製造業ニュース

戦争とものづくり 第二次世界大戦編

2016年 10月 11日

ランドセル 戦争とものづくり 第二次大戦

今回紹介するのは第一次世界大戦から第二次世界大戦後にかけて普及した、現代日本では当たり前のものだ。
当時最新技術をそのまま民生品に技術転移したものから、軍用品の余剰分を再利用したものまでその出自は様々だが、現代の生活になくてはならないものになっている。
それでは始めよう。

最近の話題として天皇陛下がお気持ちを述べられたニュースが日本中を駆け巡った。
まず最初に紹介するのはそんな天皇陛下に関するものだ。
それは私たちはおそらく必ず身に着けるものだ。
もともとは兵士の装備品から普及したものだ。
それは何を隠そうランドセルだ。ランドセルのルーツは将兵が装備品を入れて背負う背嚢だ。
これを通学用鞄として用いたのが、まだ皇太子であった大正天皇だったのだ。
またこれを大正天皇に献上した人物も有名人の伊藤博文だ。
当時は高級品であったため裕福な家庭でしか使用されなかったが、昭和30年代になると広く一般にも普及した。

次に紹介するのは余剰品を利用して商品化したアイテムだ。
これは現代のラップフィルムやティッシュペーパーがそれにあたる。
ラップフィルムは1933年に米国で軍事利用のために開発された。
もともとは太平洋戦争中に銃や弾薬を湿気から守るために包装材として利用したり、蚊や水虫から守るための蚊帳や中敷きとして利用されたものだ。
ティッシュペーパーはもともとは不足していた脱脂綿の代用品としてガスマスクのフィルターとして使用されていた。
ちなみにポケットティッシュのアイデアは日本発祥とされている。

最後に当時の最新技術から民生品になった物を紹介しよう。
それは電子レンジだ。
軍用レーダーはマイクロ波を照射して目標の距離や方角を探知する。
そのレーダー設置担当の技師がレーダーから発せられたマイクロ波がポケットのチョコバーを溶かしているのに気が付き、調理に使えるのではと考え、戦後開発されたのが電子レンジだというシナリオだ。

戦争とものづくり 第一次世界大戦前編

2016年 10月 7日

缶詰 第一次世界大戦

戦争はいけないことだ。
そんな当たり前のことだが、戦争が私たちの生活を豊かにするといった側面があるのは悲しいけど本当のことだ。
戦争に負けるということは滅亡や隷属を意味するために、相手より戦況を有利にするために様々な武器をはじめ、
医療技術やインフラなどの兵站に関するものはすべて研究の対象になる。

今回はそんな戦争で軍事目的だったものが民生用品になった例を挙げていこうと思う。

今回挙げるのは第一次世界大戦以前の戦争の発明だ。
もう一般に普通に普及しているので、どれも軍事目的で最初は作られたとは思えないものばかりだ。
この時代に登場したものの特徴は構造が比較的簡単なものが多い。
高度な技術や高コストでないので、産業革命によって大量生産が可能だったというのも大きく、また今よりも市民の生活水準が低かったために瞬く間に広まったのも特徴だ。

例えば普段我々が使用する腕時計。これも戦争の発明だ。
これは砲兵が懐中時計を手首に括り付けて、砲撃のタイミングを計測していたのをドイツ皇帝ヴィルヘルム1世がドイツ海軍用に作らせたのが広まったものと言われている。
ファッション関係ではトレンチコートもそうだ。
これは第一次世界大戦中にイギリス軍が寒冷地での戦闘のために開発したものだ。
トレンチコートの肩のショルダーストラップは本来オシャレのためではなく水筒や双眼鏡、拳銃の吊紐をかけるものだ。
ちなみにトレンチコートのトレンチとは塹壕という意味だ。

食品も戦争が普及させた分野がある。
瓶詰や缶詰がまさにそれだ。
19世紀では長期遠征の際に食料をいかに運ぶかが大きな問題であった。
1804年にフランスの二コラ・アベールが瓶にコルクで蓋をして、その上から蝋で密閉する方法を発明した。これが瓶詰の原型だ。しかし瓶は重いし割れやすい。
そこで1810年にイギリスのピーターデュランドが瓶の代わりに金属容器を使用して、それをはんだで密閉する方法の缶詰を開発した。

台所用品の必需品 アルミホイル

2016年 10月 4日

アルミホイル

お弁当のおにぎりを家で作った際に私はアルミホイルでそれを包むのですが、考えてみればよくこんな薄い金属に加工できるものだと思いました。
今回はそんな私の疑問を解くためにもアルミホイルの製造方法を調べてきました。

