サーモグラフィの仕組みって?

2014年 12月 26日

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エボラ出血熱という大変厄介な病気がアフリカで流行しています。
空港では乗客の滞在国や体調の確認にヒトや機械をたくさん投入しています。

その際にも使用されている「サーモグラフィ」という装置をご存知ですよね。

よくニュース番組や実験バラエティ番組などでも目にする、あの温度ごとに色分けされて撮影できるカメラなどの装置です。
この装置の仕組みや利用分野のことについて見てみましょう。

温度を表示するという仕組み・・・
機器類から赤外線を照射するのではなく、検体から発せられる赤外線(遠赤外線)の量の変化を映像として見られるようにしたもの。
この赤外線は-273℃以上の物質から放射されているものなので生物であれば生きていれば捉える事ができます。

・レンズを通して対象物などからの赤外線を温度センサーで検知します。
・赤外線からのエネルギーを温度のデータに変換します。
・その値を画像変換して表示するのが「赤外線サーモグラフィ」の一連の流れです。

「赤外線サーモグラフィ」でできること・・・
 非接触での検査ができる
 他の計測機器よりも短い変化でも計測できる(移動する対象物の測定も可能)
 ピンポイントの計測だけでなく、広範囲の温度分布も計測できる

使用例として、工場の機械類の温度変化測定、食品加工時の測定、商品倉庫内の温度管理、出入りに危険な場所にあるもの・(病院などでの)人間や動物の観察(検査)・エンジンや大型機械など稼働時に近付けない場面での測定など。

赤外線の特徴って・・・
可視光よりも波長が長い(0.7~1000μm)「光」の仲間で、人間の目では認識できない
周りが暗い夜間でも赤外線を感知できる
「遠赤外線ヒーター」などのようにモノを温めることができます
赤外線からのエネルギーはその対象物の表面温度と同じ
※ 防犯用センサーライトやドライブレコーダーなどに「LED」のようなものが付いています、これは近赤外線照射をしています。

最初にもありましたが、大勢の人の中からウィルス感染して発症した患者さんを見つける際には大変便利な装置ですよね。
身近な工業分野から、軍事・救助活動や自然環境の監視などにも活躍しています。