経験による仕上がり
2013年 10月 22日
どんな作業にも”慣れ”や”経験”が必要になってきます。
伝統的な工芸品でも製作には永年受け継がれた技や経験が必要になります。
塗装ならロボットが行う時代になりました、器用にスプレーガンで塗装を施し、クリア塗装で仕上げるのはお見事です。
しかし漆器など伝統工芸の製造過程では、漆を塗って・乾燥させ・ヤスリで凹凸を均して、
また漆を塗って・乾燥させ・ヤスリで凹凸を均し…を何度も繰り返すのです。
その仕上がりはまるで見ているこちらが吸い込まれそうな深いツヤと輝きが出ているのです。
確かに時間をかければ同じ仕上がりになるのかもしれませんが、
手触りによる修正や気候による状況判断は機械任せではできない仕事でしょう。
実際に機械加工した製品の仕上げを、職人による研磨作業に任せている大手ブランドもあります。
手触りと目での判断で研磨した鏡面仕上げは、世界でも認められる技術力の高さの証拠でしょう。
現在の技術ならキズや凹みは機械で判断して修正・加工できるのでしょうが、
塗装のムラやにじみなどという微妙な判断は人間の感覚でしか判別できないものでしょう。
そういった、クオリティーの高い仕上がりを求めるのならば最期は人間の感覚に頼るしかないのでしょうか。
