表面処理とコーティング

2014年 1月 14日

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コーティングといえば一般的には、フライパンのコーティングやクルマのワックス処理などが思い浮かびます。
工業的な表面処理とコーティングの違いとは、大まかに言えば処理した皮膜が剥がれてしまうかどうかの違いしかないそうです。

表面処理の場合には耐食性・耐摩耗性が高い処理をいいます。
コーティングには定期的なメンテナンスが必要です。

表面処理によって硬度の向上・耐摩耗性・耐食性・耐酸化性・耐熱性・断熱性や、外観の美装などの性能を向上させる事が期待できます。
材料の表面を化学変化させる事で、耐久性や表面硬度を高める方法を電気・蒸着・イオンメッキなどの金属皮膜処理といいます。
材料の表面を塗装・プラスチック・セラミックなどによる違う素材で覆う方法を非金属皮膜処理といいます。
対象物が紙などのようなものなら、ラミネート加工も一種の表面処理といえるでしょう。
印刷面の保護や携帯電話の画面保護などにもフィルム素材のものが使用され表面の保護がされています。

TiN(窒化チタン膜)での表面処理では0.1mm径の工具へも、硬度や密着性の高い超薄膜での表面処理が出来ます。
表面処理により低摩擦係数を実現でき「潤滑性」が向上しますので、回転体での使用などに用いられます。
また酸や薬品による侵蝕に対する「耐薬品性・耐酸性」も増しますので、塩素系ガスなどの発生下での作業にも耐えられます。

こうした表面処理のされた工具は高精細な作業にも活用されています。
精度の良い工具を使用することで、工作機械の性能もフル活用できることに繋がるのです。