軽くて丈夫なチタンの活躍

2014年 7月 29日

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チタンの特徴といえば「軽い」「強い」「錆びない」ですよね。
これは、チタン自体の酸化物が非常に安定した状態であるため強い耐食性を持つという事です。

空気中では不動態(表面に酸化被膜が付着した状態で、酸や溶剤などの影響から内部の金属を保護する)となるため、白金や金とほぼ同等の性能を持ち、室温でも酸などに対して高い耐食性を持ちます。
不動態という性質からジルコニウムにも近いとされています。

チタンは軽いと言ってもアルミには及びません、しかし鉄の3分の2ほどで銅の半分くらいの重さです。 
日ごろ台所で、鉄や銅やアルミ製の調理道具を使っているのではないでしょうか。
「鉄・銅・アルミ」と比べるとチタンは耐熱性は一番強く、剛性も鉄の2倍で耐酸性も高いと言われています。
同じ大きさの鍋でもチタン製の鍋は軽いので仕事がしやすいと料理人の方にも評判だそうです。

こういった耐酸性や耐腐食性などは化学工場のパイプやタンク、飛行機の機体材料にと活躍の場も多岐にわたります。
発電用のタービン周りでは、海水が冷却水として使用されるため熱にも腐食にも強いのは最適の材料です。

身近なものではアクセサリーもチタン製の物が多く出回っています。
汗で変色もせずアレルギー反応も起こりにくいので「ネックレス・ピアス・イヤリングなど」にも使われていますよね。

また、ニッケルとチタンの合金は「形状記憶合金」としても利用されています。
メガネのフレームもそういえばある程度ですが無理な扱いをしても元に戻りますよね。
医療用ではこの機能を活かして血管の詰まりを治療する医療器具やカテーテルを誘導するワイヤーなどにも使われています。
網筒状の「ステント」もありこれは血管や気道などの人体の管状の狭窄した患部で広がり、詰まりを防ぐ役割を果たします。
ステンレスなどの方が扱いやすいなど優れた面もあるそうですが、人体に使用するにはアレルギー反応の出にくいチタン(チタン合金)が主に使用されます。

工業製品からアクセサリー・医療分野へと応用の幅が広いチタンです、「お世話になってます」と言う方も多いかもしれませんね。