「ピアノ・ギター」音の反響の作用

2015年 11月 3日

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最近は真夏になると「フェス」といわれる音楽のイベントがアチコチで行われていて大勢の観客を動員して盛り上がっています。
こういった音楽の楽しみ方もありますが、家で静かに音楽を楽しんでいらっしゃる方も多いのでは?

*** 楽器の音色を楽しむ方…
今では音楽のジャンルもさまざまですが、やはりクラシック音楽などはファンも多くすべての音楽の根幹でもあります。
特にコアなファンの方は、同じ楽曲でもオーケストラや指揮者の違いや楽器の良さを聞き分けるそうですが…

今の楽器はアンプなどで音の増幅ができたりしますが、ベーシックな楽器はそういった機構はありません。
たとえば、ピアノやギターなどは弦の振動などを反響させて空気の振動により楽器全体から音を出しています。
これは楽器全体で音楽を奏でているということですが、一体どういったことなのでしょうか?

ピアノ・・・
鍵盤を押した際にてこの原理で動いた先にフェルトでできた「ハンマー」が弦を叩きます。
その弦は長さや太さにより音階を生み出します、その弦の振動は「駒」に伝わりさらに本体内の大きな「反響板」といわれる板を振動させピアノ本体から音色を奏でます。
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ギターやバイオリン・・・
ギターやバイオリンもピアノと同じく振動する弦の音色を楽器全体が増幅する方法で演奏されています。
ブリッジと呼ばれる弦の取り付け板の振動が楽器内の本体(表・裏)や側面などが共鳴して本体に開いている穴(サウンドホール)より増幅されて発生されます。

バイオリンには”f”の形の共鳴孔が開いています、知らない人はただの装飾だと思ってしまいます。
しかし16世紀のころからこの形状の孔が開いているのですが「なぜこのカタチ?」というのも疑問になります。

デザイン的に美しい、本体は木でできていますから「木目」に対しての強度的な効果も期待できる、発生する音の美しさや「魂柱」といわれる駒の設置のしやすさなどが挙げられています。

この「魂柱」とは木の柱を本体内に設置することで弦の共鳴をコントロールするような重要なパーツで、高音域から低音域のバランスをとったりする役目もあるそうです。
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弦だけでは音の大きさもそんなに大きくはないのですが、楽器全体からの共鳴(反響)による響きは現代のアンプのように効果的なのです。
ただ、その素材や固定位置などをしっかりと見極めなければその効果も期待できるものにはほど遠いものでしょう。

材料の良し悪しやそこからの製作、さらにその設置の位置決めや方法ですべてが変わってしまうのですからシビアなものです。
さらに「聞く方の耳が肥えている」とそのプレッシャーも大きいのでは?
でもそこが作り手(職人さん)側にしてみればやりがいのあるところでしょうね。