アルミホイルができる家庭は大きく分けて5つの工程に分かれます。

工程1 圧延

メーカーからアルミニウム箔の素材を購入します。
この箔地は0.4mmのアルミニウムの板でロール状に巻かれています。
一本の箔地からは大体11万7千本のアルミホイルができるというから驚きです。
この箔地を圧延油をかけながらローラーで伸ばしていきます。
一時間くらいかけて0.4mmから0.025mmの厚さまで薄くしていきます。

工程2 重合圧延

重合圧延とはその名のとおり箔を重ねて圧延することです。
アルミホイルのような薄い箔を作る際に用いられる技法です。
この技法を用いると艶面と艶消面がある箔ができます。
工程1で0.025mmまで薄くしたアルミ箔を重ねて0.05mmの厚さと考えこれを半分にします。そうすると0.024mm(0.012mm×2)の箔ができます。
ちなみに二枚のアルミ箔を重ねるのでロール機に当たらない面が出てきます。
この場合ロール機に当たる面が艶面になり、当たらない面が艶消面になります。

工程3 分離

セパレーターと言う機会を用いて工程2で2枚に重ねられたアルミ箔をそれぞれに分離します。
この際にアルミホイル1本分の幅にカットします。

工程4 焼鈍

圧延の際に使用した圧延油を蒸発させる過程です。
一日ほど300℃ほどの電気炉に入れて加熱します。

工程5 包装

アルミ箔を紙芯に巻き取り決まった長さに裁断します。
アルミホイル1本分に巻き取ったら自動的に組み上げられた箱へ入れ出荷されます。

ネジは緩むもの?いいえ緩みません! ハードロックナット編

2016年 9月 30日

ネジ

皆さんはネジが緩んで困ったことってありませんか?
私は日常生活から遊びまでそこそこの数ネジが緩んでしまい難儀した経験があります。
特に私は会社への通勤にバイクで通っているのですが、バイクのミラーが緩んでしまうことがあります。
やはりバイクは振動が大きいので緩んでしまうのですかね。
今回紹介する絶対に緩まないネジはそんな緩みが絶対に許されない現場、
例えば新幹線の製造や東京スカイツリーの建造などで使用されたネジについてです。
その名をハードロックナットといいます。
このネジを開発したのは日本人でハードロック工業の若林克彦さんという人だ。
このハードロックナットの原理は非常にシンプルなのですが、着目点がいかにも日本人らしいのが特徴的だ。
そのアイディアのヒントになったのは大阪にある住吉神社の鳥居だそうだ。
アイディア自体はシンプルでナットに楔うぃ打つこむことにより隙間をなくして、緩みを完全になくすというもの。
もう少し詳しく説明すると1つのボルトに対して凸型と凹型の2種類のナットを使用するというものだ。
凹型のナットは加工時に芯をわずかにずらして製造します。
そうするとこの2つのナットがかみ合うことで、楔を打ったのと同様の効果が得られるという仕組みなんだとか。
ではなぜネジが緩むのはいけないのかといわれると当然ながらネジの緩みによる構造物の分解などによる致命的な事故が起こってしまうことです。ほかにもネジが緩むことによるボルトの金属疲労につながってしまい。ボルトの破損事故の原因になることも挙げられます。
現在ハードロックナットは日本はもちろん、韓国や中国、オーストリアやポーランド、イギリスなどの鉄道でも採用されています。さらにロールスロイスや航空機製造のボーイング社からの発注もあるそうです。
日本の鳥居から得たアイディアが世界を股にかけて活躍しているなんて、なんだか誇らしいですね。

チタン製造について

2016年 9月 27日

チタン製造

わたしはチタンフレームのメガネを使用しています。6年以上故障せずにとても役立っています。
また、自然気胸を患ったときに肺の穴をチタンのクリップで内視鏡手術で止めています。
父方の祖父母も大腿部の骨折をして二人ともチタンの人工骨を埋め込む手術をしています。
おかげで二人とも寝たきりにもならずに済んでいます。
そんな身近に役立っているチタンの製造について調べてみます。

鉱石からチタン原料へ
鉱石から四塩化チタンを精製して高温状態の溶融マグネシウムで還元させて純チタンを作ります。
純チタンの原料にするにはチタン鉱石から不純物を取り除きスポンジチタンという高純度のチタン塊にする必要があります。ウィリアム・クロール博士によって開発されたチタン製造法でクロール法といわれています。
クロール博士は1953年日本によばれて日本のチタンメーカーにスポンジチタンの製造法・製造技術を指導しました。
ですので鉱石からのチタン製造法は第二次世界大戦後に可能になりました。

