製造業ニュース

九州に集まる半導体関連メーカーの設備

2023年 12月 15日

(画像、半導体、イメージ)

2023年12月頃、政府は重要物資の一つに掲げている半導体の製造設備・工場などの誘致に向けて土地規制を緩和するようです。
半導体を巡っては、熊本に台湾TSMCの新工場を誘致し、補助金も出して2024年の稼働が予定されています。
日本の半導体関連の専門メーカーも熊本や九州域内に新たな生産設備を設ける計画が複数あるようです。
TSMCの熊本への半導体製造工場新設に刺激され、日本国内の半導体製造装置など半導体関連のメーカーも工場を九州域内に設けるといいます。
TSMCが熊本に拠点を設けた背景にはソニーの協力があったことが大きいと報じられています。
日本政府の巨額の補助金も大きいですが、土地の選定や水の確保など工場を運営する上での実際の条件を満たす必要もあったと考えられます。

米国企業が設計をし、台湾のTSMCなどの受託製造によって量産をする水平分業型のものづくりが世界の半導体製造を牽引してきています。
日本国内ではアップルのiPhoneのシェアが半数程度あるといいます。
iPhoneは米アップルの設計ですが、例えば最新のiPhone15ProMax製品には日本のメーカーの電子部品が数多く搭載されているといいます。
また、日本の半導体製造装置などのメーカーも先端半導体の製造・量産に貢献しています。
パソコンやタブレット、スマホなどの頭脳をつかさどるCPUやGPUは低消費電力、かつ高機能化が図られてきています。
米アップルのPCやタブレット、スマホに搭載されるチップは特に超微細化とともに低消費電力化・高機能化にこだわって開発が進められているようです。
iPhoneなどをはじめとする各ITデバイス製品のエコシステムの中に日本のメーカーも取り入れられているのが現状であると考えられます。

ただ最近になって、米マイクロソフトがOS、Windows11の2023年10月11日から始まるプログラム更新によって随時AIの支援機能を追加すると報じられています。
ソフトバンクの孫正義氏もAIを使いこなすことが求められていることを強調しています。
米エヌビディアは着実に生成AIの開発に役立つGPU・CPU製品を開発・製造の準備をしています。
生成AIにGPUが適していることが判明してからの月日を、
来たるべきAI基盤技術のサービスの普及時代を見据えてエヌビディアは設計・技術を磨き続けてきているということなのでしょう。

スマートAI検知機能

2023年 12月 14日

「スマートAI検知機能」という言葉は、AI(人工知能)技術が特定のパターン、データ、または行動を自動的に識別し、分析する能力を指す一般的な用語です。この機能は、様々な分野で応用されています。例えば、セキュリティシステムでは異常な行動を検出し、医療分野では画像診断を支援し、マーケティングでは消費者の行動パターンを分析するのに使われます。

スマートAI検知機能の特徴は

1,データの分析と処理: AIは大量のデータを迅速に分析し、パターンや傾向を特定できます。

2,自動学習と適応: 人工知能は新しいデータや状況に基づいて学習し、その振る舞いを適応させることができます。

3,異常検知: AIは通常のパターンから逸脱する事象を検出し、アラートを発することができます。

4,リアルタイム処理: 多くのAIシステムはリアルタイムでデータを分析し、即時に反応する能力を持っています。

5,汎用性: さまざまな業界やアプリケーションで応用可能です。

このようなスマートAI検知機能は、ビジネスの効率化、リスクの低減、ユーザーエクスペリエンスの向上など、多岐にわたる分野で価値を提供します。

スマートAI検知機能のイメージ画像です。高度なAI操作センターを象徴する、未来的なインターフェースが描かれています。

 

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ゲノム編集技術

2023年 12月 13日

ゲノム編集技術、生物のDNA配列を精密に変更することを可能にする技術です。この分野は急速に進化しており、特にCRISPR-Cas9システムが注目されています。CRISPR-Cas9は、バクテリアの免疫系に由来する技術で、特定のDNA配列をターゲットにして、その部分を切断し、変更することができます。

この技術は、遺伝病の治療、農業での作物改良、動物モデルの開発など、多岐にわたる応用が期待されています。しかし、ゲノム編集には倫理的、法的な問題も多く、人間のゲノム編集に関しては特に慎重な議論が必要です。

安全性やオフターゲット効果(意図しない場所のDNAが変更されること)への懸念もあり、これらの問題に対処するための研究が進められています。また、ゲノム編集技術の普及と発展に伴い、これらの技術を規制する法律やガイドラインの整備も国際的に進行中です。

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ブルーカーボン

2023年 12月 8日

ブルーカーボン(Blue Carbon)は、海洋や沿岸域の生態系によって吸収・貯蔵される炭素を指します。具体的には、海藻、マングローブ、塩性湿地、海草などの生物群集が大気中のCO2を吸収し、その一部を地中や海底に長期間蓄えることを指します。このプロセスは地球の炭素循環において重要な役割を果たし、気候変動の緩和に寄与します。

