「113番新元素」の命名権が決まりました。

2016年 5月 6日

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この世界(宇宙)を形作っている、あらゆる物質は
「元素」によって成り立っています。そしてそれらは
「元素の周期表」によって表されるのです。
(中・高の物理の授業で出てくると思います)

ちなみに元素92番までは自然界に存在する、「天然の元素」
93番からは「人工的に作り出した元素」となります。
人工元素の開発は主に、アメリカ、ドイツ、ロシアが独占していましたが
この度、113番目の元素の作成に日本が成功しました。(アジア初快挙)
それでは、この「113番新元素」とは一体どういった構造で、
どうやって作成されたのか?考えてみたいと思います。

「要は、足せばいいんだ。」

新元素を作る。と言いますが、理論上は単純で、
「二つの元素を足して、任意の数を出せばいい」だけです。
と言うのは簡単ですが、これを「立証して認可される」までの道のりは、
大変険しいものです。113番新元素の作成を例にとって説明したいと思います。

亜鉛(30)ビスマス(83)を、ぶつけて(30+83=113)作りました。
と、言うのは簡単ですが、これが常軌を逸した気の遠くなるような研究を経て、
ようやく完成したのです。どうやって作ったのでしょうか?

加速器で1秒間に、2.4兆個の亜鉛元素を回転盤上のビスマス元素にぶつけまくって、
「融合させる」
のです。この、「融合させる」事自体が難しく、
(東京ドームの外から、中に転がっている一枚の100円玉に、100円玉を当てる確率)
適正な速度で当てなければ成りません。その為に「加速器」の加速度を調整します。
その方法は、加速器のチューブ内に交互に配置された「+」と「-」
「反発力を利用し、繰り返し加速させる工程」を、「意図的に操作する」事です。
こうして、融合する速度(113番新元素の場合、光速の1/10の速度)で2つの元素をぶつけ、
新元素を作り出します。

「実証されなければ、意味が無い。」

ですが、「113番元素が、できました。」という明確な証拠を提示しなければ成りません。
そこで日本は独自に検出器「GARIS」を製作し、検出(立証)に成功したのです。
(GARISについては、ここでは割合します。)

最後に、「命名権」について。

基本的に開発者に権利があるのですが、そこには
明確なガイドラインがあるそうです。それによれば、
1・神話に由来するもの
2・地域の名前に由来するもの
3・歴史上の有名な科学者の名前に由来するもの 
だそうです。
ちなみに私はゲームの影響で北欧神話が好きなので、
「オーディン」とか、「ヴァルドル」なんて付けてみたいですね。
(既にあるか、却下されるか、そもそも私に権利が無いのですが・・・。)