クロール法とは
「鉱石からチタンを精錬します。炭素と熱して鉄を除いた後、さらに炭素と熱しながら塩素を通じて塩化チタンにして蒸留して精製します。
高温でマグネシウムで還元します。
塩化マグネシウムを真空分離してスポンジチタンを得るというものです。
多孔質金属チタンともいいます。
スポンジチタンは純チタン材の原料です。
途中で真空蒸留で分離させた塩化マグネシウムは塩素、マグネシウムの原料として使われます。」
(クロール法 wikipediaより引用)

チタンの製造過程
チタン鉱石を塩化炉で四塩化チタンにします。
四塩化チタンをマグネシウム還元をしてスポンジチタンにします。
チタンは酸素・窒素・炭素と反応しやすいため真空状態にして精製されます。
スポンジチタンを溶解して(アーク溶解・電子ビーム溶解・プラズマ溶解など)チタンインゴットにします。
インゴットとは金属の塊のことをいいます。チタン金属の塊にすることです。
チタンインゴットを圧延してチタン板材にします。

日本の純チタン材
日本では純チタン材の圧延板が多く製造されています。
それは日本の鉄鋼メーカーが鉄鋼製造用の大型圧延設備を世界で一番早くチタン圧延に活用して製造法を開拓したからです。世界ではチタン合金の開発に先に注力していました。日本では逆に低コスト・高品質の純チタン材製造をして供給を始めて成功させています。

エアフィルターについて

2016年 9月 23日

%e3%82%a8%e3%82%a2%e3%83%95%e3%82%a3%e3%83%ab%e3%82%bf%e3%83%bc

ろ過によって空気中の塵埃・汚れなどを取り除き清浄空気にするものです。
エアフィルターはろ過するターゲットの粒子のサイズによりいくつかのフィルターに分類されます。
最近中国でのPM2.5の被害など大気汚染物質の話題が注目され空気環境改善のために役に立つフィルターの技術は注目です。

○プレフィルター
大きな粒子のホコリ、チリなどをとるものです。粗塵用フィルターともいいます。
50μm以上の粒子をターゲットとして捕集するフィルターです。

○中高性能フィルター
25μm以上の粒子をターゲットとして捕集するフィルターです。

○集塵フィルター
日本工業規格によって規定されています。
○HEPAフィルター
定格風量で0.3μmの粒子に対して99.97%以上の粒子の捕集率をもち、かつ初期圧力損失が245Pa以下の性能をもつエアフィルターと規定されています。
○ULPAフィルター
定格風量で粒径が0.15μmの粒子に対して99.9995%以上の粒子捕集率をもち、かつ初期損失が245Pa以下の性能をもつエアフィルターと規定されています。
日本の集塵フィルターは日本工業規格によって高い基準のフィルターが規定されて使われていることがわかります。
粒子のサイズを実例で調べてみると、髪の毛約70μm・スギ花粉約30μm・黄砂約10μm・PM2.5は2.5μm以下です。
大気汚染物質や有害物質の除去のためにより微小な粒子の物質を除去することが求められてきています。

○HEPAフィルターについて
0.3μm以上をターゲットとしています。0.3μmの粒子捕集率99.99%、99.97%、95%の3種類があります。
病院や食品、医療分野のクリーンルームのファイナルフィルターとして使用されています。
最近ではHEPAフィルターのほうが多く採用されています。
空気清浄機などにも使われています。
空気清浄機に使用されているのは主に0.3μmの粒子補集率99.97%のHEPAフィルターです。

○ULPAフィルターについて
インダストリークリーンルームへ供給されるファイナルフィルターとして使用されています。
半導体の生産装置に多く付けられます。

○抗菌素材
フィルター表面に抗菌加工がなされているものもあります。
カテキン、グルコン、アパタイト、アメニトップ、キトサン、アモルデンなどの抗菌素材が使用されているものがあります。

○脱臭フィルター
特定の物質を吸着して除去するフィルターで一般的には活性炭がよく使われています。

空気清浄機は最近のものはプレフィルター・脱臭フィルター・HEPAフィルターを組み合わせたエアフィルターでできています。
ULPAフィルターは性能過剰ともいわれています。ですので一般的にはHEPAフィルターが活躍しているようです。
使用の実際ではこれらの機能や用途・ターゲットが異なるフィルターを複数組み合わせて一つのフィルターとして機能させ使われていたりします。