ブルーカーボン生態系の特徴

  1. 高い炭素吸収能力: 海洋の生態系は、陸上の森林よりも効率的にCO2を吸収し、蓄えることができます。
  2. 生物多様性の保全: マングローブや海草の森は、多くの海洋生物にとって重要な生息地を提供します。
  3. 海岸線の保護: これらの生態系は、波や風から海岸線を保護する役割も果たします。
  4. 水質の浄化: 海草やマングローブは、水中の栄養塩類や汚染物質を取り除くことにより、水質を改善する効果があります。

ブルーカーボン生態系の保全と復元は、地球の気候変動対策と生物多様性の保護にとって非常に重要です。ただし、開発圧力や海洋汚染、気候変動による影響でこれらの生態系は脅威にさらされています。そのため、これらの環境を保護し、持続可能な利用を図る取り組みが世界的に求められています。

こちらがブルーカーボンのイメージ画像です。この絵は、海岸線に沿った豊かなマングローブの森、透明な青い水の下に広がる広大な海草の草原、そして様々な海洋生物を描いています。景色は穏やかで、晴れた青い空と柔らかな日差しがこの場面を照らし、炭素固定と気候変動緩和におけるこれらの生態系の重要性を強調しています。

 

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固体ロケットモーター

2023年 12月 7日

固体ロケットモーターは、固体燃料を使用するロケットエンジンの一種です。

特徴

1,構造の単純さ: 固体燃料を使用するため、燃料と酸化剤が混合されて固体の形で格納されます。これにより、燃料の注入や管理に関わる複雑な機械が不要になり、構造が単純になります。

2,信頼性と保管性: 固体燃料は安定しており、長期間保管しても劣化しにくいです。そのため、ミサイルや緊急時の打ち上げシステムなどに好んで使用されます。

3,即時発射能力: 液体燃料ロケットと比べて、準備時間が短く、迅速な発射が可能です。

仕組み

・燃料と酸化剤: 固体ロケットモーターの燃料は、通常、ポリマー(合成ゴムなど)を基にしたもので、酸化剤(例えば硝酸塩)を混合して作られます。

・点火と推進: 点火されると、燃料と酸化剤が反応して大量のガスが発生し、ノズルを通じて高速で排出されます。この反作用でロケットは推進されます。

・制御の難しさ: 一度点火されると、反応を止めることができないため、固体ロケットは燃焼の制御が難しいです。そのため、燃焼速度や推力の調節は燃料の組成や内部構造に依存します。

用途

宇宙ロケットのブースター: 多くの宇宙ロケットで、追加の推力を提供するためのブースターとして使用されます。

・ミサイル: 軍事用ミサイルの主要な推進システムとしても広く用いられています。

・救命用途: 航空機の救命用途(例えば、射出座席)にも固体燃料が使用されます。

固体ロケットモーターはその単純さと信頼性から、多くの分野で重要な役割を担っています。

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CO2排出低減、脱炭素化、資源の再利用

2023年 12月 1日

重要鉱物の再利用
パナソニックが車載電池を再利用する事業を2028年までに開始する計画であることが報じられました。
主としてニッケルの回収・再利用を行うようです。
他にもコバルトやリチウムの再利用も検討する模様です。
EV電気自動車の車載電池に多く使われる希少金属はその多くが中国で製錬されています。
よってCATLやBYDなど中国のEV電気自動車の車載電池製造は世界屈指のレベルにあると考えられます。
希少金属を使わない仕様の電池の量産なども同時に始まっています。
製造時に二酸化炭素をより発生させない車載電池の製造・再利用手法の開発なども今後の脱炭素化の需要を捉えて進化すると考えられます。

国際エネルギー機関IEAは9月26日に気候変動対策の報告書を公表しました。
IEAはそこで気温の上昇を抑えていくためには再生可能エネルギーの設備容量を2030年までに現段階の3倍の規模に拡大していく必要があると提言しています。
再生可能エネルギーは太陽光などでは平地かつ日照時間が安定的に長い適地や、
風力などでは安定的に風が吹く適地などが求められます。
広大な面積をもつ国や、遠浅の海域などを広く持つ国が再生可能エネルギーを得るための強みを持つと考えられます。
日本は小さな島国であり、面積に限りがあり、周辺の海域も水深が深く洋上風力発電の開発・導入も課題が多いとされています。
また、日本は化石燃料などの燃料調達を海外からの輸入に依存しており、
エネルギーミックスで見ても7割ほどをLNGや石炭などの火力発電に依存しています。

豊富な化石燃料を持つ中東のサウジアラビアなどの国でも脱炭素化の将来のビジョンを踏まえ、
脱化石燃料のエネルギー開発にも積極的になってきているようです。
産油国でも脱炭素化・気候変動問題も課題解決に動き出しているのですから、
日本も具体的な脱炭素化に向けた新たなインフラストラクチャの構築は重要で必須であるのではないかと考えられます。

