変圧器(トランス)の原理
2025年5月9日
変圧器の銘板例
アルミ板 サイズ63×80 厚み0.8 4-φ2.5 4-R2 黒 半艶
変圧器(トランス)の原理は、電磁誘導という物理現象に基づいています。以下に、その基本的な仕組みをわかりやすく説明します。
🔌 変圧器の原理:電磁誘導
1. 基本構造
変圧器は主に以下の3つの部分から成り立っています:
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一次コイル(一次側):入力電圧を受け取るコイル
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二次コイル(二次側):出力電圧を送り出すコイル
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鉄心(コア):磁束を効率よく伝えるための磁性体
2. 動作原理の流れ
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一次コイルに交流電流を流す
→ コイルの周囲に**交番磁界(変化する磁場)**が発生 -
鉄心を通して磁束が二次コイルにも伝わる
→ これは磁束が鉄心の中を通って閉じたループを形成するため -
電磁誘導により、二次コイルに電圧が発生
→ これを誘導電圧といい、交流であることが重要です
⚙️ 電圧の変化:巻き数比による
変圧器の出力電圧(V2V_2)と入力電圧(V1V_1)の比率は、コイルの**巻き数の比(N2/N1N_2/N_1)**によって決まります。
V2V1=N2N1\frac{V_2}{V_1} = \frac{N_2}{N_1}
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N1N_1:一次コイルの巻き数
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N2N_2:二次コイルの巻き数
たとえば:
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巻き数が2倍なら電圧も2倍(昇圧)
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巻き数が半分なら電圧も半分(降圧)
📌 注意点
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直流では動作しない
→ 直流は磁界が変化しないため、電磁誘導が起こらない -
効率が高い(95%以上)
→ ただし、鉄損(ヒステリシス損や渦電流損)や銅損(コイルの抵抗による損失)はある
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