インクジェット印刷の原理
2025年3月6日
インクジェット印刷の原理は、液体インクを微細なノズルから紙やその他の素材に直接噴射して印刷を行う技術です。大きく分けて ドロップ・オン・デマンド(DOD: Drop on Demand) と 連続噴射(CIJ: Continuous Inkjet) の2つの方式があります。
1. ドロップ・オン・デマンド(DOD)方式
必要な時にだけインクを噴射する方式で、家庭用やオフィス用のインクジェットプリンターに多く使われます。
DOD方式には ピエゾ方式 と サーマル方式 の2つがあります。
(1) ピエゾ方式(Piezoelectric Inkjet)
- 圧電素子(ピエゾ素子)を利用し、電圧をかけて変形させることでインクを押し出す。
- インクの種類が多様で、耐久性が高く、商業印刷や産業用途(産業用ロボットと組み合わせた印刷装置など)で多用される。
(2) サーマル方式(Thermal Inkjet)
- ヒーターを使い、一時的にインクを加熱し気泡を発生させ、その膨張圧でインクを押し出す。
- 一般的な家庭用やオフィス用プリンター(HPやCanonなど)で使用される。
2. 連続噴射(CIJ: Continuous Inkjet)方式
- インクを連続的に噴射し、不要な部分を電極で偏向させて回収する方式。
- 高速印刷が可能で、産業用途(食品パッケージ、製造ラインの印字など)でよく使われる。
まとめ
方式 | 特徴 | 用途 |
---|---|---|
ピエゾ方式 | 圧電素子でインクを押し出す。インクの自由度が高い。 | 商業印刷、産業用プリンター |
サーマル方式 | 熱でインクを気化・膨張させて噴射。 | 家庭用、オフィス用プリンター |
連続噴射(CIJ) | インクを連続噴射し、電極で制御。高速印刷向き。 | 工業用マーキング、製造ライン |
産業用ロボットと組み合わせることで、精密なパターン印刷や製造ラインでの高速印字が可能になります。
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