超音波を利用した特殊スピーカーの能力

2015年 6月 26日

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「見えなくても聞こえれば楽しめる」でも、大勢の中では聞き取りづらこともあります…
スピーカーより聞こえる情報もいろいろですが広い場所、特に屋外ではその内容を聞き取ることが難しいこともあります。
地域の防災スピーカーなどはある程度の間隔で配置されています。
伝える範囲が広域になるほど、お互いに反響し合って「何を言っているのかわからない」ということも多くなります。

限られた空間で複数のスピーカーからそれぞれが違ったアナウンスなどを行えば聞き取りにくくなるのも当然。
それに雑踏の騒音のなかではさらに聞こうと思っても邪魔されてしまいます。

*** 超音波を使用すること…
超音波スピーカー(パラメトリックスピーカー)・・・「一定の範囲」「一定の方向」に聞こえるものです。
スピーカーといっても小さな放射板でできるので省スペース化も可能です。

可聴域の情報は、他のさまざまな情報にかき消されてしまうことが多いものです。(先ほどの防災スピーカーのように)
仕組みとして、可聴域の情報に超音波の力を利用して運んでもらうというカンジです。
可聴域を超えた超音波はストレートに進む性質を持っています。(高音になればこういう指向性を持つそうです)
超音波の波長域の前後に可聴域の音(情報)を運んでもらうのです。

超音波自体は可聴域ではありませんので聞こえません、この超音波につれて来られた情報は超音波と一緒にまっすぐ進んできます。
また、可聴域の情報と超音波の照射の交わったポイントで聞こえるようにもできます。
たとえば言語の異なる解説をピンポイントで行う、壁に反射させてその先にいる人にのみ情報を届けるなどが可能となります。

ですから、病院や工場などといった周囲の騒音の中にいる特定の場所・人へと音(情報)を伝える手段として活用できるのはたいへん有用なことです。
耳の不自由な方(聞こえづらい方)、我が家でも課題のテレビの音声などが聞きづらい時には便利ではないでしょうか。
しかも聞きたい人にのみ聞こえる技術として開発されています。

*** コントロールすることができるか…
また近年では音響兵器といった活用もされています、これは殺傷が目的ではなくあくまでも相手(集団)の戦意喪失を目的としたものです。
特定のエリアへの運用ができることで、デモや暴徒化した集団への制圧に効果があるとされています。
※ 中東の軍事紛争、海外での海賊対策、日本では船舶の航行妨害阻止での効果あり

これは、音圧によるストレスで平衡感覚へ影響を与えることで効果が出るそうです。
長時間にわたる照射は人体への影響もありますので、短時間での照射を繰り返すなどしてダメージを与える方法がとられます。
(低い音圧では細胞内への影響はわずかだったのに対し、音圧が大きくなると細胞レベル(細胞壁など)への影響を受けることもあります。)

軍事目的ではミサイルや魚雷など「目標の撹乱」「自爆」などの制御も可能になっているようです。
「エイ!!」と叫ぶだけで敵がダメージを受けるといったヒーロー番組がありました。
「音を」または、「音で」コントロールするということがもう可能になっているんですね。