物流荷役機器は、物流や倉庫で物品を移動、積み下ろし、保管するために使用される機器や装置を指します。これらの機器は作業の効率化、労働負担の軽減、コスト削減などを目的に導入され、さまざまな種類があります。以下に代表的なものを挙げます。

1. フォークリフト

・パレットに載せた荷物を運搬、積み下ろしするための車両です。主に倉庫や工場で使用されるほか、建設現場などでも活躍します。

・電動式やエンジン式、ディーゼル式など、用途に応じたさまざまなタイプがあります。

2. パレットジャッキ（パレットトラック）

・手動または電動でパレットを持ち上げて移動するための機器です。比較的短距離の運搬や軽い荷物に適しており、倉庫内でよく使われます。

3. 自動倉庫（AS/RS: Automated Storage and Retrieval System）

・コンピュータ制御で自動的に物品の保管や取り出しを行うシステムです。省スペース化や人的作業の削減に役立ちます。

・垂直型、水平型など、倉庫スペースに合わせた設計が可能です。

4. コンベヤシステム

・コンベヤベルトやローラーを使って荷物を移動させるシステムです。大量の荷物を一定のルートで連続的に移動させるのに適しています。

・ベルトコンベヤ、ローラーコンベヤ、チェーンコンベヤなど、運搬物の種類や用途に応じてさまざまなタイプが使われます。

5. AGV（自動搬送車）やAMR（自律移動ロボット）

・センサーやマッピング技術を用いて自律的に倉庫内を移動し、物品を運搬します。AGVは決まったルートに沿って移動するのに対し、AMRは障害物を避けながら自由に移動できます。

・物流倉庫でのピッキング作業や配送センターでの仕分けなどに使われています。

6. クレーン

・大型倉庫や屋外で重機や荷物の移動に使用される装置です。ホイスト（巻き上げ機）と一緒に使うことで、大型物品の上下移動も可能です。

7. リフトテーブル（昇降テーブル）

・高さ調整が可能なテーブルで、物品の積み上げや作業効率を高めるために使われます。フォークリフトと異なり、固定して使用されることが多いです。

これらの荷役機器の選定は、取り扱う物品のサイズや重量、作業スペース、効率化の目標に応じて行われます。また、最近はIoT技術を活用して、これらの機器をネットワークに接続し、運行管理や保守状況の把握を行うスマート物流も普及しつつあります。