製造サプライ チェーンの将来

2023年 11月 22日

製造サプライ チェーンの将来は、いくつかの主要なトレンドとイノベーションによって大きく形作られると予想されます。

1,デジタル化: 人工知能 (AI) や機械学習 (ML) などのデジタル テクノロジーの統合は、サプライ チェーンにとって引き続き重要です。これらのテクノロジーは、予測を強化し、効率を向上させ、イノベーションを推進することができます。

2,回復力と機敏性: 企業は、コストの抑制を維持しながら顧客のニーズを満たすために、サプライチェーンの回復力と機敏性の強化を優先しています。これは、サプライチェーンが衝撃を吸収し、混乱から迅速に回復できるようにする必要性が高まっていることに対応するものです。

3,分散化: グローバルな供給ネットワークから、バイヤーとサプライヤーのより国家的、地域的、ローカルなネットワークへの移行が予測されています。これは、地政学的な緊張や貿易紛争など、世界のサプライチェーンに関連する複雑さと不確実性が部分的に原因となっています。

4,正確なデータ管理: さまざまなエンタープライズ リソース プランニング (ERP) および計画システムにわたるリアルタイムの正規化されたデータの使用は、インテリジェントなサプライ チェーン管理の基盤となり、より良い意思決定と効率を可能にします。

5,高度なテクノロジー: 今後数年間で、サプライチェーンのリーダーは、セキュリティの強化と国境を越えた貿易フローの監視のために、分散型台帳テクノロジー (DLT) とデジタル マネー (DM) を検討することが予想されます。さらに、メタバースはサプライ チェーンの運用をサポートする役割を果たす可能性があります。

これらの傾向は、将来の製造サプライ チェーンがより接続され、データ駆動型で柔軟になり、これまで以上に効率的に変化や課題に適応できるようになるということを示しています。

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数理技術

2023年 11月 20日

数理技術(数理工学)は、数学的な手法と技術を実践的な問題の解決に応用する応用工学の分野です。数学的なモデリング、統計分析、アルゴリズム開発、計算技術、最適化手法、シミュレーションなどを用いて、工学、経済学、物理学、生物学などの多様な分野の複雑な問題を解明するために使用されます。数理技術は、データサイエンス、人工知能、機械学習、システム工学など、多くの先端技術領域においても重要な役割を果たしています。

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マルチスペクトルカメラ

2023年 11月 19日

マルチスペクトルカメラは、様々な波長の光を捉えることができるカメラの一種です。通常のカメラが可視光のみを捉えるのに対して、マルチスペクトルカメラは可視光の他に、近赤外線や中赤外線など人の目では見ることのできない光を捉えることができます。これにより、植生の健康状態の観察や地質学的特徴の分析、水質検査など、様々な分野での応用が可能です。特に農業分野での作物の健康状態のモニタリングや、リモートセンシング分野での地球観測などに有効です。

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製造を巡るトレンドについて

2023年 11月 17日

エヌビディアのAI向け半導体が注目されています。
2023年9月上旬執筆現在、TSMCがエヌビディア向けのAI半導体の生産能力を拡大していく計画であることを発表しました。
しかし他方で半導体市況は厳しい状況が続いています。
サムスン電子などはスマホ不振が顕著であるといいます。
2024年春以降まで市況の回復は持ち越しそうであることなどが指摘されています。
ただ、生成AIなどサーバー搭載向けのAI半導体というビジネスの芽は来年以降にも着実に開いていくと予測されています。
ITテック大手はこの生成AIというビジネスチャンスを決して逃さないのではないかと考えます。

PCやスマホなどのデバイスの販売は低迷しているようです。
国際的な生成AIの適切な規制やルールが定められていくことが、
より生成AIを適切な活用に導いていくと考えられます。
成熟してきているように見えるPCやスマホも、
新たな生成AI利用など新しいアプリ・活用法が見出されていけば、その使用する範囲でのスペック(仕様)の進化も、
新しい基準や水準が見出され買い替え需要を新しく後押しする可能性もあると考えられます。

自動車の自動運転やEVの普及もものづくりでは大きな課題の1つです。
自動運転ではまだ普及にハードルがあるようです。
自動運転は、日本では比較的安全性により配慮された自動運転バスなど商用車での普及から始まっていく可能性があるようです。
EVの普及が始まろうとしているのが現在であると考えられます。
米国では充電規格がテスラ式に統一されようとしています。
日産に続き、ホンダも2025年からテスラ式の充電規格を採用することを表明しました。
2025年から2030年にかけては、自動車はEV化・電気自動車の量産が最も重要な変革になると考えられます。
電気自動車、バッテリーEV製造を巡っては様々な意見や見解が示されてきています。
日本のクルマメーカーも今後実際にどうしていくのか、注目されていると考えられます。