海苔の不漁対策

2018年 6月 12日


TVで見た海苔の不漁、色落ち対策について
川から沿岸に流れてくる栄養・栄養塩が不足してきたことが原因で、淡路島沿岸の海苔が色落ちして不漁になったそうです。
この問題に直面した地元の漁業関係者の方たちは淡路島にあるため池に目を付けました。
ため池には栄養塩の入った腐葉土の泥が底にたまっているからです。
このため池の泥を海に向かって流れている川に流し込むことを考え出しました。
沿岸の海の栄養・栄養塩を補う対策は海苔の色落ちに悩む漁業関係者の助けになるそうです。
そしてため池の腐葉土の泥をさらって川に流し込むことで池のメンテナンスにもなり、農業関係の方にもメリットがありました。
ということで農業関係者の方の許しを得て、漁業関係者の方たちがため池にたまった池の底の腐葉土の泥を海に向かって川に流し込んでみた結果、見事に海苔が黒く育って良い結果が得られました。

このことは、川から海に流れ出す栄養・栄養塩がいかに沿岸の海の環境にとって大事かということを知らされる結果となりました。栄養・栄養塩が沿岸の海の環境に必要と一言で言っても科学的にはたくさんの問題や課題があると想像されます。

筆者は以前にも、沿岸の海辺の環境についてとり上げた記事を書きました。
科学的に・具体的に、川や河口や沿岸の海をどう環境整備すればよいかは現在抱えている大きな地域の問題の1つであると筆者は考えています。
川、河口、海の環境保全・環境つくりの答えはそれぞれの地域・地方によってそれぞれに導き出されてくる答えがあり、答えはさまざまで1つではないと考えます。いろいろな側面の答えがあるかと考えられます。

農業や漁業で生活している人たちはその本業でなんとか生計をたてて生活していかなければなりません。
川、河口、沿岸の海のよりよい環境をつくりだしていくには、さまざまな第三者的な科学的な専門家や研究者の方の協力も必要であると考えます。
上記の淡路島の海苔の不漁対策は海苔の漁業の当事者の方たち主導で農業関係の方の協力もあって実現したものです。
しかし、農業や漁業の当事者の方たちだけではどうしようもない場合には、当事者の方たちだけではなく国や自治体・研究機関が科学的に分析したり・サポートしたりしてあげることが必要になることも多くあるのでないかと考えています。
日本国内でもそれは多くの場所であると考えます。