レーザー加工の主な方法について

2015年 9月 29日

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新しい=”キレイ”ではなく、精緻な加工技術の成果によるものではないでしょうか

レーザーを使用した加工という技術はもう定着しています。
厚さのあるもの、素材の違い、仕上げ方の違いなどによる加工方法(設定など)も違ってきます。

先日、身内の新しい車の内部を拝見する機会がありました。
「さすが最近のクルマはLEDだのなんだのとキレイだなぁ。」と、思っていたらそればかりではなく使用されている各部品のクオリティーの向上も影響していることに気づきました。

*** キレイな加工作業…
電極などの確保のために表面の塗膜を「剥離」「溝加工」させる
刃物や型抜きよりも細く「切断」「バリの出ない加工」
クラックや削りかすの発生しない「穴あけ加工」

直接「刃」が接触するような方法ではないので加工部分以外への影響がはるかに少ない
※ ひび割れ、反り、変色、熱など
また、刃物とは違い「交換や研磨などのメンテナンス」が不要

出力のコントロールがしやすいので、一工程での加工でも複数個所に同レベルの加工ができる
ワークの切り替えや切りかすなどの除去といった作業が要らない

※ 複数箇所への穴あけ加工や細い形状への切断加工もワークの交換や設定も簡単に済みます

レーザー発信装置により出力された光源はミラーや光ファイバーなどを通じて集光器内で、窒素・CO2・酸素などのガスを使用して照射します。
切断加工などではCO2レーザーを使用します、この場合一点にレーザーの照射がされるので表面に熱による変質が起きるのも特徴です。
CO2レーザーの場合酸化が気になるポイントではあります、そのため窒素やアルゴンガスなどを使用することもあります。

また、YAGレーザーのような先端から全体に拡散していくような照射(放射)ができます、YAGレーザー・CO2レーザーともに同じような作業ができますが違いもあります。

*** CO2レーザーとYAGレーザーの主な違い
・CO2レーザーは「遠赤外線」とYAGレーザーは「赤外線」といったように波長が微妙に違います。
・CO2レーザーは「ガスレーザー」、YAGレーザーは”希土類(半導体)”といった「固体レーザー」という分け方もできます。

・CO2レーザーは伝達に反射を利用している構造なので装置が固定・大掛かりになってしまいがちです。
・YAGレーザーは「光ファイバー」を使用して照射できるので小回りがききます。

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塗膜の上部の塗膜に照射することで「下層塗装膜」や「下地塗装膜」などを精密に剥離させることができます。
印刷やスタンプでも同様な表示ができるのですが、
・印刷ムラやズレ
・かすれる、または剥がれる可能性がある
・曲面箇所や表面の材質により「精密な印刷には限界」がある
ただし、レーザーの導入は印刷機器よりもコスト面で大掛かりになってしまうこともあります。

モニターやメーターパネルへの表示で内外部のコンディションを把握できるご時勢ですが、ダッシュボード周りのイルミネーションはクッキリと目に付きやすくレイアウトされていると安心感も出てきます。