魔法瓶の構造とその秘密

2014年 11月 7日

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寒い時期になるとお弁当をお持ちの方には「温かいご飯」は何よりの楽しみですよね。
今は素材や構造での技術の進歩によって軽量で保温効果も長持ちするものが増えています。

「魔法瓶」でお弁当から飲み物まで保温されていれば「温かくて(冷たくて)」「安全」に頂けますね。

魔法瓶とは…
内側にステンレスを使用したものや鏡面加工されたガラスの2重構造になっているものがほとんどです。
2重構造のあいだは「真空」になっています。(熱遮断材を間に挟んでいるものもあります)

ナゼ「真空」か?…
真空の状態では熱の伝導はほとんどありません、熱は分子の振動により発生(感じる)するものなので真空状態では熱の伝導は起きません。
しかし、光や赤外線などの分子に影響されたわずかな分子は「放射熱」として逃げてしまいます。
接触している部分があればそこから熱は移動してしまいますので、わずかでも離れている必要があります。

構成する素材の厚さも影響はあまりありません(魔法瓶に使用される程度の厚さ)、つまり厚くても薄くても効果は得られるのです。
コストや重量、接触の可能性を考慮すれば、規格のサイズ内で製造するなら厚い素材よりも薄い素材の方が良いですよね。

保温に必要な要素は「真空」だけでは無い…
みなさんも「放射熱」はご存知ですよね、温かいものを入れればその容器の外側まで熱は伝わって(電磁波によって)空気中へと移動してしまいます。
2重構造で直接接触していなくても、さらに真空で熱伝導は抑える事ができても「放射熱」として熱が移動してしまう事は避けられません。
これには「内側を鏡面加工しておく」ことで、放射熱として外に逃げてしまう熱を内側に反射させて熱の放射を抑える事ができます。
このように「熱伝導」と「放射熱」を抑えることで長時間の保温ができるのです。

JIS規格では「保温できる温度とその持続時間」を表示することになっています。
例:60度以上 (20時間以上)
  80度以上 (10時間)
と、いうように表示されていますので、ご自分の水筒やお弁当箱の性能も確認できますね。

「温かいもの」「冷たいもの」をタイミング良く口にすると「とてもうれしい」ものです。
とくに外で作業している身には両方ともホントに一息つけるきっかけになるものです。