「蜜蝋ペン」はみんなを笑顔にするマジックツール

2014年 10月 24日

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写真:触図筆ペンユニット、しっかりと持てる本体。描いた作品はその手触りで確かめられます。

老眼になってはじめてメガネをかけました…。
今までメガネを必要としていなかったのでそのつらさが少し分かったような気がします。
目が見えない方たちはもっともっと不自由な思いをされている事でしょう。

いま盲学校で蜜蝋を使用したペンで美術の授業をされているそうです。
自分の描いた絵や文字を触って確認できる仕組みで、道具の使い方次第で太い線や細かい表現などができるという事です。

東京都大田区の有限会社 安久工機はこのペンの開発をした会社です。
構造は円筒形のアルミをヒーターで熱して、蝋を溶かしてペン先から出すというもの。
ヒーターは適温である約70℃にキープされ、ヒーター部も断熱材でカバーしてヤケドしないように安全面も考慮されています。

蜜蝋で描いた絵や文字は20秒程で固まり、触って確認できます。
修正も可能で直したい部分を剥がせばOKでその蝋も再利用できるというスグレモノ。
紙・ガラス・プラスチックなどへの描画も可能ですから、平面に絵を描いたり大きな工作物にイラストを描いたりもできますね。
蜜蝋は自然のものですので口に入っても害は無く、耐久性も高いので思い出の絵を保存しておくこともできます。

蜜蝋とは…
蜜蝋とはミツバチの巣から作ったものです、「巣」自体が蜜蝋の材料です。(ハチミツは人間が頂いちゃいますね)
蜜蝋は働きバチから分泌される成分ですが、本来は透明ですが花粉などによって薄いオレンジ色になります。
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写真:蜜蝋

蜂の巣を鍋で煮て(お湯で)しばし待てば溶けてきます、これを漉して常温で上面が固まるのを待ってお湯を捨てれば蜜蝋が取れます。
蜂の巣の壁は薄くハニカム構造でコンパクトにできていますので、案外と大きな巣から作っても「えっ!これだけ?」というくらいしかできないということです。
2~3回は漉して、固めて、溶かして、漉して、固めてと繰り返せば品質の高い蜜蝋になります。
主に化粧品(クリーム・口紅など)の基材、ろうそく・ワックス・ろうけつ染めにも使用されています。
蝋を溶かす際に色素を加えればカラフルに絵が描けます。

町工場ならではのネットワークと技術力は「こんなの良いなぁ」をカタチにできる可能性があります。
求められているものを作り出せるのは、最高の職人さんがいるからこそ。
その高い技術でより豊かな創造力が発揮されて、素晴らしい世界が目の前に見えてくるのかもしれませんね。

有限会社安久工機様HP
折りたたみ式の「カラーコーン」は現場作業に行かれる方には省スペース化ができますね。

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