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止まらないSoC(システム・オン・チップ)の進化

 

半導体製品の微細化を進められているTSMCなどの先端半導体製品受託製造メーカーは好業績を維持しています。
2025年3月、米Appleは自社設計したM4チップを搭載したMacBook Airを発表、発売しました。
他にもハイエンド向けにM4 Max 、M3 Ultraチップを搭載したデスクトップPCであるMac Studioも発表、発売しています。
M3は3nmプロセス回路設計の第1世代のチップで、
M4は3nmプロセス回路設計の第2世代のチップです。
ただM4チップシリーズはNPU(ニューラル・プロセッシング・ユニット)性能が38TOPSと、
M3世代の18TOPSよりも特に理論値として端末側のAIの処理の高速化する性能がさらに優れているといいます。

NPU性能のテコ入れを強調したのは米MicrosoftのSurface(サーフェス)シリーズに、
米クアルコム設計のSnapdragon(スナップドラゴン)X plus、X eliteという
SoC(システム・オン・チップ)が採用されて発表されてからであると考えられます。
一方のAppleも自社設計のMチップシリーズにニューラルエンジンを採用して意識して着々と性能の進化を目指した開発を進めています。

米クアルコム設計のSnapdragonはもともとAndroidスマホ搭載向けのSoCとして開発が進められていました。
米Appleも、iPhoneやiPadシリーズ搭載向けに自社設計してきた半導体チップ製造技術を
AppleシリコンのMチップシリーズとしてMac製品やiPad Pro ・iPad Air製品に採用して大幅な処理性能や速度を改善しました。

Microsoftもその技術の応用の手法・発想から刺激を受けたからなのか、
スマホの頭脳として働いてきたクアルコム設計のチップをPC製品向けに新たに開発・製造を果たして採用しました。

生成AI向けの先端半導体である米エヌビディア設計のGPU(グラフィック・プロセッシング・ユニット)も巨額の投資で
米ITテック大手の自社生成AIのデータセンターに採用されていく模様です。
スマホやタブレット端末、PCなどのIT機器を通してこれからAIサービスが本格的に利用が普及していくと考えられます。
優れた自社設計のSoCを製造可能であるITテック大手のデバイス(スマホなど)は今後もAIサービスの流れに乗って、
相当な好業績を狙っていくものと考えられます。