工具ドライバーの歴史

2017年 2月 10日

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ドライバーのお話です。ドライバーといば色々な意味がありますが、今回は工具のドライバーです。工具のドライバーはねじを締め付けて固定したり緩めて外したりする作業を行うための工具です。ドライバーにはネジの穴の形に合わせた様々ドライバーがありますが、日本で特にイメージが強いのはプラスドライバーとマイナスドライバーです。

マイナスドライバーとプラスドライバー及びそれらのネジの違う点は形状は勿論ですが、他にも作業効率が違います。ネジとドライバーの噛合がプラスとマイナスでは圧倒的にプラスの方がスリップ(滑ってしまう)事が少ないのです。故にプラスドライバーの方が回しやすく、ネジの締緩作業がはかどります。

そのプラスドライバーについてお話しします。プラスドライバーの誕生は1933年にアメリカのフィリップス・スクリュー社が開発、販売したことからでした。アメリカで開発されたのでプラスドライバーとプラスネジは日本では規格外が理由ですぐには普及せず、海外からの輸入品として取り扱う程度でした。なぜなら日本では終戦までほとんどマイナスネジ、マイナスドライバーのみでネジを取り扱っていたのです。

その後1949年に日本で工業標準化法の成立によって同年に日本工業規格(JIS)が制定されるようになります。その時にプラスドライバーの有用性が強く主張され、それによってプラスネジとプラスドライバーが国産化し、当時の日本捻廻(現在のベッセル)が製造発売を始め、プラスドライバーの普及のきっかけを担いました。

なお、マイナスドライバーはプラスドライバーよりも日本では古くから使われているのをお話しましたが、一つ注意が必要です。日本ではマイナスドライバーは業務やその他の正当な理由を除いて「隠して携帯」すると処罰されることになっています。なぜなら特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律(ピッキング防止法)の「指定侵入工具」に指定されているからです。気をつけて下さい。