東芝とWD和解

2018年 1月 16日


(フラッシュメモリ製品画像、イメージ)

アメリカのWD(ウェスタンデジタル)は2017年12月13日東芝と和解することを発表しました。
この和解発表でこの発表以前のすべての法的措置をお互いが取り下げることが決まりました。
筆者は東芝の経営は事業の売却方法を辿っていると、SHARPの事業やNECのパソコン事業の他社との統合とは明らかに違うと感じています。

東芝が売却を決めた三重県四日市のフラッシュメモリー製造の工場は世界最大のフラッシュメモリーの工場です。
2017年12月13日の和解によって今後の三重県四日市工場で新設するフラッシュメモリーの新しい製造棟で共同投資することも決まりました。
また、東芝メモリは2021年以降稼働する岩手県北上市のフラッシュメモリー製造の北上工場を建設していく計画も報じられています。

WDは和解において、東芝側に韓国のSKハイニックスにフラッシュメモリー製造の関与の制限や機密情報を遮断することを求めていました。東芝はこのことを確約したため、WDは和解に応じてくれることになりました。

筆者は共同投資してくれるWDは東芝にとって良いパートナーであると感じています。
フラッシュメモリーは東芝の日本人開発者が発明した技術です。
この発明をした当時は東芝内ではあまり高い評価はされてなかったそうです。
アメリカのインテル社がフラッシュメモリーに着目してくれて日本の東芝の発明者にわざわざ訪ねてきてくれたことで初めて社内にフラッシュメモリーの発明の衝撃が伝わったそうです。

WDのCEOであるスティーブミリガン氏は「私たちが17年間東芝とともに築いてきた半導体設計のIP(知的財産)を保護できると判断したので和解に合意することができた」と語っています。
MacのノートPCやデスクトップPCなどはストレージの仕様がもうフラッシュメモリのストレージの仕様になっています。東芝メモリは業績は良好なので、今後も東芝が超えなければならない課題はありますが、上手に生き残りそして良い製品を生産し続けられていくことを筆者も願っています。