油

最近筆者はネット小説にはまっています。
いろんな題材がありますが多いのは異世界物とよばれるジャンル。
そこで料理をするにも醤油が入手できないと嘆くある人物がいました。
当たり前のように家庭にある醤油。
今回はそんな醤油の製造過程についてです。

現在の醤油が作られるようになったのは江戸時代。
時代が移ろうと醤油作りの基本は変わりません。
主な原料は大豆、小麦、食塩、そして微生物です。
微生物が醤油の色や味、香りを決定付けます。
微生物の中でももっとも大事なのは麹菌です。

醤油作りは大豆を高温で蒸すところから始めます。
蒸すことでタンパク質の性質が変化し、麹菌の酵素の作用を受けやすくなるほか、殺菌という意味合いもあります。
そして同時進行で小麦を高温で炒ってローラーなどで砕きます。
これも麹菌の作用を充分にいるためです。砕く作業は表面積を増やし麹菌と接する面積を稼ぐ意味合いもあります。
そしてこれらを麹菌と混ぜ合わせ、製麹室で円盤状の台の上に、均等の厚さになるようにのせられていきます。この台には小さな穴がたくさんあいていて、温度・湿度を調整された空気が送り込まれています。
大体三日ほどで醤油麹が出来上がります。
次は仕込みの工程です。醤油麹に食塩水を混ぜ醗酵・熟成させます。
この食塩水を加えた物を諸味といいます。食塩水の効果で微生物の繁殖が止まり、麹菌のつくった酵素が働きだします。
仕込から1週間ほどで諸味はタンクの中で酵素の効果で大豆のタンパク質がアミノ酸に、小麦のデンプンが糖分になります。
この2つが味の基本成分になります、醤油独特の色合いを作ります。
1-2ヶ月経つと諸味はまた変化します。赤みを帯びあわ立ちます。
これは乳酸菌と酵母の活動の証です。乳酸菌は糖分を様々な酸に変えおいしさを作ります。
そして酵母が糖分をアルコールに変えて香りを生み出し、うまみを引き立てるのです。
そしていよいよ醤油に搾る過程に移ります。
最初は諸味自身の重さで醤油がにじんできます。
その後プレス加工してゆっくりと搾りだします。
この搾ったものを生醤油といいます。
生醤油を数日寝かせ油や沈殿物を分離させたら火入れという工程にはいります。
熱を加え殺菌と同時に色や味、香りを調えます。これは酵素の働きを止めるという意味合いもあります。
これで醤油の完成です。
あとは容器に入れ、検査を行い出荷です。

本当に醤油って手の込んでいる物なのだと改めて思いますよね。
醤油がよりいっそう美味しくいただけるというものです。

これからの季節に利用が急増!タオルの製造過程。

2016年 7月 29日

タオル

いよいよ夏が来ました。今年もまた暑くなる予測でうんざりな筆者です。
そんな暑い時期に欠かせないアイテムがタオルです。
今回はそんなタオルの製造過程に密着です。

まず材料となる綿花を仕入れてきて検査です。
綿花の繊維のもつれた部分やゴミなどを除去するところからタオル作りははじまります。
この肯定が終わったら繊維の向きを整えたり、引き伸ばしながら糸を作ります。
何度もこの作業を繰り返し、規定の太さに揃えたり品質を良くしていきながら綿糸にしていきます。
そして一定の水準に達したら綿糸を漂白・染色用の芯に巻き変えます。
巻き変えた綿糸は糸精練染色機の釜に入れ、低温でオゾンと繊維うぃ反応させてオゾン漂白を行います。
オゾンは天然の物質でありながら、常温での酸化漂白力がとても強く、短時間で事故分解する特性が活かされています。
その後、水に溶かした染料の釜に入れて染色作業を行います。
染色が終わると綿糸をタオル生地に織る時に糸が切れないように糊付け作業を行います。
それが終われば乾燥させて製織用の芯に巻き変えます。
製織作業ではCADなどで作成したデザインに応じて織機にセットし綿糸を織っていきます。
ジャッガードカードと呼ばれる穴を開けた紋紙を使って複雑な文様も織っていきます。
タオルの場合は縦糸を緩めて弛ませたところに横糸を通しループを作るように織ることでタオル生地が完成します。
完成したタオル生地は洗浄して糊を落とします。
そして所定の幅や長さに裁断します。
デザインによっては刺繍などを施します。
最後に製品検査を行い、問題がなければ出荷されます。