作業の質と不良品の関係

2016年 1月 26日

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図面設計段階での寸法の誤差は材料によっても、工程によっても変わってきます。
工程を数多く経ていくうちに組みあがる「モノ自体」には大きな誤差となって現れてくるそうです。
金型から外したばかりの部品を測定すれば設計に適うものかもしれませんがそれでも「コンマいくつか」の誤差は出るはずです。
その誤差を後工程でカバーできるからこそ製品が完成していくわけです。

作業工程にはマニュアル通りではこなせない場面も出てきます。
そこで熟練された技術を持つ作業者を常に配置しておく必要が出てきます。

熟練作業者の方は、
・自分に任された作業工程の前後(全体までも)の工程も把握している。
・手にした物に対して、不良かどうかの判断や修正方法まで理解ができる。
・作業効率の高さ(作業スピード+品質など)を常に維持することができる。

例えば作業のスピードの速さだけなら、誰でもいくらでも速くできるはずです。
そのためなら品質は無視すればよいのです、不良になろうとカンケ―なくパパッとやればいいのです。
逆に品質重視のみに重点をおいていては、作業効率の面で問題アリかもしれませんね。
その判断を素早く付けられるかが熟練者との違いではないでしょうか。

それには作業者一人ひとりに不良の発生を認知しておいてもらう事が必要です。
担当者・責任者のみが現状を把握していても実際に作業をする側に伝わっていなければ意味がありません。
自分の作業パートで起きている問題に気付いていない作業者もいるかもしれません。

作業への「慣れ」=熟練・熟達だと勘違いしてはいませんか?
「慣れ」=自分のやりやすい作業方法やモノの扱い方をしがちです。

慣れて「速く」作業できるようになっても不良の発生が高かったら話になりませんからね。
指示通りに作業させるのではなく、作業者の意見を取り入れ最良の工程へと仕上げるのも「不良ゼロ」への考え方ですよね。