千葉大、球状物から平面に戻せるペーパークラフト開発

2014年 1月 24日

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千葉大学の伊藤智義教授と中山弘敬特任研究員は、地球儀のような球状の立体物を組み立てた後、つぶして平面に戻せるペーパークラフトを開発しました。

何度でも形を再現できるため、壊さずに持ち運んだり、保管時に省スペース化したりできるものです。
これまで曲面を持つ立体物は一度組み立てると平面に戻すことが難しいものでした。
科学館や企業などとの連携を進めて、包装や教材などへの応用を視野に入れて年内の商品化を目指すという。

開発した技術で作製した飛び出す絵本は、地球儀を模型にして閉じている時は平面だが開くと地球儀の球体が現れるもの。

作りたい多面体をコンピューターグラフィックス(CG)でデザインし、複数の展開図に分けて紙に印刷する。
これらのパーツを切って貼り合わせれば目的の立体物が完成します。
この上下の頂点を引っ張ると立体になりつぶせば平面になる。
それぞれのパーツの展開図を印刷して型抜きするだけなので量産しやすい特長があります。

紙以外にも樹脂フィルムのような薄くて柔軟性のある素材であればこの手法を利用できます。
例えば地球儀の場合、球を上半分と下半分に分けてそれぞれの展開図を作製、計4枚のパーツができる。
二つの半球を作った後にこれらを接着すると地球儀が完成する仕組みです。
CGで作製した色や模様などのデザインは展開図に反映され、組み立ててから着色する必要がなく、球以外にも卵型や円すい、三角すいなど、組み立てられる形状の自由度が高いうえ、精度が高く従来よりも曲面が滑らかな点が特徴です。