複合素材って何だろう?

2014年 6月 24日

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「複合素材」というと耳慣れない言葉でもありますが、みなさんは何を連想しますか?

読んで字の如く “いろいろと合わさった素材” です。
以外と我々の生活のすぐそばにあるものですよ。

※※※ 一例として…
コンクリートは砂利とセメントをあわせたものです。
鉄筋コンクリートも鋼材を芯にしてセメントで固めたものです。
木材では合板や集成材などには、品種の違う木材を原料として組み合わせて製造されています。
FRPも繊維素材にプラスチック樹脂をあわせたものです。

特に有名なのは「ステルス戦闘機」の原理となっているフェノール樹脂といわれる合成樹脂ではないでしょうか。
その特長として、耐熱性・耐電解性・難燃性があります、また機械的な強度も高く成形もしやすいのです。
電気絶縁性・機械耐久性に大変優れているので機械代替部品として酷使しても活躍できます。
今では家電製品や機械部品・自動車などの部品にも使用されています。
製品サイズの安定性にも優れているので金属製の部品を使用するよりも軽量化できます。

フェノール樹脂の最大の特徴は、硬化させると3次元的な網目構造ができるという事です。
これは第二次世界大戦時の金属資材不足の際に代替材料として機体を製造できるようにと開発されていました。
木材などを芯材にしてフェノール樹脂を含ませたもので、軽量で金属にも負けない剛性があり代替材料として活用されました。
この際表面に形成された組織の効果でレーダー波が当たる面積が拡散されることがわかりました。
現在ではこの効果を利用することが重要視されているようですね。

このようにそれぞれの素材が本来持っている特性を活かせば「軽いのに強い」「柔軟なのに硬い」という相乗効果がもたらされます。
単体では取扱いの難しい素材も複合素材の原料として使用することで、加工しやすく安定した品質でクオリティーの高い製品や部品を作る事もできるのです。

身近な物にもこういった素材を使った製品がたくさんあるはずです、よ~く見てみましょうよ。