金属元素による炎色反応で何ができるか

2016年 4月 22日

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今では夏の「お祭り」「花火大会」だけでなく、「テーマパークやイベント」などで花火を季節に関係なく観賞することができます。
迫力のある「音」や、目が釘付けになる「色彩」に加え、打ち上げるタイミングなどの演出で観客をとりこにします。

*** 花火の色の鮮やかさ…
花火の色は火薬と一緒に金属の粉末を混ぜ合わせて、発火・爆発した際に反応して発色しています。
金属はその種類によって反応時に出る色が違ってきます。
金属によって「銅」は緑色、「リチウム」は赤、「カルシウム」はオレンジ、「アルミニウム」は銀などといったように色が違いますが、この発色の違いを利用することで花火も鮮やかになるのです。
またこの発色している状態を「炎色反応」ともいいます。(学校で習いましたよね)

*** 炎色反応とは…
金属は、原子と電子で構成されていますが金属の種類によってこの電子量やエネルギーに違いがあります。
通常「電子」は「原子」の周りの軌道上を周回していますが、外から熱や力などの影響を受けると移動したりします。
外部から熱が加わることでより電子はエネルギーがより高くなる “励起状態” となりますが、やがて元の軌道上へと戻ろうとします。
この際にエネルギーの放出が起こり「光」を発します。
金属の種類によって電子量が違えば発色にかかわるエネルギーにも違いがでますので、それが「色の違い」となるのです。

金属加工の際にも「グラインダー」で金属を削った際には火花が飛びます。
このとき「材料の当て方」や「素材の違い」などで火花の飛び方も色も変わってきます。
その火花の「色」「飛び方」などで加工具合や素材の状態などの判別をすることがあります。
経験を積まなければわからない…つまり「職人技」というものでしょう。

話は変わりますが・・・色の違いは波長の違いとして観測できます、これを利用したのが天体の研究現場です。
赤外線を観測できる機材で天体を撮影すると星の一つ一つではなく、ガスやチリといった「モヤ」のようなものが写ります、この濃淡によって星のエネルギーや誕生からの年数などが解明されるそうです。