クリーンな環境に欠かせない「フィルタ」の性能

2014年 11月 18日

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現代の生活にはクリーンな環境が必要な場面が多くなりました。
精密機器製造やアレルギーなどの疾患、食品加工・製造での現場など高度な環境維持が必要になっています。

集積回路の製造現場、食品の加工製造にはクリーンルームという環境が必要になってきます。
またハウスダストによるアレルギー症状(皮膚炎・鼻炎など)には、原因物質を除去した環境も必要です。
こういった環境の整備には空気清浄機などが必要になりますがその性能には「フィルタ」自体の性能がカギになります。

—主に使用されているフィルタと性能
ULPA・・・ウィルスからバクテリアや金属粉じんなどを「高機能で捕集する」性能を持ち、JIS規格(*1)に適合したもの。
高機能な空気清浄機やクリーンルームのメインフィルタに使用されています。
(*1):「定格風量で粒径が0.15 μmの粒子に対して99.9995%以上の粒子捕集率をもち、かつ初期圧力損失が245 Pa以下の性能を持つエアフィルタ」と規定されていて「HEPAフィルタ」を薄くした構造で強度的にデリケートな面があります。

HEPA・・・バクテリアや金属粉じんなどJIS規格(*2)に適合したもので、直径110μm以下のガラス繊維製のろ紙です。
主に「空気清浄機」「掃除機用フィルタ」「インフルエンザウィルス対応マスク」などにも使用されています。
(*2):JIS規格では「定格風量で粒径が0.3μmの粒子に対して99.97%以上の粒子捕集率をもち、かつ初期圧力損失が245Pa以下の性能を持つエアフィルター」とされています。
フィルタ自体がデリケートで破損しやすいのが弱点でしょう。

高性能フィルタ~一般家庭用・・・毛髪・花粉・塵など比較的大きなものの捕集がメインです。
ファン式 : 電動ファンにより集塵してフィルタに捕集させる原始的な方式。
マイナスイオン式 : この「マイナスイオン」というもの自体の効果は期待できないもので、今ではどのメーカーも撤退しています。
(一時 “マイナスイオンブーム” がありましたが「オゾン」を発生させてしまうため、かえって環境に悪影響ともされています)
ハイブリッド式 : 「ファン」の効果と「高電圧」による放電でより多くフィルタに静電吸着させる方式です。

—性能による使い分け
ULPAやHEPAなど「高機能なフィルタ」を使用していればどんな空気もキレイになるわけではありません。
“毛髪” や “花粉” のような大きなモノに適したフィルタや、臭い成分の吸着をメインにしたフィルタなど使い分けも必要です。

また性能がどうあれフィルタも目詰まりを起こせば、本来の機能を発揮できないのは全て共通です。
特に「焼き魚・焼き肉など」の煙は油脂分を含んでいてフィルタの繊維などに付着してどんどん大きくなってしまいます。
こういった状況下では想定よりも頻繁にメンテナンスを行う必要が出てきます。(これは仕方ないですが…)

お宅の空気清浄機はいつお手入れしましたか?メンテナンスもしないとただの「置物」になってしまいますよ。