UV印刷
2025年6月24日

UV印刷「紫外線(UV=Ultraviolet)」を使ってインクを瞬時に硬化・定着させる印刷方式のことです。以下にその特徴やメリット・デメリットを簡潔にまとめます。
■ UV印刷の仕組み
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UVインクを素材の上に塗布
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UVランプ(紫外線)で即座にインクを硬化させる
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乾燥時間が不要で、すぐに次の工程へ進行可能

■ 特長・メリット
| 特長 | 説明 |
|---|---|
| 即乾燥 | 紫外線で瞬時に硬化するため、乾燥待ちが不要 |
| 幅広い素材に印刷可能 | 紙だけでなく、アクリル・ガラス・金属・木材・プラスチックなどにも対応 |
| 高精細な仕上がり | 滲みが少なく、細かい文字や写真も鮮明 |
| 耐候性・耐水性が高い | 紫外線や水にも強く、屋外用途に適する |
| 白インク印刷が可能 | カラーベースが濃い素材にも印刷可能 |

■ デメリット
| デメリット | 説明 |
|---|---|
| 機材コストが高い | 専用プリンターやUVランプなど、初期導入費が高め |
| インクがやや高価 | 一般的な水性・油性インクよりもコストがかかる |
| 特定素材では密着不良の可能性 | 表面処理が必要な素材もある(例:ツルツルした金属やPP) |

■ 主な用途
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アクリル銘板やPOPディスプレイ
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工業用のネームプレート
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スマホケース・キーホルダー
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ガラス・木材製品への直接印刷
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少ロットのオンデマンド印刷

■ 印刷方式の比較表
| 項目 | UV印刷 | シルク印刷(スクリーン印刷) | インクジェット印刷 |
|---|---|---|---|
| 印刷方式 | 紫外線でインクを即硬化させる | メッシュスクリーンを通して印刷 | ノズルからインクを吹き付ける |
| 素材対応性 | ◎ アクリル・ガラス・金属など幅広い | ◎ 紙・布・金属・プラスチックなど対応 | △ 主に紙や限定的な素材 |
| 小ロット対応 | ◎ 1個からでも対応可能 | △ 版の作成が必要(ロット向き) | ◎ 小ロット・可変データも得意 |
| 印刷精度(画質) | ◎ 高精細で写真も鮮明 | △ 網点印刷のため細かい表現は苦手 | ○ 写真も印刷可能(画質は中程度) |
| インクの耐久性 | ◎ 耐水・耐候性が高い | ◎ 耐久性・耐摩耗性が高い | △ 水や摩擦に弱いことがある |
| コスト(少量) | △ 初期投資が必要 | × 版代がかかるため高コスト | ◎ 比較的安価 |
| コスト(大量) | ○ 中ロット向き | ◎ 大量生産でコスト低下 | △ コストメリットが出にくい |
| 白インク対応 | ◎ 対応可能 | △ 一部対応可(特別な設備が必要) | △ 一部対応可 |
| 環境対応 | △ UVインクにVOC成分を含むことも | △ 使用インクによる | ○ 水性インクなど環境配慮型あり |

■ 各方式の向いている用途例
| 印刷方式 | 向いている用途例 |
|---|---|
| UV印刷 | アクリルプレート、スマホケース、インテリア雑貨、小ロット銘板など |
| シルク印刷 | 大量生産の工業用銘板、Tシャツ、パッケージ印刷など |
| インクジェット | ポスター、写真プリント、試作、事務用ラベルなど |
