地球温暖化防止に向けて企業の役割

2021年 5月 7日


地球温暖化の原因となっている、二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスは様々な企業活動の中からも排出されます。製品の生産や加工過程、輸送における燃料消費、オフィスでの電気使用もCO2の排出源であり、作られた製品が社会で消費されるときに排出されるCO2も環境負荷の原因となります。地球温暖化が人間活動から引き起こされていると科学的に証明された今、地球温暖化への対応は今後に向けて大きなビジネスチャレンジと言えます。企業活動の中からCO2の排出を減らし、作られた製品の環境負荷をさげることは、企業のCSR(社会的責任:CSR:Corporate Social Responsibility、企業が社会に与える影響に責任を持ち、社会の持続的発展のために貢献する考え方、またそのような考え方に基づいて実践される諸活動。)を果たすことです。企業に求められるものは、生産活動を効率よくするだけではなく、バリューチェーン(価値連鎖:企業活動を、最終的に顧客に提供する製品やサービスに価値を付加していく工程を連鎖としてとらえたもの。)全体を通じた排出削減の取り組みを行っていくことです。非持続的消費活動と非持続的生産活動が自然環境の劣化を招くものと受け止め環境に対する企業の責任を見直すことが大切です。
  パリ協定が発効した今、温室効果ガスの排出量ゼロを目指す脱炭素社会が全世界的な長期目標となりました。温暖化問題への取り組みは、CO2の削減とエネルギー問題の二つが考えられます。企業を支えているエネルギーの在り方を見直す良いチャンスです。CO2削減をアピールするため、発展途上国などのCO2削減プロジェクトに投資して、その削減分によって自らの企業活動による排出分を相殺する「カーボンオフセット」や企業努力で排出削減をぎりぎりまで行った後、残った排出分のクレジットを購入することで相殺し、排出ゼロにする「カーボンニュートラル」を行っている企業もあります。エネルギー問題では、石油、石炭など化石燃料の削減、クリーンエネルギーへ代替など、企業は真に、CO2排出削減につながり、持続可能エネルギーの開発に役立つ取り組みを行なっているかが重要です。
          政府レベルでの温暖化対策が停滞する中、企業全体では温室効果ガス排出削減に取り組む姿勢が高まっています。温暖化問題に積極的に取り組み、長期的な視点に立ち、再生可能エネルギーなどを中心とした温暖化防止策を取っているかが問われています。これからは、省エネ対策や化石燃料に頼らない新エネルギーの開発や研究などを行うことで地球温暖化防止対策は一層進展していきます。