製造業ニュース

なきゃ困る!トイレットペーパーができるまで。

2017年 3月 10日

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私たちの日常生活に無くてはならないものっていくつもありますよね。
今回はそんな無くてはならないもの筆頭のトイレットペーパーについてです。
トイレットペーパーは牛乳パックなどを再利用していたのってご存知でしたか?
一本のロールを作るのに6本の牛乳パックがいるそうです。
さぁそんなうんちくは置いておいてトイレットペーパー作成の旅をのぞいてみましょう。

まずは全国から圧縮して回収された牛乳パックが工場へと運ばれてくるところからです。
なぜ牛乳パックを使うのかというと、パックに使用する紙は上質なものが多く、繊維が長いのです。
また印刷はポリフィルムにされているので、紙がインクを含んでいないので漂白や分解が楽なのも重要なポイントです。
工場に運ばれてきた牛乳パックのパルプとポリフィルムを分離させます。
粗くパックを裁断しタンクにいれて一時間ほど煮沸殺菌を施します。
次に高速で円筒形の網が回転するタンクへ運び、遠心力で紙を細かなパルプにします。
これを段々網の目を細かくしていききれいなパルプのみにします。

抄紙(しょうし)と呼ばれる工程に入ります。
パルプを金属のローラーに吹き付けて瞬間的に脱水します。
パルプをのせた金網のローラーとフェルトのローラーが接触し、パルプが表面張力の力でぬれたフェルトのローラーへ移ります。
パルプに熱風をあてて乾かして刃のような鋼板でローラーからはがします。
エンボス加工を施し、ふんわりとした肌触りにします。
次に刃のついたローラーに通してミシン目を入れます。
トイレットペーパーの芯に空気で紙を密着させて巻き取ります。
1ロールの長さでカットした後に糊で接着。
トイレットペーパー1つの幅にカットして包装して完成です。

いかがでしたか。これが私たちの生活に欠かせないアイテム、トイレットペーパーができるまでです。

カタツムリの殻から汚れない壁が!

2017年 3月 7日

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むかしは触れたけど、大人になって触れなくなった物ってありませんか?
私は昔は釣りや虫取りなんかが大好きで大学も生物学科でしたが、その時によく実験生物の餌にミルワームやコオロギなんかを飼育していたのでそれ以来それらが苦手になりました。
そんな話を友人としていたら友人はカタツムリがダメだと言っていました。なんでも大量発生した地域に住んでいたとかで。

そんなカタツムリですが、みなさんは汚れたカタツムリって見たことありますか。実は汚れたカタツムリって結構レアなんですよ。
カタツムリの殻には特殊なギミックが搭載されており、少しの汚れなら雨で簡単に落ちてしまうのです。
そんなギミックを応用して汚れない壁なんかが開発されているから驚きです。
ではそのギミックを見ていきましょう。

カタツムリの殻はサンゴと同じ成分でできています。具体的にはアラゴナイトとタンパク質の複合素材です。
殻の厚さは0.1mmほどで薄い層状になっています。
最表面層は硬タンパク質でできているため、本来なら水よりも油になじみやすいはずなのです。
しかしカタツムリの殻に油は付着しにくい特性を有しています。

なぜかと言うと殻の表面に約0.5mm幅の溝に加え、さらに細かい約0.01mm幅でしわ模様が形成されていたのです。
つまり数ナノから数ミリサイズまで広範囲にわたって凹凸構造が作られているのです。
この凹凸に雨どいのような役割を果たし、汚れがついても殻の表面に水が入り込み水膜を作り油汚れを浮かして洗い流すという寸法なのです。

汚れない壁の原理もこれと同じでもともと汚れにくい性質を持っている壁タイルに数十nmのシリカ系ナノ粒子でコーティングすることでカタツムリよりも1000倍以上細かく規則的な凹凸構造を作ってやるのです。

