デジタル製版
2025年8月17日
デジタル製版(CTP: Computer to Plate)とは、コンピューター上で作成したデジタルデータを直接印刷用の刷版に出力する技術のことです。従来の製版工程(フィルム出力 → 刷版焼き付け)を省略できるため、印刷業界で主流になっています。
✅ CTPの仕組み
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データ作成
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DTPソフト(Adobe InDesign、Illustratorなど)でレイアウト。
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PDF/X など印刷用データ形式に変換。
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RIP処理
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RIP(Raster Image Processor)が、ベクターや画像データを印刷用の網点データに変換。
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刷版への出力
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専用のCTP装置で、レーザーを使って感光性アルミ版に直接露光。
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主な方式:
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サーマルCTP(熱感光)
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バイオレットCTP(紫レーザー感光)
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現像またはプロセスレス
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現像機で不要部分を除去、または現像レスCTP版ならそのまま印刷機へ。
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✅ 従来方式との違い
項目 | 従来のアナログ製版 | CTP(デジタル製版) |
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中間工程 | フィルムが必要 | 不要(データ→版) |
精度 | フィルム精度に依存 | 高精度(デジタルRIP) |
スピード | 時間がかかる | 大幅短縮 |
コスト | フィルム代、現像コスト | 初期投資大、ランニングコスト低 |
✅ CTPのメリット
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工程短縮:フィルム出力不要
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高精度:2400dpiクラスの高解像度出力
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安定品質:データ劣化なし
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環境負荷低減:現像レスで廃液削減可能
✅ 注意点・デメリット
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初期設備コストが高い
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データトラブルが即印刷トラブルに直結
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湿度・温度管理が必要(感光版はデリケート)
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