カッターナイフあれやこれ

2016年 8月 26日

カッターナイフ

学校や事務所に欠かせないマストアイテムの1つがカッターナイフです。
切れ味が落ちたらポキっとおって新しい刃へ。
こんな画期的なアイディア商品も実は日本生まれってご存知でしたか。
今回はそんなカッターナイフの刃についてです。

カッターナイフの材料は主に刃物用炭素工具鋼を用います。
ただしこれは切断する対象物によって鋼の種類を変えていきます。
一般向けのカッターナイフの刃の材料となる鋼の厚さは0.38cmほどの鋼材です。
この時点ではまだまだ柔らかくてコイル状に巻かれています。
この鋼材をプレス加工することからカッターナイフの物語は始まります。
プレス用金型を用いてスライダーに固定するための穴、刃を新しくするための折れ線、制作会社名、型式番号などをプレスしていきます。
1/100mmの制度で連続してプレス処理されていき、またロール上に巻き取られていきます。
次の工程は熱処理です。
プレスして洗浄されたロール材を850℃から1100℃の加熱炉に送り込んで加熱します。
そして直ちに冷却装置で冷まします。
この加熱後の即冷却は硬度を高くするための処理です。
しかし、これだけでは硬いのだけど粘り気のないもろい刃になってしまいます。
なのでこの冷却した刃をもう一度加熱炉に入れて加熱します。
これは材料の組織を均一に加熱することで並べて耐脆性を向上させるのです。
そしていよいよカッターナイフの命である刃付けの工程です。
砥石を用いて加工・研磨します。
刃付けが終わるとセンサーで長さを測り、1本のカッターナイフの刃に折られます。
そして最終工程である検査がはじまります。
検査項目は硬度や鞭性、刃の角度などを試験します。
この検査で合格した1級品が市場に流通するのです。