ガソリンスタンドの歴史

2017年 2月 28日

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車を運転する人なら誰もが利用するガソリンスタンド。ガソリンスタンドとは和製英語です。本場の英語ではガスステーション(gas station)と言います。そのガソリンスタンドは一体いつ頃に誕生したのでしょうか?今回はそのお話です。

ガソリンスタンド発祥の地はアメリカです。1920年代に第1次世界大戦が終わり、欧米では自動車が急激に増加していきました。1920年以前はガソリンはお店で缶に入れられ、カウンターの下や店の裏に置かれ、一般の小売店で販売されていましたが効率が悪く、面倒でまどろっこしくお客からの評判は良くありませんでした。
そこで、その頃に高いやぐらの上に二つのタンクを設け、重力を使ってガソリンをホースで車に直接注入する装置を付けたお店が誕生しました。初期のガソリンスタンドです。ガソリンの小売店は1920年年初めは10万軒でしたが1929年にはガソリンスタンドが30万軒に増加します。そして、ガソリンスタンドが現在の形にした企業がシェルです。シェルは巨大な看板や手洗い所、舗装した車の進入路、雨よけの塀といった標準的構造を初めて作り出しました。

一方で日本では石油をどう扱っていたのでしょうか?日露戦争の頃に横浜で日本への灯油の輸入が記録されているのは1868(明治元)年で、横浜で灯油が初めて輸入されたのが、1870(明治3)年となっています。1888(明治21)年になって、日本で初めてロシアの灯油が横浜に輸入されました。その灯油をきっかけに日本で石炭から石油の時代が始まりました。その後、日本の石油の輸入政策位は海軍が主導権を握り、主に航空機・戦艦といった軍事に石油が利用されます。第二次世界大戦後は日本でも車の普及とともにガソリンスタンドが普及したのですが、日本の最初のガソリンスタンドがどこに建てられたのかは分かっておりません。明確な資料が見つからないのです。横浜の横浜油槽所が日本の石油発祥の地ですが、ガソリンスタンド発祥の地というわけではないようなのです。

しかし、ガソリンスタンドは欧米の企業シェルを模範にし、シェル自身も日本に進出し、普及したのは明らかです。日本が平和になったからこそ今日にガソリンスタンドがあるのです。

IPアドレス枯渇問題

2017年 2月 24日

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IPアドレスとはパケットを送受信する機器を判別するための番号です。コンピュータがインターネットを利用する場合に割り当てられます。識別用の番号でもあります。このIPアドレスからどの端末から何をしたのかが特定することも出来るのです。仮に誰かがどこかの端末でインターネットの掲示板に犯罪予告などした場合などはここから身元を割り当てることも出来てしまいます。なのでこういった真似は絶対に止めましょう。そして、この個別の番号であるIPアドレスが今、枯渇の危機に瀕しています。

IPアドレスはIPv4というプロトコルで番号が割り当てられます。このIPv4とは32ビットのIPアドレスなのです。かつてお話したように32ビットとは約43億になります。つまり43億個のIPアドレスしか管理できないという結果になります。この問題は1981年にIPアドレスを設定したときから危惧されていましたが、深刻な問題としては取り組まれなかったのです。当時からすれば43億ともなれば莫大な数であり、この数が尽きることは当分問題ないだろうといった様でした。しかし、1990年代後半以降はインターネット時代の躍進の時代であり膨大な数のIPアドレスが作られました。それ故に2011年2月3日にアジア太平洋地域におけるIPv4アドレスの在庫が無くなりました。 ちなみにだからといって現在利用しているインターネットが利用できなくなるわけではないです。しかし、インターネットブラウザ、アプリケーション、WEBアプリケーションなどに影響がでます。

現在は対策として、IPv6というとういうプロトコルが新たに設定されており、こちらに移転するという案もあります。実際にこちらのIPアドレスも普及しつつありますが、問題も同時に発生しつつあります。日本の対策としてはアドレス空間の割り当てを審査するなど割り当て方法を厳格にし、無用な割り当てを行わないようにしています。