バイオポリウレタンについて

2016年 9月 20日

バイオポリウレタン

ポリウレタンについて
「グリコールを主とするポリオールとジイソシアネートを反応させて合成します。
ウレタン樹脂・ウレタンゴムなどともいいます。
耐熱性、耐水性は他の合成ゴムより低く抗張力・耐摩耗性、耐油性に優れています。
素材として分解や劣化は合成された時から始まってしまいます。
劣化・分解は加水分解、窒素酸化物・塩分・紫外線・熱・微生物の影響で分解・劣化します。」
(wikipediaより引用)

ヒマシ油から植物由来ポリオール
ポリウレタンはイソシアネートとポリオール2種類の原料の混合・反応によりつくられます。
トヨタ自動車、トヨタ紡織、三井化学が共同研究を行い2009年に植物由来ポリウレタンの自動車用シートクッションを開発しました。
2009年のこの植物由来ポリウレタンは世界初の素材でした。
この植物由来ポリウレタンは温度の変化に鈍感な特性があり、シートクッションや寝具として使用したときにもとても心地良い素材なのです。
また製品中の植物度の占める%が従来よりも飛躍的に高いのも特徴です。
食物資源と競合しない非可食のトウゴマの種子のヒマシ油をもとにバイオポリオールを開発したのです。
ヒマシ油の成分をポリオールに近い分子構造に変性させるのです。
ポリウレタンは冷蔵庫の内側の断熱材としても使用されている素材です。
軽量で断熱に優れているプラスチック素材を採用することで化学製品の素材が省エネや地球温暖化の防止に大きな貢献をしています。
住宅やビルの断熱性向上にもポリウレタン断熱材などの化学製品の普及が期待されています。
ポリウレタンは家電用断熱材・住宅用断熱材の素材としてすでに貢献中なのです。

トヨタ紡織は自動車内装品オール植物化を技術開発の目標にしています。
トヨタ紡織の研究・開発の取り組みはたいへんおもしろいです。
化学工業の化石燃料から植物資源への原料の変換はたいへん大きなテーマとなっています。
従来の製造過程のCO2排出を大幅に削減できる利点もあり植物由来のバイオプラスチック、製品の植物度アップは大きな目標であり課題となっています。

半合成繊維・再生繊維 セルロース

2016年 9月 16日

セルロースナノファイバー

合成繊維について調べた回で合成繊維の中で生産量第四位のセルロースについては別の回でとり上げることにしていました。
ですので今回はそのセルロースについてとり上げたいと思います。

天然繊維の化学成分について
木材・紙・綿・麻はセルロースでできています。
羊毛・絹はたんぱく質でできています。
(天然繊維の成分ではセルロースとたんぱく質が見られるように、化学繊維にもたんぱく質系の化学繊維とセルロース系の化学繊維とが見られます。)

セルロースについて
「セルロースとは分子式(C6H10O5)nの炭水化物(多糖類)です。
植物細胞の細胞壁・植物繊維の主成分です。
天然の植物質の3分の1を占めます。
地球上で最も多く存在する炭水化物です。」(wikipediaより引用)
地球上で多く存在する資源であるセルロースは素材としての使用としても注目されています。
繊維の素材として以下に分類されます。

化学繊維 セルロース
「セルロースの繊維には天然繊維(天然高分子)を原料にしてつくられる再生繊維と、
天然高分子を改質してつくられる半合成繊維があります。

セルロース系化学繊維
セルロース系化学繊維にはセルロース系再生繊維とセルロース系半合成繊維とがあります。

再生繊維
セルロース系再生繊維では、レーヨン・キュプラ・ポリノジックなどがあります。成分はセルロースです。
半合成繊維
セルロース系半合成繊維にはアセテートなどがあります。成分は酢酸セルロースです。」
(セルロース化学繊維、成分と分類についてwikipediaより引用)

セルローズファイバーについて
古紙や段ボールなどから製造される断熱材です。「セルローズファイバー」と呼ばれています。
木質繊維断熱材ともいわれ建築用断熱材として使用されます。

セルロースナノファイバーについて
紙パルプや木質パルプから生成される最近注目されている化学繊維です。木や紙から製造できるので製紙各社や旭化成などが開発しています。
鋼鉄の5分の1の重さで、強度が鋼鉄の約5倍の素材です。
熱にも強い素材です。豊富な天然資源であるセルロースから丈夫な繊維が製造できるということで今注目の素材です。

