バイオ燃料の切り札!藻類燃料。

2017年 4月 7日

燃料

日本はよく地下資源がない国と言われます。
ゼロではないにせよ確かに石油などの資源はあまり存在しません。
では無いなら作ればいいじゃないかと言わんばかりの画期的な研究が日本の鹿児島で行われています。

それは次世代のバイオ燃料の1つに藻を利用する取り組みです。
この取り組みを行っているのは、
NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が実施する「戦略的次世代バイオマスエネルギー利用技術開発事業」の一環です。

バイオ燃料に使う藻は神戸大学の榎本平教授が発見した榎本藻と呼ばれる油分を多く含む藻を用います。
この榎本藻は乾燥すると約50パーセントが燃料になります。
特徴はこれだけではありません。
特筆すべきはその増殖率の高さです。
同種の藻と比べ約1000倍という驚異的な速度で増殖する性質があり、
太陽の光と二酸化炭素による光合成で1個体からひと月で4000個体になると言われています。

現在バイオ燃料と言えばトウモロコシやサトウキビなどから作られています。
しかし食料になるものを何故に燃料にするのかなどの批判の声が挙がっているのも確かです。
これに対して榎本藻ならば食料の生活活動を阻害する心配はありません。
また一度培養設備を作ってしまえば太陽の光と二酸化炭素だけで量産が可能なのもポイントが高いです。

しかし製品化のためにはまだまだ問題が山積みです。
現在この榎本藻を使って燃料を供給する場合1?500円前後と高額な燃料になっています。
もの栽培には大量の水を使用します。
その関連処理施設や投与する栄養分に含まれる窒素やリン酸などの下水処理が必要です。
どれだけ藻類バイオ燃料が環境にやさしくてもコストが高ければ普及しません。
またプラントも全国どこでも設置できるわけではありません。
藻の生育に適した気候条件、たとえば気温が30度程度や日照時間が長いことなどがあげられます。

しかしながらこの藻類バイオ燃料は確かに私たちの未来を明るくする1つの要素であることは間違いないでしょう。