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流量発信器

<例>流量発信器の銘板


流量発信器は、液体や気体などの流体の流量を計測し、そのデータを信号として発信する装置です。主に産業やインフラ分野で使われ、配管内の流れの速度や量を把握し、システム全体の管理や制御に役立てます。流量発信機にはさまざまな種類があり、用途や測定対象に応じて選ばれます。

主な種類と特徴

1.電磁式流量発信機
導電性のある液体の流量を計測するのに適しています。磁場を利用して流速を計測し、その値から流量を計算します。配管内に可動部分がないため、メンテナンスが比較的容易で、腐食性のある液体にも対応可能です。

2.渦流式流量発信機
配管内に発生する渦流の周波数を測定して流量を算出します。広範囲の流量に対応できるため、水やガスなどの流体測定によく使われます。温度や圧力が変化する環境でも安定した性能を発揮します。

3.超音波式流量発信機
超音波の反射や透過を利用して流速を測定し、流量を計算する方式です。非接触で測定できるため、腐食性の高い流体や異物の含まれる液体の測定に適しています。また、可動部品がないため、長寿命でメンテナンスが少ないのも特徴です。

4.熱式流量発信機
温度の変化を利用して流量を測定する方式で、特に低流量の測定に優れています。主にガスの流量測定に使われることが多く、空調システムや燃料供給などでの使用が一般的です。

用途

流量発信機は、製造業、石油・ガス産業、上下水道、化学工場、エネルギー分野などで広く使用されています。例えば、水処理施設では流量発信機を使って水の供給量をリアルタイムで管理し、供給の最適化を図っています。また、石油精製やガス供給のプロセス管理においても、流量発信機は重要な役割を果たしています。

メリットとデメリット

・メリット: リアルタイムで流量データを取得できるため、効率的なシステム管理が可能になります。また、異常流量の検知や消費量の予測に役立ちます。

・デメリット: 流体の特性に合わせた発信機の選定が必要で、環境条件によっては誤差が生じることがあります。また、設置環境に応じたキャリブレーションが必要です。

流量発信機の選定には、測定する流体の特性、設置環境、必要な精度、メンテナンスの手間などが重要です。それぞれの方式には適した用途があるため、利用目的に合わせた機器の選定が求められます。

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