衣料用合成繊維について

2016年 9月 13日

合成繊維

世界で一番生産されている合成繊維がポリエステルです。
二位はナイロンで三位はアクリルです。四位はセルロースです。
(第四位のセルロースは半合成繊維などとよばれます。このセルロースについてはまた別の回でとり上げたいと思います。セルロースもまた注目されている素材です。)
とくにポリエステル繊維の進んだ日本メーカーの研究・開発は素晴らしいものです。
進んだポリエステル繊維は資源の循環系の素材として環境に貢献しそうです。
今回は合成繊維に絞って簡単に調べてみます。

合成繊維の種類
ナイロン、ポリエステル、アクリル、ビニロン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン
アラミドなどがあります。

主な化学成分について
ナイロンはポリアミド
ポリエステルはポリエチレンテレフタレート
アクリルはポリアクリルニトリル
ビニロンはポリビニルアルコール
ポリウレタンはウレタン結合の重合体
ポリ塩化ビニルは塩化ビニルを重合させたもの
ポリエチレンはエチレンを重合させたもの
ポリプロピレンはプロピレンを重合させたもの
アラミドは全芳香族ポリアミド
などでできています。

合成繊維開発のはじまり
「1935年にアメリカのデュポン社がナイロンの合成に成功しました。
日本では1939年に京都大学の桜田一郎教授を中心とする共同研究グループがビニロンの合成に成功しています。
さらにデュポン社は1953年にポリエステル繊維を合成して英国より特許権を取得し工業化がはじまります。」
(wikipediaより引用)

衣料と食物との微妙な関係
現在、衣料の需要は合成繊維によって満たされています。
若し仮に合成繊維が無いとすると繊維の原料畑から衣料の需要を満たさなければならなくなり、世界で食料不足になってしまいます。世界でそれほど合成繊維がなくてはならないものになっています。
現在では衣料の合成繊維はほとんどポリエステルが原料になっています。
ポリエステルの生産で中国が世界の7割の生産を占めています。
合成繊維の生産と田畑の食物の農業による生産とのバランスによって現在の産業が成り立っています。

進んだ化学技術による日本メーカーのポリエステル繊維
1970年代以降ずっと日本の衣料の合成繊維産業は縮小傾向にありました。
しかし産業用としてのニーズはあって、進んだ化学技術で質の高いポリエステル繊維が開発し続けられてきました。
この分野の開発の継続はさまざまな面で現在も役に立っています。化学・産業を支えるかたちになってきています。
東レ・東洋紡・帝人・クラレなど日本のメーカーは合成繊維開発の先端にいます。

クリーンディーゼル車

2016年 9月 9日

クリーンディーゼル

最近のクリーンディーゼル車
クリーンディーゼルエンジンはガソリン車に比べてCO2排出量が少なく、燃料費コストも安い利点があります。
ガソリンエンジンよりもクリーンディーゼルエンジンのほうが熱効率も良いのです。ですからパワーもあります。
ヨーロッパではクリーンディーゼル車の人気が非常に高くなっています。50%程の割合で普及しています。
ヨーロッパではハイブリッド車よりもクリーンディーゼル車のほうが人気が高いのです。
普通車で見ると日本ではハイブリッド車のほうが多く普及しているように思われます。
日本は世界で一番排気ガス規制が厳しいのだそうです。
ですから日本国内ではクリーンディーゼルエンジンの車は排気ガス中の有害物質を取り除く技術が進歩してこそ普及の実現がなされます。

多孔質ファインセラミックスDPF
多孔質ファインセラミックスで造られたDPF(ディーゼルパティキュレートフィルター)が排気ガス中の粒子・有害物質が排出されるのを防いでくれます。トラックなどのマフラーに装着されたりもします。多孔質ファインセラミックDPFの開発で日本は世界で一番進んでいます。
超微小孔を制御する技術革新によって多孔質ファインセラミックスが製品化されています。
このファインセラミックスの分野で日本国内のメーカーが世界市場でおよそ9割と多くのシェアを誇っています。
クリーンディーゼル車の多くにこのファインセラミックスが使用されています。

その他
トヨタではクリーンディーゼルエンジンの直近にDPR(排出ガス浄化装置)を配置する浄化システムを採用しています。
従来のディーゼルエンジンは排気ガスの成分に窒素酸化物・PM(ススなどの粒子状物質)などの大気汚染物質の排出量が多かったのです。
しかし最近、特にMAZDAのクリーンディーゼルエンジンは大気汚染物質排出・CO2排出の削減に成功しています。

クリーンディーゼルエンジンの開発・排出ガス浄化装置・ディーゼルパティキュレートフィルターなどの技術革新によって進化したクリーンディーゼル車が評価されています。