潤滑油の役割

2014年 1月 21日

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潤滑油といえば機械の稼動時だけに留まらず、自動車のエンジンや家庭にも必要なモノです。

ただし潤滑油の概念には、熱の管理や切削時に使用される”機械油”も含まれている場合があります。

潤滑油を使用する事によって得られる効果。
○摩擦力や摩耗を減少させる。(耐摩耗性・減摩耗性など)
○摩擦による熱を緩和して、摩擦面の温度を下げて可動部分の焼付きを防止する。(油冷・保温)
○一点に集中しやすい荷重を周りに分散させる。(クッション・サスペンション)

機械等の潤滑に油が利用されるのは、分子量が大きくて水などに比べると粘度も高く皮膜自体が丈夫なので摩擦を軽減させるからです。
そのため電気的性質が中性で絶縁の性質も強いものが多い、金属の酸化による「錆」を発生しにくいという利点がある。

潤滑油は石油を蒸留,精製などの処理し,各種添加剤を加えて適切な性能をもたせた石油系鉱物油が主に用いられる。
おもに石油系の鉱油を原料としてつくられるが,ほかに動植物油系の製品や合成化学的製品もある。

○鉱物性合成油
シリコーン油は性能が安定しているので汎用性が高い。

○植物性
ヒマシ油は粘性が高く、菜種油は食用油で有名ですが潤滑にも使われます。

○動物性
マッコウクジラの油は極寒の環境下でも硬化しにくいので、性能の良い合成油ができるまでは潤滑油としての需要がありました。

特に機械装置内を循環して潤滑する場合は長期間その性能が変わらないことが求められます、
それには酸化に強く温度変化による粘性の変化が少ないものが条件となる場合が多いのです。

しかし精密機械などでは潤滑油の粘度により支障をきたす場合もあります。
例えば時計の内部機構や光学製品のように高速で動く機構には、粘度の高い潤滑油の場合は動作の妨げとなってしまいます。