紫外線による「劣化」のしくみ
2015年10月6日
近年の猛暑は”日差しの強烈さ”を物語っています。
人間にとっても大きなダメージですが、日光によるいろいろなモノへの影響も深刻です。
*** 劣化の主な要因として…
摩擦・摩耗・振動・衝撃、水濡れ、乾燥、薬剤(酸・アルカリなど)によるもの、紫外線など挙げればきりがありません。
使用年数(作られてから)・使用頻度によるものや使用環境(場所・使用方法)によるものもあります。
日常生活でも特に樹脂製品は生活の中で多く活躍しているだけに、劣化の影響を受けやすくその影響を受けることも多々あります。
(間違った、乱暴な取り扱いによる損傷や破壊(破損)は除く)
*** 機器類の配線や設置の作業補助をした際に体験したこと…
結束バンドは屋外作業には「カーボンブラック」を使用した”黒い結束バンド”を使用します。
材料に「カーボンブラック=炭素微粒子」を使用することで紫外線の影響を抑えることができるのです。
結束バンドは主に「白い」ものがホームセンターなどでも入手しやすく、サイズのバリエーションも多く販売されています。
ナイロンやポリプロピレンなどが主な材料で、取り扱いやすくしなやかな柔軟性があリます。
ただし調子に乗って「引っ張りすぎる」とちぎれてしまう面もあります。
屋外で上記の「黒い結束バンド」と「白い結束バンド」を同時期に結束設置し、1年以上経た場面を見てその差を実感した事があります。
農作業(小さな手製のハウス)で必要な機器類や装置を設置する際に、支柱への設置・水濡れによる”サビ”の影響などを考慮して金具での固定ができない場所があるということで、全てではありませんが「結束バンド」を使用して配線・配管の固定などをしました。
本当に「黒い結束バンド」は劣化の具合をあまり感じさせない状態でしたが、「白い結束バンド」は指でつまんで少し揺らしただけで自分から弾けるようにちぎれてしまうような状態でした。
ちぎれた断面は刃物(ニッパーやカッター)で切ったようなつぶれた箇所はなく「キレイな断面」でした。
これは樹脂製品の構造(構成?)にあるということが分かりました。
連鎖(連なった)分子構造の継ぎ手のような部分が紫外線によって徐々に影響を受けて壊されていくものです。
新品の「白い結束バンド」はまさに”白色”なのですが、劣化するとベージュのような色合いになってしまいました。
屋外での直射日光での紫外線ダメージを「100」とすると、直射を避けた窓辺や蛍光灯の元では「1~2」程度ではありますが影響を受けています。
他にも「出しっ放しのゴムホース」をしばらくぶりに素手で触ると “ベタベタ” というコトありませんか?
これも紫外線による劣化などで成分中の油分が表面に染み出てきている状態です。
プラスチックよりもゴム製品にこの症状が出るので要注意です。
紫外線による劣化は「変色・変形」「割れる」「ベタつく」といろいろな悪さもしてきます。