いろいろできる「スパッタリング」のメリットとは?

2015年 3月 27日

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たとえ同じ部品でも「メッキ処理」をしたものは “高級感” が出てきます。
さらに真空下での「蒸着」による表面処理もメッキによる処理に比べ薄い処理ができます。

また「スパッタリング」と呼ばれる処理技術も同じく表面の薄膜処理ができます。
どの処理技術も表面の「装飾」「保護」などの必要な効果には大きな違いはないようです。
しかしそれぞれの性能というものには違いがあるのは当然です。

*** 通常のメッキ処理では…
基材として銀や錫・亜鉛などの使用があり、それぞれ「腐食・酸化」によるダメージも出てきます。
対処としてトップコーティングをすることで、このダメージを軽減することができますが「層が厚く」なってしまいます。

*** メッキ層+トップコーティング層で厚くなってしまうと…
表面に施した装飾加工(ヘアライン加工や文字彫刻加工など)を活かしきることができない場合もあります。
キレイな光沢や素材の質感などを損なうこともあります。

*** 蒸着の特長…
真空下で加熱・蒸発(昇華)した「アルミ」や「金」「銀」などを表面に付着させる表面処理方法です。
薄く膜を形成できるので樹脂レンズなどの光学製品や電子部品からアルミ包装など幅広く活躍しています。

*** スパッタリングの特長
スパッタリングにはアーク溶接でも使用されている「Ar(アルゴン)ガス」を使用しています。
こちらも「蒸着」のような薄い膜を形成できるのですが、さらに大きな対象物にも均一の品質で施行できるものです。

方式にもいくつか種類があります、グロー放電(Arガスに高電圧を印加するもの)・マグネトロン(プラズマに作用されるもの)・イオンビーム式(対象物にイオンと試料を別の場所から照射するもの)などの方式もあり、それぞれに特長や注意点もあります。

*** 「蒸着」「スパッタリング」のポイント…
蒸着では蒸発させた材料の付着という膜の形成を経ていますが、スパッタリングはArガスによる誘導(?)による衝突で付着させるという方法で膜が形成されています。
※スパッタリングは蒸着に比べて約5倍の付着膜の強度があるとされています。

蒸着では膜の形成時に対象物との反応で組成に変化が送る場合もあります。
また形状が複雑になれば均一の膜形成が期待できない場合も稀に発生するそうです。

サングラスなどにはバリエーションも豊富な「カラーコーティング」「ミラー・ハーフミラー」などは大変キレイでキズもつきにくくなっています。
クルマ好きな方には「ホイル」をピカピカに処理できて、傷もつきにくいのでカッコ良さも長持ちするのでは?