紙おむつ・高吸水性ポリマーについて

2016年 8月 9日

紙おむつ

紙おむつは現在の日本の普及率が9割以上です。
赤ちゃん・高齢者向けの製品が活躍しています。
高分子の研究、高分子の素材の開発によって1986年に高吸水ポリマーが紙おむつの吸水材として利用されはじめました。

紙おむつの構造
内側から表面材、内側の立体ギャザー、吸水材、防水材・外側のギャザー、外側の表面材といくつもの層でできています。

一般的な素材について
表面材・吸水材・防水材・止着材・伸縮材などがあります。
表面材、ポリオレフィン・ポリエステル不織布
吸水材、綿状パルプ・高分子吸水材・ポリオレフィン不織布
防水材、ポリオレフィンフィルム
止着剤、ポリオレフィン
伸縮材、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリウレタン不織布・スチレン系エラストマーフィルム
結合材、スチレン系エラストマー合成樹脂
ポリや合成樹脂、フィルムなどと高分子の素材が多く使われています。

吸水材、高吸水性ポリマーについて
ポリアクリル酸ナトリウムを顆粒状にしたものが多く使用されています。
構造的に吸水材の綿状パルプとポリオレフィン不織布に包まれているポリマー粉末です。
紙おむつの吸収材はこの綿状パルプ・ポリオレフィン不織布・ポリマー粉末の3つの素材で構成されています。
ポリマー粉末が水分を吸収してゲル状になります。
紙おむつからこの吸水材のポリマー粉末を取り出して透明なガラスのグラスに入れてそこに水を加えてみるとゲル状に膨らんで固まります。
この状態を膨潤といいます。
高吸水ポリマーは水で自重の100~1000倍、生理食塩水で自重の20~60倍も吸収します。
高吸水性ポリマーは立体的な網目状の構造です。
水が含まれていないときは絡み合って小さくなっています。
水が含まれるとこの網目構造の高吸水性ポリマーが膨らみゼリー状になって水は流れでません。
このような特性を活かして紙おむつの吸水材として高吸水性ポリマーが利用されています。
この高吸水性ポリマーは紙おむつの他に生理用品、ペットのトイレ、農業や園芸で使う土の保水剤や土木工事用の止水剤としても利用されています。