「畳」も時代と共に進化してきています。

2015年 11月 24日

f8f7e87577446c1f4270fb6bec0c01a1_s
フローリングの快適な住まいに慣れても「畳」が恋しい…やっぱり日本人ですね
時代劇でも、板の間に畳を置いて「お殿様(大将)」が鎮座している様を見たことがあるでしょう。
身分の低い者は板の間、偉い人は「畳」ということだったんでしょうね。

たたみは「いぐさ」や「わら」などでできています、天然の材料による効果も期待できるものです。
いぐさは湿地域に生えているイグサ科の植物です、茎は吸い上げがよく「灯明」や「和ろうそく」の芯に使用されています。
また、抗菌作用(サルモネラ菌や黄色ブドウ球菌、O157などの菌やハウスダストにも効果があります)や、リラックス効果もあります。
森林浴の際に効果のある「フィトンチット」と同じような成分が出ているそうです。
畳の部屋には独特の香りがありますがこれがリラックスできる香りでもあります。
ある程度のクッション性もあるので防音効果も発揮されます。

*** 畳の作り方…
大雑把ではありますが畳の製造の流れをみてみましょう、地方によってまたは職人さんによって工程が違っている場合もあります。
また、「縁なし」や「木の板を使用して縁を縫って固定したり」と使う材料にも違いがあります。
15110701
・「いぐさ」の茎を使用して編んだ “畳表(ござ)” を作ります。
・畳の芯(畳板)を「わら」や「発泡スチロール」などを使用してサイズに合わせて作ります。
・畳板にいぐさでできた畳表をかぶせて固定します。
・短い辺の部分は折り返して麻の糸などで縫って固定していきます。
・辺の長い側のはみ出た部分はカットして「縁」を縫い付けていきます。

また、以下のようにサイズの概念が違っている、生活様式によって変化したものもあります。

*** 大きさの違いは地域の違い?…
関西と関東では畳のサイズが違いますし、最近では “団地・マンションサイズ” ともいわれるものもあります。

各サイズの違いとして…
関西方面では「京間」といわれ、185×92.5(cm)
東海地方では、182×91(cm)
関東方面では「江戸間」といわれ、176×85(cm)
集合住宅などでは170×85(cm)
というように大きさが違っています。

これは部屋の広さに対して畳の大きさを決めるという捉え方と、畳の大きさに対して部屋の広さを合わせるという捉え方との違いだといわれています。
尺貫法での採寸も現代ではなかなか分かりづらいこともあります。
DIYで自宅部屋の改造・改装時にはイメージに合わせやすいサイズのもので、軽く、安価に販売されているものが重宝します。
使用されている材料もそれに合わせたものが使用されています、”わら”プラス”たたみボード”などで作られているものが主流となっています。
「畳表」+「たたみボード」+「発砲スチロール」+「たたみボード」などと組み合わせることで安価に「わら製たたみ」の代用として使用できるものが多くあります。
※ たたみボード:木材を繊維化させた「たたみ板」で生産性が高く品質も安定しています

いまや畳はサイズもいろいろ、持ち運びに便利な軽い材質のものや安価にホームセンターでも買える「たたみマット」などもあります。
さらに「いぐさ」は粉末にして麺類に入れたりと食用にもなります、食物繊維が非常に多くダントツの成績をほこっています。