バイオマス発電と環境について

2021年 12月 17日

バイオマス発電施設の設備容量がこの5年で2.5倍に増加しています。
目立つのは地元の端材などの未利用であったものを木質チップに加工して地産地消でバイオマス発電で燃やして活用する手法です。
バイオマス発電で使われる燃料は森林由来の端材を木質チップに加工したものや農作物の残渣がおよそ半分を占めているといいます。
植物のバイオマス発電への利活用は端材と農作物の残渣、間伐材由来の未使用の木質とを合わせると約6割を占めているともいいます。
ちなみに発電容量は愛知県が首位となっています。

バイオマス発電においても燃料の地産地消の利活用の試みが進んできています。
愛知県では半田市や碧南市、武豊町、名古屋市、豊橋市、あま市などが日本国内のバイオマス発電量のトップ10入りをしています。

日本は国土の7割を森林が占めています。
人工林の樹木などは樹齢40年を過ぎてくると成長が落ち着いてCO2を吸収する量が減ってくるといいます。
日本の人工林は50年を超えた林が目立ってきており、林業の営みの更新と手入れが必要となっているようです。
森林が吸収するCO2の吸収量も国の脱炭素化もしくは地球温暖化ガス排出削減に資するものと考えられます。
賢い再生可能エネルギー活用だけではなく、林業の営みも人の生活環境を支える大きな営みであるようです。

筆者の周辺では松の木材の処理に困っていた林業の経営者がある陶芸家とつながりを持つことをきっかけに、
陶芸家が薪窯で使う燃料を良質な松ヤニが出る、松の燃料としての材木を林業の経営者から譲り受けて利活用をすることになった事例があります。
なかなかお互いに良い事例を見出すことは難しく珍しいケースなのではなかったかと筆者は感じています。
木材や端材、間伐材の利用の構築とそれを売ることで営みを持続可能なかたちに変えていくことは有意義なのではないかと考えます。

筆者は山の上部に盛り土をしてあって、大雨が続きそのことで土砂災害を生んだ熱海の事例も大事な警鐘を鳴らしているように思います。
環境の整備のあり方として多角的に見て安全であることが重要であるように感じます。
林業、農業、水産業、そして再生可能エネルギー導入による環境の変化については総合的に相互的に検証し分析し、安全に関してしっかり見ていく必要があるようにも思えます。