調理もできる「赤外線」の特徴

2015年 7月 28日

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炭火からの “遠赤外線効果” で外はカリッと中はふっくら出来上がります。
先日スーパーへ行ったとき香ばしい「焼き団子」の実演販売をしていたのですが香りが店内に漂い、奥の惣菜コーナーでガマンしきれず余分に商品を購入してしまいました。

赤外線を利用したものは一般家庭にも多くあります。
「暖房機器」「リモコン」「携帯機器類の通信」などにも赤外線を利用しています。

*** 赤外線の種類…
赤外線とは一般に言う「可視光線(380nm~780nm)」よりも大きな波長「780nm~1mmの範囲」をいいます。
(遠赤外線を超えると「マイクロ波(1mm~1m)」の領域となります、逆に小さな波長は「紫外線」です)

この「赤外線」も、 780nm~3μmを「近赤外線」、3μm~15μmを「中赤外線」、15μm~1mmを「遠赤外線」と呼びます。
※ 780nm~3μmを「赤外線」、3μm~1mmを「遠赤外線」とするわけ方もあります
携帯端末・スマホでも連絡先の交換には赤外線通信を使用します、これは約850~900nmの波長を使用しています。
ご家庭のテレビやエアコンのリモコンには約950nm付近の波長です。

*** 赤外線のメリット…
電気機器類での赤外線による加熱のメリットとして、
・管理がしやすい—出力の強弱・時間設定など、装置や出力の制御がしやすい
・エコ—燃料を燃やす仕組みではないので排ガスを発生しない、薬剤や溶剤なども使用しないので環境への影響が無い
・シンプル–構造がカンタンでコンパクトにまとめられるので機器類自体も「軽量・持ち運びがラク」

輻射熱として使用する「ヒーター」は、赤外線を照射することで「分子」が振動を起こし、それぞれがぶつかり合うことで「摩擦熱」が発生し、照射先のモノの”表面を加熱”することでスポット的な暖房(ヒーター)として使用されています。

ス-パーでは従業員の足元などに「ヒーター」を使用している店舗もあります、輻射熱は “店内の余分な温度上昇” も抑えられ “空気も汚れず”に済むのは良いですね

*** 便利なのがウリか?…
「遠赤外線」を使用した調理器では、焦げ目まで付くので見た目にも「美味しそう!!」ですし、メーカーによっては「近赤外線」も併せて利用することで、素材の中までも効率よく加熱することができるそうです。(これも波長の違いのできる「ワザ」でしょうか…。)

・ガス器具では「火気を使用する”直接的な加熱”」「バーナーでは約1700℃の高温になる」のがメリットではありますが…
 使用目的によっては(特に調理など)バーナーも目詰まりを起こしてしまって不完全燃焼を起こしたり、長時間の使用による炭化での発火も 危険です。

・遠赤外線を使用した機器類では「熱源より離れても”輻射熱で加熱”できる」「600℃くらいのエネルギーでも加熱調理できる」というメリ ットはあります…

ガスと同じ作業内容をこなせない(出力や性質)こともあり、暖房に使用する場合はコストが高くなることもある
※「室内の暖房=空気を暖める用途」としては期待できるものではありません。

塗料や接着剤の「固着」「安定」「乾燥」などに、また「赤外線カメラ」「センサー」としても使用されています。
「赤外線カメラ」は肉眼では確認できない状況下でも映像として撮影できるので「防犯システム」「ドライブレコーダー」「品質管理」「異物発見」などでも活躍しています。