「人工のイクラ」食べてみないと”ホンモノ”か分からない?ヒトによる食の進化。

2014年 11月 14日

db0af5370e9d6bfcf47f3c76c666ffb2_s
さすがにこぼれるくらい載っていると「贅沢」ですね。

テレビでは相変わらずグルメ番組が多いですね、「回転寿司」や「食べ放題」など…。
季節に合わせて「旬な味覚」の特集などもされています。

時期を選ばず手頃に楽しめるようになったのは助かります。
なかには “カニカマ”や”人工(人造)イクラ”、「無果汁」なのにオレンジジュースだとか人間の手で風味や食感を作りだしているものがあります。
こういった人工=人造もののおかげでコスト的にも安く、また「旬」という時期も関係なく供給できるようになりました。

おもな人工(人造)の食品など—

「人工イクラ」は海藻のネバネバエキスの一つ「アルギン酸ナトリウム」や「カラギーナン」から作られています。
ゼラチンのように粘性があるので「タレなどの調味料」「ゼリーなどデザート」にも使用されています。
これらに味付けや着色などをして、塩化カルシウム水溶液に滴下してゲル状に固まったものが「人工イクラ」となります。
一時期「激安回転寿司店」にはこの人工のイクラが使われていたようですが、今では安価な輸入モノが主流となっているようです。

「カニカマ」はスケトウダラを原料に本物のカニのエキスを使用して風味を出しています。
また形状もカニの肉の繊維状に作ることで見た目にもそれらしくできています。
なにやら「原材料にカニを使用していないのに商品名に”カニ”と表記できない」ということでスーパーなどに並んでいるもののパッケージには「カニ」とは表示されていません。(まぁ誤解のないようにするには仕方ないですね…)

また「本みりん」「みりん風調味料」など調味料でもこういった分け方があります。
「本みりん」は酒類ですので価格に違いが出ますが、原料はもち米や麹などでしっかりと熟成されています。
何より料理の出来上がりに違いが出ます、「照り」「うま味」はさすがです。
「みりん風調味料」は酒類ではないので手頃に購入できますし、それなりに「照り」や「うま味」も出ます。
アルコール分を1%未満に抑えて(酒税法では酒類にはならない)手頃で料理に使いやすくしたものが多く、原材料や製法はほぼ同じでも「水あめ・糖類・酸味料・着色料」などで本みりんに近付けたものなので料理の出来上がりにはやはり差がでるようです。

他にも「バター」の代用品として「マーガリン」なども有名ですよね。
また乳製品の代表格でもある「チーズ」も植物系の油脂から製造できます、乳製品アレルギーの方に喜ばれているそうです。
甘味料では砂糖の約200倍の糖度があるアミノ酸由来の人工甘味料「アステルパーム」もいろいろな製品に使用されています。

これらは原材料の高騰などによる “苦肉の策” という場合もありますし、コスト削減の代表格でもありますね。
ただコスト面を気にするあまり「偽装表示」などといった事件もあり、今では表示方法にもしっかりと規制が広まりました。
お店などでも「サイコロステーキには成型肉使用」などという表示も見かけるようになりました。

今では保育園児くらいの子が「トロ」とか「ウニ」とか口にします、「贅沢」なのか?「豊かになった」のか?
自分たちの頃にはそんなに「美味しいもの」無かったのに…。