太平洋地域に限らず世界中でIPアドレスが枯渇しつつあるので、これによりネット社会の衰退の可能性もありうるのです。

大手メーカーの植物工場

2017年 2月 21日

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富士通と富士通九州システムズは2016年11月28日、植物工場を新設するFujitsu Greenhouse Technology Finlandという新会社を設立し、11月17日から事業を開始していることを発表しました。
農業ICTシステムを活用して農作物の生産・販売をするそうです。
日照時間の短い国で安定した農作物を安定供給する完全人工光型植物工場を立ち上げるという試みだそうです。
ICTとは情報通信技術のことです。情報技術ITに通信技術を含めたものを一般にICTといいます。
この事業は技術を農業生産者側に販売することを目標にしたものです。
2019年あたりから実現した成果をもとに売り出す戦略です。

パナソニックも海外で植物工場事業を立ち上げています。
パナソニックは建物内で野菜を栽培する植物工場の事業をシンガポールで立ち上げています。
シンガポールは国土も狭く食料自給率が低いという課題をクリアするためもあってそこで植物工場を新設することになりました。
アジアに植物工場を新設することで新しい商機として期待されています。
湿度・温度・CO2・養液・光源・風量などの変化をメールで通知するICT遠隔監視技術を採用しています。
温度や空調、LED照明の光の波長制御など進んだ管理法が開発されています。
人工光型植物工場システムなどを開発しています。
照明管理の開発によって技術的に消費電力の削減の成果にもつながっています。
また、新しい空調技術の開発によって温度差による野菜の歩どまりの悪さの問題も解決しています。
パナソニックは他にも農業用ロボットの開発もしています。

農業の工業化や植物工場は新しいビジネスです。
植物工場などの違った視点から新しい空調技術やさらなる照明の省エネ化など革新をもたらす新しい技術に繋がっていることは喜ばしいことです。
農業ICTの技術を販売するというビジネスは成功するかこれからが楽しみです。

お薬のカプセル DDSについて

2017年 2月 17日

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DDSとは
Drug Delivery Systemという考え方のことです。頭文字をとってDDSと呼ばれています。
飲んでから目的の場所でとけるカプセル、患部だけに薬を届けるカプセルの役目が理想と言われています。
この役割を果たすポリマーの素材が期待されています。
目的の場所にたどり着いたポリマーのカプセルは不要になってしまいます。
そのため生分解性のポリマーが期待されています。
ポリマーとはモノマーの重合体です。ポリマーとはたいてい高分子の有機化合物のことを示します。
モノマーとは重合を行う際の基質のことをいいます。
モノマーが重合した高分子のことをポリマーといいます。
具体的なお薬の製剤で活用されている技術は薬物をうすい生分解性ポリマーでおおう加工を施したものです。
生分解性のポリマーが薬物をおおうものです。
高分子化学の進歩による生分解性の体内に採り入れても害のない・目的の場所でとけるポリマーの生成が期待されます。

DDSの例
患部のみに薬物を集中させたり、長時間作用を効くようにします(徐放性)。
例としては、ガンの患部だけに薬物を集中させる・肝臓だけに薬物を届ける・小腸や大腸にまで薬物が溶けることのないように運ぶなどがあります。

速効性製剤と徐放性製剤
薬物がゆるやかに溶け出すように製剤された徐放性製剤のお薬も出ています。
徐放性製剤は一回の服用でお薬の体内の血中濃度を一定に溶け出しながら、一日中長く作用が効くものも出ています。
それによってお薬の一日あたりの服用回数自体を減らしたり、飲んでから目的の場所で溶けたりもします。
それに対して口中ですぐ溶け出してしまうお薬を速効性製剤と呼ばれます。
一般的なものとしては胃薬のガスターなどは口中で溶ける速効性製剤です。

お薬のDDSの考え方は一日のお薬の物質を体内で一定に保ったり、強い薬物を目的の場所で溶け出すようにすることで副作用の軽減にも役立っています。
今後飲んでから体内の目的の場所で目的の物質が作用するDDSのお薬の進歩がすすむようです。

