「食品」だからこそ必要なトレーサビリティからデザイン性までしっかりと表現できる印刷技術

2014年 10月 7日

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鮮度が命のスピーディさが必要な「食品」を扱う分野では情報というものはまさに命ですね。
目の前の食品を「トレーサビリティ」を駆使して生産者まで遡り情報を得る事ができるような時代です。

でも、デザイン性の向上にも印刷技術の進化は大きく影響しています。
子供さんの焼き菓子でも一つ一つに違う顔のキャラクターが印刷されています。
こういった技術は以前よりありましたが、最近のものはよりクッキリと描かれています。
またケーキなどでも写真を使用して印刷されたものが、注文をすれば近所のケーキ屋さんでも購入することができます。
(インクジェットプリンタの改良(改造)と食用インクの普及により、簡単にこういった技術を活用できるようになっています。)

またケーキなどデザートの上にフワッとかかっている粉末にも文字やキャラクターが描かれています。
食品上に印刷するのですから通常の印刷のようにプリンターのヘッド部品が直接触れるような事はしたくないものです。
また、食品は全て表面や形状が同じという条件ではありませんよね。
決まったデザイン(パターン)を大量に同じクオリティで印刷する技術もいくつかあります。

その中でも「静電スクリーン印刷」という技術をご紹介します。
粉末状の染料で平面にデザインしたイメージをそのままいろいろな形状の食品へと印刷できるものです。

簡単に仕組みを見てみましょう、まずスクリーンの上に粉末状の染料で絵を描いておきます。
高電圧をスクリーン上にかけます、反対にスクリーンと食品の間は静電界(電圧による変動の無い空間)にしておきます。
この状態のままスクリーン上の染料をブラシで押し出すと、高い電圧から一気に放電された状態と同じで(静電気のショックみたいに)染料が垂直方向へと移動し食品へと印刷される方法です。
これなら粉末状の材料でキレイなデザインを「一気に」「大きく」「連続して」印刷できるのです。

食品は「冷たい」「温かい」「硬い」「柔らかい」や、同じ製品でも個体差(形や大きさのバラツキなど)があります。
たくさん並んだ同じ商品の中でも「なるべくキレイなもの」を消費者も購入します、均一な仕上がりを可能にする技術が必要になってきますね。

鮮度や取扱いがデリケートな生鮮食品などは、パッケージの「QRコード」などから材料の産地や銘柄、生産者のデータ、アレルギー食品の使用などいろいろな情報を手にする事ができます。
例えば「卵」でしたら一個一個の殻に「消費期限など」の印字がされているものも多く流通しています。
生産から流通や管理まで消費者は情報に敏感です、「見た目」と「臭い」で鮮度を判断していた「昭和」のお母さんもビックリでしょうね。