原子炉の構造
1.燃料棒
・ウランやプルトニウムなどの核燃料が用いられる。
・核分裂反応によってエネルギーが放出される。
2.制御棒
・中性子を吸収することで、核分裂反応を制御する。
・主にホウ素やカドミウムが使用される。
3.冷却材
・原子炉内の熱を運び出す役割を果たす。
・水、重水、ナトリウム、またはガスが使用される。
4.圧力容器
・原子炉の中心部分を囲む構造で、放射性物質を外部に漏らさないように設計されている。
5.蒸気発生器
・原子炉からの熱を利用して水を蒸気に変える装置。
・蒸気はタービンを回して発電に使用される。
6.格納容器
・原子炉全体を包み込むシールドで、放射線や放射性物質の外部漏出を防ぐ。
原子炉の種類
1.軽水炉 (PWR/BWR)
・一般的な商業原子炉で、冷却材や減速材として軽水を使用。
・PWR(加圧水型炉)とBWR(沸騰水型炉)の2種類がある。
2.重水炉 (CANDU)
・重水を減速材・冷却材に使用。
・燃料として天然ウランが利用可能。
3.高速増殖炉
・核燃料を効率的に利用し、プルトニウムを生成する能力を持つ。
4.高温ガス冷却炉 (HTGR)
・高温を得られる原子炉で、水素製造などの用途も視野に入れている。
安全対策
・緊急冷却装置:冷却材が失われた場合に核燃料を冷却するためのシステム。
・多重防護:物理的なバリアと安全装置を何層にも設ける。
・フィルターベントシステム:非常時に放射性物質を減少させながら排出する仕組み。