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デジタル製版

デジタル製版(CTP: Computer to Plate)とは、コンピューター上で作成したデジタルデータを直接印刷用の刷版に出力する技術のことです。従来の製版工程(フィルム出力 → 刷版焼き付け)を省略できるため、印刷業界で主流になっています。


CTPの仕組み

  1. データ作成

    • DTPソフト(Adobe InDesign、Illustratorなど)でレイアウト。

    • PDF/X など印刷用データ形式に変換。

  2. RIP処理

    • RIP(Raster Image Processor)が、ベクターや画像データを印刷用の網点データに変換。

  3. 刷版への出力

    • 専用のCTP装置で、レーザーを使って感光性アルミ版に直接露光。

    • 主な方式:

      • サーマルCTP(熱感光)

      • バイオレットCTP(紫レーザー感光)

  4. 現像またはプロセスレス

    • 現像機で不要部分を除去、または現像レスCTP版ならそのまま印刷機へ。


従来方式との違い

項目 従来のアナログ製版 CTP(デジタル製版)
中間工程 フィルムが必要 不要(データ→版)
精度 フィルム精度に依存 高精度(デジタルRIP)
スピード 時間がかかる 大幅短縮
コスト フィルム代、現像コスト 初期投資大、ランニングコスト低

CTPのメリット

  • 工程短縮:フィルム出力不要

  • 高精度:2400dpiクラスの高解像度出力

  • 安定品質:データ劣化なし

  • 環境負荷低減:現像レスで廃液削減可能


注意点・デメリット

  • 初期設備コストが高い

  • データトラブルが即印刷トラブルに直結

  • 湿度・温度管理が必要(感光版はデリケート)

 

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