変圧器の3つの要素
2025年6月3日
変圧器の銘板例
アルミ板 サイズ50×80 厚み0.8 4-R3 黒 半艶 シート有
変圧器(Transformer)、電圧の大きさを変える装置で、主に電力の送電や配電に使われます。交流(AC)専用で、直流(DC)には使えません。
🔧 基本構造
変圧器は主に次の3つの要素で構成されています:
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鉄心(てっしん)
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磁束(磁力線)を通すための磁性体(鉄など)でできたコア。
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一次側と二次側のコイルを磁気的に結びつける役割。
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一次コイル(一次側)
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電源から交流電流を受け取る側の巻線。
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二次コイル(二次側)
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一次側の磁束変化によって誘導される電流が流れる巻線(電圧が変化した状態で出力される)。
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⚡ 動作原理(電磁誘導)
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一次コイルに交流電圧を加えると、鉄心を通って変化する磁束が発生します。
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この変化する磁束が二次コイルにも伝わり、ファラデーの電磁誘導の法則により、二次側に電圧が誘導されます。
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誘導される電圧の大きさは、**巻数比(ターン比)**に応じて変わります。
🔢 電圧の関係式
V2V1=N2N1\frac{V_2}{V_1} = \frac{N_2}{N_1}
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V1V_1:一次電圧
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V2V_2:二次電圧
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N1N_1:一次コイルの巻数
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N2N_2:二次コイルの巻数
つまり:
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N2>N1N_2 > N_1 → 昇圧変圧器(電圧が上がる)
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N2<N1N_2 < N_1 → 降圧変圧器(電圧が下がる)
✅ 特徴と用途
特徴 | 内容 |
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エネルギー効率 | 非常に高い(98%以上) |
交流専用 | 直流では動作しない(磁束が変化しないため) |
絶縁性 | 一次と二次が電気的に絶縁されている(安全性が高い) |
用途例
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発電所 → 送電線への昇圧
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送電線 → 家庭や工場への降圧
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電子機器内の電源トランス
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