コンピュータとは、そもそも何だろう?

2016年 5月 10日

電子基盤
いま一般的に普及している「コンピュータ」と呼ばれる道具の
基礎理論になっている「二進法」は、ドイツの哲学者ライプニッツ(1646-1717)によって
考案されたものだそうです。

コンピュータは基本的に、この「二進法」によって構成されています。
でも、それは一体どういった物なのでしょうか?

:二進法(コンピュータの基礎理論)の誕生。
西暦1701年、布教活動中のライプニッツ氏は清国に派遣されていた
宣教師フーヴェから朱子の『周易本義』を贈られました。
その中に記されていた陰陽説「六十四卦の図」
(いわゆる占いの「易経」で知られる、「八卦図」の事)
を見て、研究中であった二進法の概念が二千年以上も前に存在していることを知り、
大変、感銘を受けたとのエピソードが伝えられているそうです。
ですがライプニッツの「1か0か」という二進法と、東洋の陰陽説とは発想の視点が全く異なります。
それは、フランスの哲学者デカルト(1596-1650)が提唱した
二元論の「二分法思考」と陰陽説の「相補性思考」によって大別されます。
二分法思考は、この世界に存在する物は全て2つ(0か1)に分類できるという考え方です。
対して相補性思考は、0と1は表面的には異なる存在であるが、
互いの要素がそれぞれを補完し合う東洋思想の特徴である、
いわゆる「相互依存」という考え方をとっています。

コンピュータは二元論の、「0無い」「1有る」による二進数によって形成されていきました。
(現在、研究中の「量子コンピュータ」は「相補性思考」に近い理論で構成されていますが、
それはまた別の機会に記事にしたいと思います。)
こうして、世界初のコンピュータ(電子計算機)「エニアック」が、誕生したのです。

小学生の時、教科書に写真が載っていて感動した「エニアック」(-ウィキペディアより一部、抜粋-)
ENIAC(エニアック):アメリカで開発された黎明期の電子計算機(コンピュータ)
チューリング完全でディジタル式だがプログラム内蔵方式とするにはプログラムのため
メモリがごくわずかで、パッチパネルによるプログラミングは煩雑ではあったものの、
必ずしも専用計算機ではなく広範囲の計算問題を解くことができた。

性能:主にアメリカ陸軍の弾道研究室での砲撃射表の、計算向けに設計された。
1946年に発表されたとき、報道では「巨大頭脳」(Giant Brain) と称された。
当時の電気機械式計算機に比べて千倍の計算速度だった。
その演算能力と汎用プログラム能力に科学者や実業家は興奮した。

規模:17,468本の真空管、7,200個のダイオード、1,500個のリレー、70,000個の抵抗器、
10,000個のコンデンサ等で構成されていた。
人手ではんだ付けされた箇所は約500万に及ぶ。幅30m、高さ2.4m、奥行き0.9m、総重量27トンと大掛かりな装置で
設置には倉庫1個分のスペース(167m2)を要した。消費電力は150kW。
そのため、ENIACの電源を入れるとフィラデルフィア中の明かりが一瞬暗くなったという噂が生まれた。
入出力にはIBMのパンチカード(読み取り装置とパンチ)を使用可能だった。
出力されたパンチカードをIBMのタビュレーティングマシン(IBM 405 など)に読み込ませて印字することができる。

現在のコンピュータは二進法で計算を行うものがほとんどだが、ENIACは内部構造に十進法を採用した。
1桁の十進数を格納するのに、10ビットのリングカウンタ(英語版)を使用しており、
1桁の記憶に36本の真空管を必要とする。そのうち10本は双三極管で、フリップフロップでリングカウンタを構成している。
演算は、リングカウンタが入力パルスをカウントする形で行われ
(リングカウンタのビット列は二進数を表しているのではなく、”1″の個数がその桁の値である)
あふれるとキャリーパルスを発生する。これは機械式計算機で数を表す歯車を電子的にエミュレートしたものである。
全部で20の10桁のアキュムレータがあり、10の補数表現で負の値を表し、毎秒5,000回の加減算を行える。
複数のアキュムレータを接続して同時並行的に動作させることができるので、最高性能はさらに高い。

私見:それまでにも、既にコンピュータは存在していたのですが、主に軍事用に使用されていた為、
その存在は極秘とされてきました。したがって一般的にはENIACが、「世界最初のコンピュータ」
認識されることが多いのです。(実際、この文章を書いている私自身、そう思っていました)
さらに驚いたのは、「十進法」と言う単語が出てきた事です。十進法?いったい、何なんだ・・・?
(つづく)