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トランプ相互関税の衝撃

2025年4月執筆現在、世界の市場がトランプ大統領が発動を決めた相互関税によって衝撃を受けています。
日本国内でも2025年4月、日経平均株価が大きく値下がりをしています。
市場の動揺がおさまるのか心配されています。
中国だけでなく、中国一極集中を回避するために供給網再編が進み、安くて高品質な工業製品を製造し、
輸出で稼いでいるアジア・東南アジアも関税の狙い撃ちを受ける可能性もあります。
2025年4月上旬、ベトナムはいち早く対米関税をゼロにしていく用意があるとトランプ大統領に書簡で伝達をして、
相互関税の発動の当面の延期を提案したといいます。
日本の石破首相もトランプ大統領と対策をパッケージで準備をした上で電話で会談したい旨をコメントしています。
石破首相はトランプ関税を「国難」とも呼んで対策・対応に当たりたい意向のようです。
自動車の製造・輸出で稼ぐ日本の製造業は難しいかじ取りを迫られていきそうです。

日本に対しても24%の相互関税を課すとトランプ大統領は2025年4月上旬に発表しました。
しかし数日後の4月中に、市場の混乱を考慮したのか、10%の追加関税が発動したものの、
中国以外の国へのそれ以上の追加関税はトランプ大統領の指示で90日間の相互関税の発動が延期されました。
トランプ政権の相互関税は、
米国の貿易赤字額を解消し、米国内に投資と雇用を呼び込むことを目的としたものとされていますが、
計算式が非関税障壁を厳密に算出したものではなく、しかも単純すぎると批判されています。
鉄鋼・アルミ、自動車への高関税を発動させたトランプ大統領は、
貿易赤字の大きい国だけでなく世界各国に相互関税と称した関税を課す決断をしています。
日本にとって米国は最大の輸出相手国です。
相互関税の影響は大きくなる可能性があります。

トランプ大統領が2期目の就任を果たした後、石破首相は対米投資の計画を準備して日米首脳会談を行いました。
そこで石破首相は、日本が対米投資額を1兆ドル規模に拡大していきたいと表明しました。
その2か月後にはトランプ大統領は高い関税を課す大胆な政策を表明してしまいました。
対米投資・貿易の今後を懸命に考えた石破首相は一度は持ちかけた対米投資の今後の計画は維持するのか、
トランプ関税への今後の実際の対策・対処法ももちろん緊急に再考する必要に迫られていくのではないかと考えられます。