「カビ」は私たちの味方になってくれる?

2015年 4月 10日

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わたしたちの毎日食べている「日本食」は海外の方たちにすれば「ヘルシー」な食事だそうですね。
最近では「日本酒」の人気も大変好調だということです。

日本では特に「酒」「味噌」「しょうゆ」などといった “発酵食品” が多くとり入れられています。
発酵食品などの製造に欠かせないものに「カビ」があります。

家庭内に限っては「カビ」というと(あくまでも印象として)「あまりよろしくない」感じがしてしまいます。
パンやお餅にカビが生える、水周りの場所にカビが生えるなどちょっと面倒なトコロが印象に強いからでしょうか。

では、食品にカビ菌の力を利用したものがありますが、どうして安全に口に入れられるのでしょうか?

*** カビの正体を知りましょう…
「カビ(真菌ともいいます)」は、大きさ約5マイクロメートル。
ウィルスや細菌よりも大きく、菌糸により成長・分裂増殖していく微生物でもあります。

「細菌」は、大きさ約1マイクロメートル。
細胞分裂による「自己増殖」を繰り返していきます、人間の細胞を破壊したり、成長過程に「毒素」を排出します。

「ウィルス」は、大きさ約50ナノメートル。
特徴として自身で成長する能力はありません、細胞に侵入をして成長・増殖をしていきます。

※ 細菌とカビには細胞膜があるためその細胞膜を破壊することで、除去・治療・増殖を食い止めることができます。
ウィルス自体には細胞膜が無いのですが侵入(寄生)した細胞内にいる状態ですので、直接ウィルスへの攻撃をする方法か体内の免疫力の向上をして改善するといった治療方法がとられています。

*** 食品への利用と安全性…
カビにはいくつか種類(アオカビ・クロカビ・コウジカビなど)があります。
このカビを利用して作られる食品も多く、「チーズ」「鰹節」「味噌・しょうゆ」など生活には欠かせないものばかりです。

カビは成長する段階で酵素を出します、酵素は食品の成分にいろいろと作用します。

「鰹節」でカビの有用性を見てみましょう…
とっても堅い鰹節の製造には乾燥という工程が不可欠になります、鰹節にカビを付着させることで芯から水分を吸収・乾燥を促進させることができます。
また、たんぱく質分解能力を持った酵素が発生するため「うまみ成分(イノシン酸・グルタミン酸)」が豊富になります、さらに酵素の働きは「生臭さ」を取り除いてくれるため独特の良い香りが引き立つのです。

こういったカビによる作用は「日本酒造り」でも活かされています。
日本酒も製造過程で、カビによりお米の「でんぷん質」が「糖分」に変化して美味しくなるのです。

*** ちょっとカン違い…
自分は「納豆」もカビを利用していると思っていましたが、納豆は納豆菌という別の細菌の働きでできています。
園芸をやられる方ならご存知でしょうが「うどん粉病」もカビが原因で発生します。
何でも「菌」か「ウィルス」のせいにしてしまいますがいけませんね。