アルミ缶の高精細印刷

2017年 2月 14日

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アルミ缶はアルミニウム・アルミニウム合金などを主とした材料でできた缶です。
サイダーやビールなどの炭酸飲料の容器としてよく見られます。
国内の飲料用アルミ缶製造市場は年間およそ200億缶で安定生産されているとされています。

昭和電工が子会社で新しいアルミ缶高精細印刷を実現すると発表
昭和電工株式会社は2016年10月31日、アルミ缶の少量多品種に対応する量産工場ラインの新設を決定すると発表しました。
昭和電工の連結子会社、昭和アルミ缶株式会社(東京本社)がその印刷技術を開発しました。
アルミ缶にインクジェット方式で写真に匹敵するほどの高精細印刷を実現するとしています。
昭和アルミ缶は600dpiとグラビア印刷ほどの高精細印刷ができるのだそうです。
栃木県小山市にある昭和アルミ缶小山工場に新印刷方式の生産ラインを新設します。
昭和アルミ缶株式会社は2016年の12月中旬から量産を開始する方針です。
新印刷方式のこの生産ラインはおよそ10万缶程度の商品の少量生産を想定して造られます。

「昭和電工株式会社について
昭和電工は日本の化学メーカー・化学工業会社です。
1939年6月に設立されました。
昭和電工の主な事業は石油化学事業部門・化学品事業部門・無機事業部門・アルミニウム事業部門・HD事業部門・エレクトロニクス事業部門です。

昭和電工株式会社のアルミニウム事業について
1934年
に日本初のアルミニウム製錬の工業化に成功しています(1984年に停止)。
それ以来アルミニウム材料・高付加価値加工品を生産しています。
化学メーカーでありながらアルミニウム事業を手がけるメーカーは珍しいといわれています。」
(「昭和電工」 wikipediaより引用)

昭和アルミ缶株式会社は印刷装置を自主開発しました。
一缶あたりのわずかなコスト増によってアルミ缶の高精細印刷を実現しました。
限定もののアルミ缶商品生産向けとして良いニュースではないでしょうか。

工具ドライバーの歴史

2017年 2月 10日

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ドライバーのお話です。ドライバーといば色々な意味がありますが、今回は工具のドライバーです。工具のドライバーはねじを締め付けて固定したり緩めて外したりする作業を行うための工具です。ドライバーにはネジの穴の形に合わせた様々ドライバーがありますが、日本で特にイメージが強いのはプラスドライバーとマイナスドライバーです。

マイナスドライバーとプラスドライバー及びそれらのネジの違う点は形状は勿論ですが、他にも作業効率が違います。ネジとドライバーの噛合がプラスとマイナスでは圧倒的にプラスの方がスリップ(滑ってしまう)事が少ないのです。故にプラスドライバーの方が回しやすく、ネジの締緩作業がはかどります。

そのプラスドライバーについてお話しします。プラスドライバーの誕生は1933年にアメリカのフィリップス・スクリュー社が開発、販売したことからでした。アメリカで開発されたのでプラスドライバーとプラスネジは日本では規格外が理由ですぐには普及せず、海外からの輸入品として取り扱う程度でした。なぜなら日本では終戦までほとんどマイナスネジ、マイナスドライバーのみでネジを取り扱っていたのです。

その後1949年に日本で工業標準化法の成立によって同年に日本工業規格(JIS)が制定されるようになります。その時にプラスドライバーの有用性が強く主張され、それによってプラスネジとプラスドライバーが国産化し、当時の日本捻廻(現在のベッセル)が製造発売を始め、プラスドライバーの普及のきっかけを担いました。

なお、マイナスドライバーはプラスドライバーよりも日本では古くから使われているのをお話しましたが、一つ注意が必要です。日本ではマイナスドライバーは業務やその他の正当な理由を除いて「隠して携帯」すると処罰されることになっています。なぜなら特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律(ピッキング防止法)の「指定侵入工具」に指定されているからです。気をつけて下さい。

