日本ガイシのガソリンエンジン排ガス浄化用セラミックスと将来

2017年 10月 27日

日本ガイシはセラミックスを素材とする製品の1大メーカーです。
中でも現在広く普及しているのがガソリン車の排ガス浄化用のセラミックスです。
セラミックスでできたハニカム構造をした排ガス浄化媒体です。
三元触媒・三元触媒コンバータなどとも呼ばれています。
三元触媒とはその名の通り炭化水素HC・一酸化炭素CO・窒素酸化物NOxのうちの炭化水素・一酸化炭素を酸化、
窒素酸化物の還元をも同時に行う触媒です。
日本ガイシが産んだ触媒用セラミック担体はハニセラムといいます。
日本ガイシは累計約7億個以上のハニセラムを生産し世界に供給しています。
この極めて優れた三元触媒は世界中のガソリン車に多く搭載されています。

EV電気自動車が世界で普及していくことになるとこの優れたセラミックス技術の三元触媒の行方はどうなってくるのでしょうか。EV電気自動車が広まることによってやや日陰になるメーカーは多く出てくるのではないかと心配になります。

パソコンがHDDからSSDに記録媒体が入れ替えられてきたり、自動車のATがCVTになったり、製造の世界では新技術による新製品によって使われるものが入れ替わってきています。ガソリン車は電気とガソリンのハイブリッド車製品で延命を果たすことができてきました。しかし2020年前後から向こうの未来には燃料が変わり車の世界も大転換をしていく潮の変わり目がやってくるのではないでしょうか。

インドが2030年までに販売する自動車をEV化する、フランス・イギリスが2040年のガソリン・ディーゼル車の販売禁止するという未来を見据えているように2020年の東京オリンピック、東京を意識して仕事をする方も多いでしょうが、日本もむしろ2020年からその先に日本メーカーの生き残りのための仕事が今から必要になってきていると考えます。

日本ガイシはNAS電池や浄水器、電子電気機器用セラミックス、半導体製造装置用セラミックスなど他の分野にもセラミックスを生かした非常に良い製品を開発しているので安泰なのではないかと考えます。
ただ2020年より先の未来の仕事を考える必要はあると考えます。
ガソリン車が電気自動車に交代させる政策をとる国もあり、三元触媒ももちろん影響を受けていくことになると考えます。