もうすぐバレンタイン!チョコレートができるまで

2017年 2月 7日

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もうすぐバレンタイン。縁がある人もない人も様々な種類のチョコレートがコンビニやスーパーに並ぶのでついつい買ってしまうのではないでしょうか。
集中力が切れたときに、疲労回復に、ちょっと一息つきたいときにとお手軽お菓子チョコレート。
今回もそんなお菓子のできるまでを調べてきました。

ステップ1 カカオ豆の収穫
まず始めはカカオ農園に行ってカカオの実(カカオポッド)を採集しましょう。
ちなみにチョコレートってこのカカオの実をそのまま使うわけじゃないんですよ。
カカオの実を割って、その中にあるカカオ豆と呼ばれる種子を取り出します。
これをバナナの葉に包んだりして発酵させたのちに天日干しします。

ステップ2 カカオマスの作成
工場へ運ばれてきたカカオ豆から異物などを除去します。
そして品質や発酵具合をチェック。
カカオ豆の皮の部分を取り除いてカカオニブ(胚乳部分)をとりだします。
これを焙煎し香りを出し砕きます。この際にブレンドすることもあります。
これができるとペースト状にカカオマスができます。

ステップ3 混合
カカオマスに砂糖や粉乳、ココアバターなどを加えます。
これをミキサーで混合しローラーにかけて極微粒化します。
細かければ細かいほど滑らかな舌触りになります。
これを一昼夜行います。

ステップ4 成型
テンパリングという作業を行います。これはチョコレートの温度を調節し、含まれているココアバターを安定した結晶にする工程です。
この作業をしつつ型に入れて成型していきます。

ステップ5 包装
できたチョコレートを冷却し固めます。そして型から抜き品質チェックを行いアルミニウム箔などで包装します。
すぐに出荷するわけでなく、一定の温度や湿度に保たれた倉庫で熟成して出荷されます。

バーチャル・リアリティ

2017年 2月 3日

バーチャル・リアリティ

2016年はVR元年と言う方もいます。VRとは2016年に話題となったバーチャル・リアリティ用の機器です。バーチャルリアリティとは一体どのようなものなのかご存知でしょうか?今回はそのバーチャル・リアリティ、略してVRのお話です。

VRとは、人間の感覚器官に働きかける技術の総称です。このVRによって現実ではない世界などを実質的に現実のように感じられる環境を人工的に作り出します。
現在の技術ではVRは身体に機器を装着してコンピュータにより合成した映像・音響などの効果により、3次元空間内に利用者の身体を投影し、空間への没入感を感じさせる物です。頭部に装着してすっぽりと視界を覆う「ヘッドマウントディスプレイ」が視覚でVRを感じることができ、手を包み込んで動きを入力したり力学的なフィードバックを与える手袋型の「データグローブ」という何かを触った感覚を作り出すが代表的なVR機器です。これらを装着すれば架空の見る、聞く、触るを現実的なものにすることが出来るのです。
この技術の研究は遡ること1962年頃から始まったと言われています。研究成果は医療技術やゲームの技術に応用されてきました。そして2016年になって下記3つのVR機器が商品化されVRブームを巻き起こそうとしています。
現代で商品化されたVR機器の中で主流な商品がOculus Rift、HTC Vive、PlayStation VRの3つです。これらをパソコンやPS4に接続すればVRが体感出来ます。しかし、自宅等で使いたくて購入しようとすると値段や環境等の敷居が高いと思われます。パソコンもハイエンドな性能が求められますので必要な個々のPCパーツや機器も高価なものばかりです。一番敷居が低いのはPS4のVRですが、発売当初から品薄状態が続いていました。また、個人差がありますが、VRヘッドマウントディスプレイでVRを見ていると酔ってしまう方もいます。この点の問題も見過ごせません。
2016年はVR元年であると同時に黎明期であるとも言えます。この技術の進歩によってより多くの人々に素晴らしい仮想現実空間を体感できるようになってもらいたものです。